「三子教訓状」まで見終えた。
Wikipediaに書いてあるいきさつとドラマの内容はやや違うものの、ドラマの方が面白い。
あまりに対立する我が子たちに業を煮やした元就が「教訓をたれる!」と息巻いて書き上げた、14箇条からなる教訓状。
息子たちに「教訓状の中でもぼやいている」と呆れさせ、対立は解消。
何枚もの教訓状(全部つなげて巻物状になっている)に対し、返書は全員共同署名による紙一枚。
それに怒る元就…というオチが面白い。
私が気に入ったのはこの中で、隆元・元春・隆景・可愛(えの)の4きょうだいによる言い争い。
隆元が元春・隆景に対し、「ちこちこなつなつ」というのだが、妙にその響きが気に入った。
話の流れからして、自分だけのけ者にして仲良くやっている、という意味なのだろうが、弟たちも黙ってはいない。
「兄上ともちこちこなつなつしている!」
とにかく、このあたりのやりとりは、皆さん迫真の演技。
声もいつも以上に大きいし、見ていてハラハラさせられる。
可愛の夫・宍戸隆家がなんとかなだめようとしているのも健気で健気で…。
その後、「三子教訓状」の場面へと移行していくのだが、そこでの隆元たちの心境の変化が見所の一つ、かな。
対立の原因となっていた、領地の分配。
全員が納得のいく分配はできない。だけど、できるだけ納得してもらえるように努力する。
そんな隆元の姿を見た、三人の弟妹たち(隆家は元々「これでいいんだけど…」というスタンス)。
真っ先に兄に謝るのが元春。
何かと兄に突っかかることの多い元春だが、自分に非があることを認めると、潔く頭を下げる。
そんなところが私がこの作品で元春を好きな理由。
なんだかんだ、もめることの多い4人のきょうだいだが、言いたいことをぶつけ合い、妥協点を探るというのは素晴らしいと思う。
きっと、父母の教えがよかったのだろうと思う。
決定的な溝になりかねないような事態が今回の領地配分だったと思うのだが、見事に乗り越えた。
これだけ周りに配慮しようと努力している隆元が後に暗殺されるなんて…。
よく、元就がもう少し後世に生まれていたら…という話を聞くが、私は隆元が暗殺されずに生きていたら…ということを考えてしまう。
残り数話。しばらくは重い話が続くので、最終回の幽霊(?)総動員のお話が楽しみ。
すっ飛ばしてでも見てみたいのだが、それでは面白くないので、しばしの辛抱。
「ちこちこなつなつ」、気に入ったのでどこかで使ってみたいのだが、使いどころが分からない…。
全然関係ない話ではあるが、元春と隆景は隆家のことを「(義)兄上」と呼ぶべきだと思うんだけどなぁ…。
隆家→隆元は「殿」だからさほど違和感はない。
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