えんじゃけん

「氷点」後半

後半見ましたよ。
時代背景とかキャラクター作りが丁寧で見ていて面白かったです。

人が生きていく中で、憎しみや嫉妬や裏切りや、
そういったものはつき物で、人は罪を背負って生まれてくるものだけど、
関わりあってきたからこそ生きていけるのであって、
許しあうことで、人は生きていけるのだと最後にナレーションが
流れました。

常に完全な人でいることは難しい。
自分がそのつもりでも人を知らない間に傷つけていることだってある。
そして、自分の中に、許せない感情が生まれることだってある。

主人公・夏子は育ての母に対して恨むことはなく、自殺の道を選ぶ。
しかし、一命をとりとめ、犯人の娘ではなかったことを告げられる。
心が氷点に達した夏見は誰に対しても心が凍ってしまったというのだ。
そんな中、生みの母に会うのだが、その時に初めて口にする言葉。
「許せない」ということば。「一生許さない」と夏子は許しを請う母に
捨て台詞を言って去ってしまうのだ。
それが生みの母との最後の面会となる。

主人公の最後のほうのシーンの「流氷が燃えている」という台詞。
流氷に強い光が差すんだけど、それに対して夏子がいう台詞です。
すごく神々しい光だったんだけど、夏子の目には燃えるように
見えたんですね。
これが、彼女の氷点によって凍った心を溶かした。
自分が許しを請いたくて自殺を図ったときのことを思い出し、
生みの母の許しを請う姿を思い出し、生み母を許そうと思った。

どんどんいろいろなひとが、許しあい、受け入れあい、
暖かい輪が広がっていくのがすごく嬉しく思えるドラマだった。
最後の最後、夏子は結局、生みの母が生きている間に、
母に謝ることができなかったけど、でも、心はもう許していた。

すごくテーマの深い作品なんだろうなぁと思います。
「関わりあってたから生きてきた」
「許しあうから生きていける」
関わるのをやめるときは、死を選ぶこと。
許すことをやめることは、心が氷点に達すること。
・・・・そんな感じなのかなぁ(って簡単にまとめすぎ?)

これは三浦綾子さんという作家が書かれた作品で、
彼女はクリスチャンらしく、その立場から書いた作品なんだそうだ。
人間が生まれながらにしてもつ罪「原罪」を追求して書いたそうです。

原罪とは、辞書の意味だと人類が最初に犯した罪。
アダムとイブが禁断の木の実を口にし、神の命令に背いた罪。
アダムの子孫である人類はこの罪を負うとされるという思想なんだそうです。

「殺人者の子ども」とか、「養女」とか、そういった肩書きって
いうのかなぁ・・・そういうもので人を見るのではなくて、
その人自身を見る目というんだろうか。
その人の今を受け入れるようにしたいものだと思う。
過去の過ちをずっと許さないでいることは、許さない自分自身が一番
苦しいことなんだろうなぁとこのドラマを見て感じました。
それは、自分が許されないときの辛さを人は心のどこかで知っている
からではないのかなぁということも感じました。
その人の立場にたってものを見る視点・・・
難しいけど、そういった視点をもつことが、結局は自分の
幸せにも繋がるのだろうなぁと思える作品でした。
誰かを許さずに生きることで、安心できる日々はすごせないだろうから。
しかし、誰かと関わること、・・・それがマイナスの感情であるにしても、
関わらないよりは、そこから、得るものは沢山あるのだなぁと
いうことも感じました。
マイナスの感情も含めて人間なんですから。

人との関わりの中で人間らしさって成長するんでしょうね。

見ごたえのあるドラマでした。
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