これについては、まだ見てない人が、どんな衣装なのか
期待を膨らましていたので書かないでいたんですけど、
もう、その人も見たので今回は衣装について。
松さんの衣装は、灰色の上下のパンツ姿。
一見、寝巻きか?と思うような動きやすそうなシンプルな服です。
まぁ、動きやすさからいうと、あの服のデザインはいいのかも
知れないと思うし、男装ということで、パンツというのは
納得だし、あと、囚人というのもあって、あんな地味な衣装なのかなとも
思えるし・・・・。
それ以上はあんまし考えなかったんですけど、
ジャンヌの神に対する想いと人に対する想いを考えていくと、
あの灰色という色は非常にジャンヌに適した色だなぁと。
あれが、真っ白でも変だし、真っ黒でも変だなぁと思うんですよね。
私のイメージですけど、・・・それと、あの時代のイメージでもだろうけど、
神っていうのは色のイメージは「白」なんじゃないかなと思うんですよね。
で、悪があるとするなら悪は黒。
けど、ジャンヌは人間だから灰色。
神でも悪魔でもない灰色なんだろうなぁって。
ジャンヌは処女で穢れない存在だけど、でも、ジャンヌ自身も認めている
自分の傲慢さ、愚かさ・・・人は神じゃないんですよね。
完璧ではない。
悪の心(弱さ)だって持っている。
悪の心のない人間なんて存在しないと私は思っている。
永遠でない肉体がある限り、人は欲というものから逃れられない存在だから。
だから、時には悪の心(弱さ)が顔を覗かす。
しかし、いかにその悪の心(弱さ)と向かいあうか、
それが人間ではないかと思います。
そう考えると、この芝居で伝えているような、
人間は可能性が無限大の存在と言えると思う。
悪の心(弱さ)だけではない、善の心(強さ)も持っているのが人間。
だから黒でも白でもない灰色な存在・・・そんな風に思うのです。
だから、ジャンヌは灰色の衣装が似合う。
蜷川さんの意図は分かりませんが、今はそんな風に思っています。
最近の「演劇」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事