ゆうです🐱
今日は、ぼくが、曽場家に来て、楽しく生活していたときの話を聴いてほしいにゃぅうー🐱🐾
【黒猫たちの思い出🐾】
原作▶曽場 優
脚本▶曽場 勝司
登場する人とネコ
曽場 勝司▶飼い主
曽場 優▶飼い猫 ゆう(黒♂)
曽場 希望▶ゆう他界後、曽場家にやって来た猫 のぞみ(黒♂)
曽場 愛 (あい 白黒ブチ♀曽場家に一番最初に来たネコ)
逆瀬川 虎 (とら 地域ネコ 愛とは恋仲 キジトラ♂)
神様
※これを何かに使おうと言う人はいないと思いますが、著作権は、曽場勝司に帰属します。
一、
勝司(N)▶初夏のある日の修学院駅前
勝司▶最近は、ゆうちゃんの夢、よく見るなあ…
若い頃は、駅から家まで、一緒に歩いてくれたなあ…
優▶(どこからか) 今も、駅から家まで、一緒に歩いてるにゃううー🐾
勝司▶ん?ゆうちゃん?…まあ、そんなわけないな…
優▶勝兄!迎えに来たよ!さあ、一緒に帰るにゃううー🐾
二、
優(N)▶ぼくは、曽場 優
天国で暮らしていたある日、ぼくは、神様に呼ばれた。
神▶黒猫が欲しいと言っている家がありますが、行きますか?
優▶にゃぅうー⤴🐾
神▶でもあなたは、その家の近くで生まれることは出来ません。全く違う所で生まれ、貰い手もなく、捨てネコになります。
でも、必ずあなたを見つけてくれます。
優▶行ってみたいにゃぅうー🐾
神▶それから、あなたは、大事にしてもらえますが
、パートナーとは、あまり長くは一緒に過ごせません。それでも行きますか?
優▶それでも行くにゃぅうー🐾
その家の人たちに会ってみたいにゃぅうー🐾
優(N)▶あのとき、神様の提案を断ることも出来たにゃぅうー🐾
でも、どうしても行ってみたい気持ちになったにゃぅうー🐾
そう言って、ぼくは曽場家に来ることになった。
三、
優(N)▶平成2年3月、ぼくは十三公園に捨てられていた。耳が痒くなっていた。近くの愛猫家に拾われ、病院に連れて行って貰って、耳の薬を貰った。この家には、ネコがいっぱい居たなぁ…
しばらくして、里親を募集してくれた。そしたら、勝兄こと曽場勝司が手を挙げてくれた。そしてぼくは、晴れて曽場家のネコになった。
曽場家に来てからは、勝兄と気が合ったからか、ぼくのことを「ものわかりのいい、優秀なネコ」だと言って「ゆう」って名付けてくれた。この名前は、ぼくも気に入っている。
人間のお客さんに挨拶して、みんなを驚かせたこともある。
川合さんって言う、勝兄の友達は、ぼくが、勝兄と曽場家に感謝しているって伝えてくれた。勝兄は驚いてたけど、川合さんは、ネコの言葉がわかるらしい。
またあるときは、勝兄が彼女と喧嘩してたから、勝兄に加勢して、彼女に「にゃううー💢」と吠えたりしたにゃー…
そんなある日、ぼくは、原因不明の苦しみに襲われた。勝兄は必死でマッサージしてくれたけど、ぼくは、戻れなかった。
四、
優(N)▶ぼくは、あのあと、天国に辿り着いた。楽しかったあの生活に、もう戻れないと思ったら、急に悲しくなった。そして、勝兄や彼女は、どうしてるか気にもなりだした。
そして、神様に呼ばれた。
ぼくは、神様に話した。
優▶ホントに大事にしてもらって、いい出会いだったにゃぅうー🐾
でも、もっと曽場家で暮らしたかったにゃー🐾
神▶あなたは、曽場家のために十分働きました。
「優」という名前をつけてもらったのですね。あなたに相応しいいい名前ですね。
ところで優、あなたに褒美をとらせたいのですが、何がいいですか?
優▶ぼくが曽場家に戻れないなら、ぼくの代わりに曽場家の役に立つネコを送ってほしいにゃぅうー🐾
神▶それでよいのですか?
わかりました。
誰か探しましょう!
五、
希望(N)▶曽場 希望です。
ある日ぼくは、神様に呼ばれた。
神▶先日、天国に帰ってきたネコが私のところに来て、自分の代わりに住んでいた家に行ってくれるネコを探して欲しいと言っています。
自分もまだ、家に居てやりたいこともあった、そして何より家族に寂しい思いをさせていることが気がかりだと言っています。
あなた、行ってくれますか?
希望▶そんな難しい仕事、ぼくに出来るかにゃー?🐾
神▶あなたは、その家には全く関係ないところに生まれます。貰い手も現れませんが、それを知った知人が連れていってくれます。
希望▶にゃーん?🐾
神▶生まれてすぐ、いろいろと困難に巻き込まれますが、大丈夫です。あなたは、気丈ですから…
希望▶行ってみるにゃーん⤴🐾そのネコの代わりにぼくがみんなを元気にするにゃーん🐾
神▶わかりました。では任せましたよ!
希望▶にゃっにゃーん⤴🐾
希望(N)こうしてぼくは、曽場家に来ることになったにゃーん🐾
六、
希望(N)▶神様から訊いた通り、ぼくは、生まれた家で、他の兄弟たちがもらわれていくなか、ぼくだけは貰い手がなかった。
お母さんの飼い主さんの友達に預けられ、その人から、曽場家に連れて行ってもらった。
曽場家に着いたら、はじめ勝兄は困惑してたけど、すぐに受け入れてくれて、優兄のことを訊かせてくれた。
ぼくは、優兄とは違うけど、優兄の気持ちは、わかったにゃーん。そして、優兄には、負けないって思った。
そしてぼくは、走るのが速かったから、「のぞみ」って言う名前になった。
やっぱり、お母さんの飼い主さんの友達の家から来た、ひかり君が居たけど、ぼくがけんかで勝ってしまった。
もう少し、仲良くすればよかったなぁ…
七、
優(N)▶それからしばらくして、
神▶あなたの代わりのネコを曽場家に送りました。
「希望」という名前をつけてもらったようです。
しばらくしたら、様子を見に行って来るがよろしい。
優(N)▶そう言われて、希望の住む曽場家に様子を見に行った。
そして、ぼくは希望に話しかけた。
優▶のぞみか?
希望▶わぁー化けネコ🐾
こわいにゃー🐾
優▶ゆうだ!怖がらなくていいにゃぅうー🐾
希望▶にゃぅうー?優兄?神様と勝兄から訊いたことあるにゃーん?🐾
優▶そう!その、ゆう だ!
今日は、曽場家の様子を見に来たにゃぅうー🐾
希望にも会いたかったにゃぅうー🐾
希望▶にゃっにゃーん⤴🐾
会いに来てくれたのかにゃーん?🐾
優▶のぞみなら、曽場家を任せられるにゃぅうー🐾
ぼくの使ってたものは、みんなのぞみにあげるにゃぅうー🐾
これで安心して、天国に戻れるにゃぅうー🐾
のぞみ!また来るにゃぅうー🐾
希望▶優兄!ありがとにゃっにゃーん⤴🐾
優(N)▶これから、しばらくは、天国に戻って、いろいろ修行しないといけないにゃー🐾
ぼくの前に曽場家に暮らしてた愛姉や、家の前に住んでたトラニャンも探さないと…
こんな感じで、ぼくの天国での暮らしが始まった。
八、
優(N)▶天国に帰ってからしばらくたったある日、ぼくは神様に愛姉の居場所を訊いて探しに出た。
しばらく行くと、ネコのカップルがいる!愛姉だ!
もう一匹は、虎兄さんだ!
優▶愛姉さんか?ゆうですにゃぅ
愛▶あなたが優ですか?
初めましてにゃー。
優▶横にいるのは、虎兄さんかにゃぅうー?
虎▶とらだにゃーん。
おまえが優か?噂通りしっかりしてるにゃーん。
優▶愛姉!どうして曽場家から出ていったのかにゃぅうー?
愛▶ある日、玄関から飛び出して、気がついたら、知らないところに行ってしまってたにゃー。
しばらくは、トラニャンとも会えなくて…さみしかったにゃー。
優▶家の人も心配してたにゃぅうー。
虎兄さんと付き合うの反対してないのにって言ってたにゃぅうー。
愛▶私がいなくなってから、優というネコが曽場家に入ったと、風の便りで訊いたにゃー。優は、しっかりしてるから、大丈夫だと…優!何もかも任せきりでごめんにゃー。
優▶そうだったのかにゃぅうー。
家のことは、今は希望がやってくれてるにゃぅうー。
時々相談にも乗ってるにゃぅうー。
ところで、曽場家のネコたちが一緒に暮らせる家を用意したにゃぅうー。
一緒に来てくれにゃいかにゃー?
愛▶ゆう!ありがとにゃー。
優▶虎兄さんも!
虎▶俺もいいのかにゃー?。
優▶もちろん、来て欲しいにゃぅうー。
愛▶ゆうは、良くできた弟ですにゃー。
トラニャン!行きますにゃー。
優▶ぼくは、愛姉や虎兄さんとも仲良くしたいと思っている。
これからよろしくにゃぅうー⤴。
愛▶よろしくにゃー。
虎▶ゆう!世話になるにゃーん。
優(N)▶こうしてぼくたちは、天国で一緒に暮らすようになった。
九、
優(N)▶ぼくはそれからも、曽場家に暮らしたネコたちを探して、天国を旅した。
勝兄たちと気が合わなかったネコもいるけど、勝兄からの「改めて仲良くしたい」っていうメッセージを持って、みんなを訪ねた。
「優が、そういうんなら…」ってみんなぼくのところに集まってくれた。
しばらくして、希望も天国に帰ってきて、ぼくを手助けしてくれた。
そしていつしかぼくは、「ボスネコ」と呼ばれるようになっていた。
地上の曽場家では、勝兄の友達が、勝兄に「この家は、ネコたちが守ってる」って言ってくれた。勝兄は、気づかなかったけど、この友達には、ぼくたちの動きが見えたらしい。
こうしてぼくたちは、ときには仲良く、そしてときには喧嘩もしながら、みんなで助け合って、楽しく暮らすようになっていった。
十、
優(N)▶天国での暮らしが長く続いたある日、ぼくは神様に呼ばれた。
神▶優!あなたは毎日、一生懸命に働いたり、勉強したり…よく頑張って来ましたね!ホントに感心しました。
ところで、あなたは曽場家に帰る気はないですか?
優▶にゃぅうー⤴🐾
帰りたいけど、そんなことできるのかにゃぅうー?🐾
神▶もちろん、今度は普通のネコではなく、守護神として、曽場家で暮らすのです。あなたが、今でもときどき曽場家の様子を見に行っているのも知っていますよ。
優▶嬉しいにゃぅうー⤴🐾
そしたら神様!ぼくからも相談したいことがあるにゃぅうー🐾
神▶どんなことですか?
遠慮せずに言ってみなさい。
優▶希望も一緒に連れて帰りたいにゃぅうー🐾
希望は走るのが速くて、力も強いから、希望も居た方が、いろんなことができるにゃぅうー🐾
ダメかにゃー🐾
神▶希望ですか?
希望は、あなたの遺志を継いで、曽場家に行ってくれました。そして、天国に帰ってからも、あなた
の手助けをしてよく頑張りました。
優!よく気がつきましたね!
いいでしょう!
一度、希望に訊いてみましょう!
十一、
優(N)▶そして、希望が神様に呼ばれた。
神▶先日、優に守護神として曽場家に帰ることを奨めたのですが、優は、あなたにも一緒に曽場家に来て欲しいと言っています。あなたの気持ちはどうですか?
希望▶ぼくが守護神?
そんな難しいこと、ぼくにできるかにゃー?🐾
神▶あなたは、優の遺志を継いで、曽場家に行ってくれましたね。
そして、天国に戻ってきてからも、優の手助けをして頑張って来ましたね。今度、曽場家に帰ってからも今まで通り、優の手助けをして欲しいのです。優は、あなたのことを本当の弟のように思っていますよ!
希望▶ぼくも帰りたいけど…いいのかにゃー🐾
でも、優兄が行くんなら、心強いにゃー🐾
神▶あなたたちのことは、氏神さまにも頼んでおきます。なにかあったら相談するがよろしい。
希望▶わかったにゃーん🐾優兄と一緒に曽場家を元気にするにゃっにゃーん🐾
神▶では、任せましたよ!
優と相談して、出発の準備をするのですよ!
優(N)▶こうしてぼくたちは、守護神として一緒に曽場家に帰ることになった。
十二、
希望(N)▶ぼくが曽場家で暮らしていたとき、優兄はときどき、天国から様子を見に来ていた。
希望▶優兄が気に入ったネコでないと、曽場家では暮らせないにゃーん🐾
優▶のぞみだったら大丈夫だと思ったにゃううー🐾
希望▶でも、優兄、怖かったにゃーん🐾
希望(N)▶天国に行ってからも、優兄は、「曽場家に役に立つことはにゃいか?」って、ずーっと考えてた。
ぼくも、初めは、よくわからにゃかったけど、横で見ていて、少しはわかるようになった。
あっ、ネコだけじゃなくて、人間の女の子も、優兄が気に入らないと暮らせそうにないなぁ…
優兄、睨み利かしてるにゃーん🐾
勝司▶そう言えば、10年くらい前に泥棒に入られたけど、その10ヵ月後、犯人逮捕されたね。(@_@)
あれも、ゆうちゃん、警察に情報提供してくれたのかな?
希望▶優兄なら、きっとやってるにゃーん🐾
優▶にゃううー⤴⤴🐾
希望▶逆瀬川に住んでたとき、不法侵入してきたスカンクを捕まえた実績あるにゃーん🐾
優兄は、自分の部屋に座ってるだけで、睨みが効いてるにゃーん🐾
勝司▶川合さんから訊いたんだけど、今もこの家は、ゆうちゃんたちが守ってくれてるんだってね♪
優▶神様に言われた通り、確かに辛いこともあったけど、ここに来てよかったと思ってるにゃぅうー🐾
そして今ぼくは、ぼくを迎えてくれた曽場家を守っていきたいと考えてるにゃううー🐾
これからは、のぞみの協力も必要にゃううー🐾
希望▶ぼくも、曽場家のネコだから、曽場家を楽しくするにゃっにゃーん🐾
十三、
希望▶静かだにゃーん🐾
優▶のぞみ!寝るにゃううー🐾
希望▶優兄!おやすみにゃーん🐾
希望▶優兄は、ぼくをホントの弟みたいに思ってくれて、嬉しいにゃーん🐾
十四、
勝司(N)▶数日後、修学院駅前
勝司▶ああ、今日は、疲れたなあ…ゆうちゃんがいた頃は、駅前まで迎えに来てくれてたなあ…今日みたいな日は、ゆうちゃんに連れて帰ってもらいたいよ!
優▶(どこからか)にゃううー🐾
勝司▶ん?ゆうちゃん?…まあ、そんなわけないな…
優▶勝兄🐾迎えに来たよ!さあ、一緒に帰るにゃううー🐾
(終)