えんじゃけん

『メタルマクベス』その13~必要以上のものの不必要さ

さて、今日はチケットが余ったということで、
急遽、メタルマクベス楽前に行かせてもらうことができました。

もう、ずいぶん、メタルマクベスについても書き尽くしたので、
いまさら次郎、上田次郎って感じですけど、
前半は松さん中心に感想をちらほら書きたいと思います。
そして後半では二人の愛の形について書こうと思います。

楽前ということもあってか、幾人かの役者さんに疲れが見える
そんな中、松さんは元気でしたよ!
特に、後半の舞台は冴えてました。

「大きな箱をとろうとするから、ウ~~~~~ウ~~~~!!」
というところね、前はこの演技、ちょっとピンとこない感じだったんですよね。
松本とかでは、ここは静かにいうシーンだったんだけど、
東京では激しくうなってました。
静かに言ってたときのほうが心に響いたんだけどなぁと思ってました。
しかし、今日はものすごく心に響いた。
松さんの狂気を感じました。
とてもよかったです。

以前、ここでちょっと指摘した短剣を振り回すシーンですが、
今日はね、ブンブン大きく振り回していて、こちらも満足です。
とてもよかったです。
すんごい怖かったですよ。
あと、すごくかっこいいですよね、このシーン。

飛び降りる以前のシーンも!かなりきてました。
あの飛び降りる前の微笑といい、飛び降りる潔さ(?!)といいよかった。
すごく切ないです、あのシーン。

次に、これは他の人の意見なんですけど、
「松さんが色っぽかった」って。たしかに。
最初の「私の殺意」はかなりドキドキします。
けど、急に内野さんにパンチをくらわすところは、コミカルで。
その切り替えしとか結構好きだったりします。

ここから後半です。

劇批評なんかに、「これはマクベス夫婦の愛の物語だ。」
みたいなことが書かれていて、二人の愛に重きを置いた演出は、
かなり面白い視点らしく・・・・。
だから、そう思って今日は見てたんだけど、そう思って改めて見ると、
松さんってたくさん出てるなぁ・・・って。
これもいまさら次郎ですね。

昔はラブラブだったものが、自分たちで抱えきれない秘密ごとを持って
しまったばっかりに、マクベスはそれを夫人にぶつけてしまい、
それは、本音であり、かつ、相手(夫人)も気にしていたことでした。
それはお互いの中で尾をひくこととなる。
結局は夫人のほうが弱かったんですよね、精神的に。
夫人があんなにも極悪非道なことを思いつくのは、
それはマクベスのため、自分の片割れのためなんですよね。
一緒に幸せになるため。
しかし、その片割れに拒絶されたときに、
王位なんかもうどうでもよくなってしまったと思います。
二人で幸せになりたかったのだから。

そう考えて見れば、ラストのシーンで二人が身を寄せ合ったシーンは
すごく意味をもってみえる。
私は、最初はなんでこんなラストなのか理解できてなかったんですよね。
死ぬことで、二人で永遠の眠りを手に入れることができた。
ある意味、ハッピーエンドなんだろうなぁって。

マクベスも夫人なしでは生きていけなかったんだろうなぁと思います。
たぶん、二人にとってはこれが幸せなラスト。
犯した罪は二人には大きすぎた。

ここからは私の
妄想「メタルマクベス」!!
の愛の世界です。

もし輪廻転生があるとしたら・・・の話です。

1980年代にいたマクベス内野とローズ。
二人は結婚しなかったと思います。
その理由としては、ランダムスターの時代に、ランダムが、
夫人をローズとして結婚を申し込むところがあるんですよね。
けど、ローズ(夫人)は拒否します。
理由は、「あなたも病気だから」。
愛し合っていたけど、結ばれなかった二人。
1980年代はマクベス内野だけが、陰謀を張り巡らせて
(でも、これは未来の自分に影響されているんだろうけど)
バンクォー橋本を殺します。
これは、マクベスの単独犯。
急に態度を豹変させたマクベスにローズはついていけなくなります。
そこらへんなのかなぁ、1980年でローズが狂ってしまうのは。

そして、西暦2206年。
約200年の時を経て二人は結婚というもので結ばれるんですよね。
そして、2206年では、マクベス内野の生まれ変わりのランダムスター
だけが罪を犯すのではなく、夫人も一緒に犯す。
だから200年前と違う点は二人が結婚していて、共犯者だってこと。
二人は一緒のはずだった・・・・
しかし、それでも結局はローズの生まれかわりの夫人は
夫ランダム(マクベス)の気持ちがわからなくなる。
そう、200年たって結婚はできたものの、まだ二人には心の壁があった。
でも、夫人が死んでマクベスは彼女の心の痛みを知ったのかなぁと。
たぶんだけど、あの世で二人はやっと心も結ばれたような気がします。

魔女の林さんの立場だけど、以上のような設定であれば、
ローズの報われなかった想いがあの魔女なのかなぁって。
ローズの亡霊なのかなぁと思いました。
マクベスと結ばれたかったという想いが、あのような魔女として
現れて、200年後の二人に影響を与えていくのかなぁと。
だから、夫人が死んだあとに魔女林は出てこないのではないだろうか。
たしか、夫人が死んだあとは王の亡霊しか出てこないよね?(違うかなぁ)
出てくるとしても、ランダム夫人の若く美しい姿として出てくる。
グレコとの決闘のシーンのときね。
(またコラーゲンの泉に?!いやいやここではそういうことでは
ないと思いますよ。
(そうだ!このとき、松さんどんな表情してるんだろう。気になる~~

だから、最後のシーンはやはりハッピーエンドかなぁって。
悪魔の右手をとられることで(悪魔祓い?されることで)、
二人は安らかな眠りにつけたのかなぁって。
そう考えると、死んで仲のよかったころの二人に戻れたというよりも、
生きていたころのどんなころよりも二人は固く結ばれたって方が表現が
正しいかもしれない。

欲というものは向上心にもつながったり、生きるためにも必要なものですが、
自分の欲に振り回されすぎると、気づくと冷静さを失って自分ではなくなっている
瞬間ってありますよね。
それが、悪魔に憑かれたって表現するのかなぁ、外国では。
欲に振り回されて、本当に大切なものを失うようなことにはなりたくないです。
必要以上のものを手に入れることは、必要ないんだと思います。

いつも「大は小をかねる」とは限らない。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近の「演劇」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事