竹林亭白房

べ瓶「地蔵の散髪」★落語

□本日落語一席。
◆笑福亭べ瓶「地蔵の散髪」(寄席チャンネル『夢 寄席』)。
新宿道楽亭、令和5(2023)年1月24日(春風亭昇也・笑福亭べ瓶二人会「どんなことになりますか」)。
とても珍しいネタだ。川戸貞吉『落語大百科』によると、この落語をナマで聞いたことのある人はよほどの幸運だとある。どれくらいの運かと言うと、「千両富を連続で当てるほどの強運の持ち主」だと言う。たとえを富籤で言うのがおかしいが、現代だとジャンボ宝くじ連続当選といったところか。

自身の体験としては、ナマで聞いたことなど、もちろんない。というか、昨今は生で落語を聞きに行くということをしないので、確率も当然落ちるわけだが。

音源視聴としては今日で三席め。一つは同じべ瓶の高座。これはBS12 TwellV『ミッドナイト寄席トゥインクル』でのOA。公演情報は、大井競馬場トゥインクルステージ、平成29(2017)年10月2日収録(2017年10月27日OA)。

また、もう一つは桂文紅である。こちらはABCラジオ『日曜落語なみはや亭』でのOA。ABC落語ライブラリーからのものだろうが、昭和45(1970)年の道頓堀角座での高座である。これはもしかしたら、録音してとってあるかもしれない。
ちなみに、川戸貞吉は生涯に一度だけこれを聞いたことがあるのは、この文紅だとのこと。たまたま来阪した際の落語会で聞けたらしい。まさかこの角座ではないだろうと思うが。

この落語について、川戸の書では梗概を紹介して、落げを「地蔵さんの頭にカツラがついた」としてある。また、『増補 落語辞典』では、お地蔵さんがざんぎりになった」という落げを記している。
つまり、両書とも、演題の「地蔵の散髪」の「散髪」の意味についてはふれていないのである。

べ瓶の落語では、最後に男の尻毛を頭につけた地蔵が歩き出して、どこへ行く?と尋ねると、地蔵は「散髪へ」と答えて落げである。これだとちゃんと演題の意味と符合している。
この落語には「ざんぎり地蔵」という演題もあるようで、この場合は、『増補 落語辞典』のような型になるのだろう。文紅はどちらで演ったのか、音をさがして聞いてみたい。

ところで、こんなに珍しい噺を、べ瓶は誰から継承したのだろう。とても興味深い。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日記」カテゴリーもっと見る