鹿の狩猟現場に同行初体験
【1月23日 (木) 】
地元でハンターをしているOさんととあることで知り合う機会があった。
彼はまだ45歳と若いが、狩猟と解体、加工、販売を生業とし、道内で増えるエゾシカの
有効活用をこの地で広げたいと語っていた。そんなOさんと短い会話の中で互いに興味あ
る話題で盛り上がり、早々「狩猟現場」に連れて行ってくれる運びとなった。
8時前、待合わせのOさん宅へ
そしてOさんの車で狩猟現場となる苫小牧市へ向かった。
そこは、樽前山系の南側で大きな牧場と雑木林が点在する場所。国有林と私有地があり
私有地内が狩猟現場となるようだ。狩猟許可は限られたハンターのみ立入りが許可させ
れている。地主に挨拶してから改めて敷地内の広大な雑木林に立ち入る事になった。
歩き始めてすぐにメス鹿を発見したが、すぐに気付かれ離れてしまった。でもOさんは
ライフル銃を構えてスコープで鹿を追う。その姿にまず感動・・・。
雑木林にはうっすらと雪はあるが、解け始めている状態。笹はほぼ食い尽くされ、樹皮
も食われたものが目立っていた。Oさんとの距離を保ちながら狩猟の邪魔にならないよ
う付いて行くが、鹿には気付かれているのか足跡を追っても姿を見る事が出来なかった。
沢形の谷間を歩けば鹿は尾根の向こうに移動し、尾根に登れば下の谷間に逃げる。
鹿との騙し合いだが、出没の多い地区でもあり普段なら目の前に何頭も姿を現すと言う。
敷地内を大きく回り込む形で追っている途中、Oさんが立ち止まる。
樹皮を引っ掻いた跡を指差し「熊」だよ「足跡もある」と言い私に近くまで来いと呼び
寄せた。「普段より鹿が居ないのはこのせいだよ・・。」とまだ眠っていない熊が近く
に居る事を教えてくれた。
スタートからGPSを起動させて、もしもの時でも戻れるセットしていた。
Oさんの歩きが早いので、時に見失う事もあったが、そこは山登りの感も働き焦る事な
く自分の歩を進める。雑木林の中には鹿道らしき獣道が縦横無尽に付けられ急斜度のト
ラバースもそれを利用すれば歩き易かった。出来るだけ音を立てないよう慎重にそして
緊張しながら後を追う。Oさんの足が止まれば、私も足を止め、銃を構えると一気に緊
張が走る。こんな近くでハンターに同行し、狩猟現場に居る事が楽しかった。
「楽しい」の表現は不謹慎かも知れないが、もし射止めて倒した時はその現場ですぐに
解体し、肉を持ち帰る光景もあったと思う。場合によっては熊に襲われる事だって無い
とも限らない世界だから体験させてくれている事に感謝だった。
歩いた距離は、僅か3kmほどだったが、狩猟は出来なかった・・。
とても良い経験をさせて頂き、心が躍った。知らない世界にお邪魔した感じだ。
鹿公園で鹿の飼育係も経験はあるが、鹿を殺したり解体に立ち会う事は無く、専門の
業者を呼んで運んでもらうくらいが見られる光景だ。狩猟という世界・・ちょっと興味
が沸いて来た・・・
そんな一日でした。Oさん、ありがとうございました。