「み○、生まれてから今までの人生で、
１度でもショートケーキを食べたことある？」と。
「うん、当然あるよ！」
何故、こんな質問をしてきたのか？というと、、、
兄は、イチゴが食べられない。
となれば、我が家でケーキといえば、
イチゴが中に入ってない、
チーズケーキとか、チョコレートケーキとか、、、
自然とそんな感じになってた。
なので、
兄は、こう思ったみたい。
「ひょっとしたら、み○は、
生まれて１度もショートケーキを口にしたないんじゃないの？」
と、心配になったようだ。
でも、私はピアノをずっと習っていた(３歳～)こともあり、
そこの先生のお宅で毎回、色んなケーキを頂いていた。
(先生の御自宅に伺って習う個人レッスンのピアノ教室に限るが、、、
マナー教育の一環として、
ケーキ＆ドリンクの頂き方も指導して下さる)
その中の１つに、ショートケーキも出して頂いていた。
なので、食べたことある？どころか味を知り過ぎてる感じだ。
そう言えば、このピアノ教室、
行く度にワンワン泣いていた記憶がある。
母の希望で、スパルタで有名のピアノ教室に通わせてたからね。
私だけではなく、他の子達も泣いて帰ってくるのが常だった。
先生のお家は、子供の泣き声がしない日は無い！って、
近所でも噂になってたからね。
ミスタッチをする度に、
竹の定規が手の甲にピシッ！と容赦なく飛んできた。
あっ、今はプラスチックばかりで見かけないけど、
私の子供時代は竹で出来た物差しがあった。
これが痛いのなんのって、、、
今の時代だと明らかに虐待として扱われて通報されるんだろうなぁ。
今の子供たちが羨ましいよ！
まだ小さな紅葉のような手が、
いつも真っ赤に腫れ上がってた。
帰宅する前は必ず、氷で冷やすんだけど、
あまりの痛みで冷たさすら感じなかった。
氷は、ピアノ教室の先生の御母様が用意して下さっている。
ピアノのレッスンが終わり、
洗面所で手を冷やそう！と向かうと、
私の前にレッスン終わった子が手を冷やしてた。
「まだ冷やしてるの？」
「めっちゃ痛いねん」
「今日は何発だった？」
「１４発やで！最悪やわ～。
宿題忘れと、８分休符が長かったのと、
それに、ミスタッチがあってん、
痛てててててぇ」
「そうなんだぁ、私も１０発は越えてると思うよ。
何だかジンジンしてて、もう感覚がオカシイもん」
「急いで冷やさなアカンでぇ！
早よ、これ(氷)使わな」
「ありがと～っ。痛～い」って感じの生徒同士の会話。
私の次にレッスンしている子の泣き声を聞きながら、、、。
時折、母もピアノ教室で見学することもあったが、、、
そんな時でも当たり前のように竹の物差しが飛んできた。
母は無言で私を見ていたり、譜面を見ていたり、、、
ピアノの先生は、お家で練習してない(宿題)と、
すぐに気付かれた。
こうなると大変で、、、
竹の物差しが、前回のお稽古の日から今回までの日数分、
連続で飛んでくるのだ。
あの時もギャーギャー泣いたっけ？
どんなに泣いても喚いても終わらないレッスン。
もう諦めて受けるしかない。
宿題忘れは、度を越えたスパルタ指導になった(涙)
これだけ厳しい分、ここの教室に通う生徒さん達は、
群を抜いて上達が早い。
どの子も皆、優勝したり、入賞したり、、
この時ばかりは先生も満面の笑みだったなぁ。
たま～に、サボったりしたけどねっ。
お休みすると、レッスン前に２週間分を叩かれたのは言うまでもないが、、、。
負けて覚える相撲かな？じゃないけど、
泣いて覚えたピアノかな？
