Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

★Retina Photoを目指す!vol.1

2012年06月30日 | 500px
Retina Photoを目指す!

今日はまず下記画像からご覧下さい。

ただし、PCがWindowsの方はブラウザーはIEではなく、
Firefoxで見ないと正しい色は分かりません!
残念ながら、IEは写真を鑑賞するには全く向かないのです。

Macの方は問題ありません。

1.★「The camera's eye

2.★「The human's eye

1番目の写真はカメラの眼で、Jpeg撮影したそのままの画像です(いわゆる撮って出し)。

2番目の写真は同時に撮影したRAWデータを1万円前後で買える現像ソフトで、
簡単に30分だけ現像し、僕が撮影現場で見ていた風景に少し近づけた画像。

まだ完全ではありませんが、Retina Photoです。

わずか30分の現像でも相当違うと思います。
1番目の写真より全体的にもっと自然な感じがするはずです。

例えば、空の感じを見ていただくと分かると思いますが、
1番目は白っぽく、空の青さが無いです。

実際は綺麗に青空が見えていました。
そして雲の諧調ももっとハッキリしていました。

また一本の木は1番目では露出不足で暗いですが、
実際にはきちんと見えています。

そして畑の緑ですが、
1枚目の色はとても不自然な色です。本来の葉の色ではありません。

それに対して2番目の画像はほぼ自然な色で表現されています。

この様にカメラの眼で見る風景は、
我々人間の眼から見ますとかなり不自然です。

ちなみに今回撮影に使いましたカメラは、
Pentax 645Dと言いまして、レンズを含めますと100万円を超えるカメラです。

しかも4,000万画素もあります。
この事は面白い事実を語っています。

ようするにこの先どんなに画素数が増えて、解像度が増しても、
それだけでは人間の眼に追いつけないという事実です。

こんな高価で高解像度のカメラでさえ、
人間の眼から見ますと、オモチャと言えるようなレベルなんです。

逆に言いますと、僕たちの眼は機械では真似の出来ないほど素晴らしいという事です。

ところで「風景写真」というジャンルは、
今現在とてもあいまいというか、広い分野でもあります。

以前書いたように、風景を単にモチーフにして、彩度やコントラストを高くし、
およそ自然界に存在しないような色の作品でも、
現在では風景写真のジャンルに入れています。

もちろんその事自体は別にそれで問題ないと思います。
貶すつもりは全くありません。

ただ今後、風景写真のジャンルに、新たに「Retina Photo」というカテゴリーを作り、
我々が眼にする自然な風景写真を目指す部門があっても良いと考えています。

実は自然な風景写真と簡単に言いましたが、
これを創作し、完成作品にするのはとても難しいのです。

日本はもちろん、
世界でもこの事を研究している方はそんなに多くはいないと思います。

だから僕も世界で注目されたんですが、
これからは若い方にもぜひ挑戦して頂きたい分野の一つです。

具体的な現像術は相当難しいですから、
のちのち書いていきます。

ただその前に、カメラと人間の眼の大きな違いについて学んで頂きたいです。

次回はそこから書きますので・・・

興味がありましたら続きを読んで下さい!

今回はここまで・・・。
お読み頂きありがとうございました!


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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
すばらしい (flavaindaear)
2012-08-29 00:37:47
日本から世界に発信できる自然写真が生まれていることに感銘を受けました。今後自然写真を本気で撮ろうという若い人が続くことを願うばかりです。
老婆心ながらRetina Photoという表記ですが、プロフェッショナルとして発表される作品に用いる場合「商標」の問題は平気なのでしょうか。一般名詞ながらretinaはコダック、アップルに登録されているようですが。
これからも期待しております。
返信する
なるほど! (wingrock)
2012-07-09 00:11:30
ありがとうございます!
なるほど親友ですか。
たしかにHDRは、不自然な夜景の画像などよく見ますね。
そういう写真は、それはそれで初めて見たときは衝撃でしたし、目指すものがそれなら表現の一つとして有りなのだと思います。
使う技術が何であれ、目指すものに一番近づけることができる技術は積極的に取り入れようという柔軟性は、非常に共感します。
これからも記事楽しみにしています!
返信する
HDRとRetina Photo は親友です! (Kent Shiraishi)
2012-07-06 00:58:52
はじめまして!

とても良い質問を頂きました!
実はこれからブログでもその事を書いていくつもりです。

結論から言いますと、
HDRとRetina Photoは親友です!

ようするにHDRの技術と理論は、
Retina Photoには必要な概念です。

加工を認めていない「ナショジオ」の写真家でさえ、
Retina Photoを創作するのに、HDRはとても有効と話していました。

ただし日本のHDR作品の殆どは、違う使われ方です。

またRetina Photoを創作するにはそれだけの知識では無理です。
もっと「色」についての知識が必要ですし、
ホワイトバランスの考え方も変えねばなりません・・・。

またいずれ将来はHDRがさらに進化するでしょうからそれを上手に取り入れたRetina Photoを創作する予定でおります。

いずれにしましても、
大切な事は基本の概念です。

自分が目指すものが何であるのか?

もし網膜に映る自然な作品を目指すのならば、
ソフトの進化をそれに向けて使っていく、
HDRであろうと何であろうとです。
返信する
retina photo (wingrock)
2012-07-04 13:43:23
はじめまして。
例のAppleの件で知って以来、ブログを拝見させていただいています。
今回のお話では、空は人間の目にはもっと青く、木はもっと明るく見えており、それに近づけるのがretina photoだと理解しました。
この考え方は、いわゆるHDRの考え方と同じだと思うのですが、白石さんの中ではretina photoとHDRの関係はどのように捉えていらっしゃるのでしょうか?
もし良かったらご意見お聞かせください。
返信する
続きを楽しみにしています! (篠塚康史)
2012-07-01 22:09:12
かねてより、人間の目は素晴らしいと思っていました。
そのために「これは写真にはならない」と諦めて撮らなかった写真も数多くあります。
今後はそれを、その感動を、みなさんにお伝えできるかもしれない!、ということで、
続きを楽しみにしています!
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楽しみにしています。 (marbee)
2012-07-01 15:59:02
荒らしのコメント等も入って大変だろうとは思いますが、ブログというマスに対して公開されている場所で理論を展開する事は意義ある事と思います。
内容楽しみにしています。
返信する
脳は最高の画像エンジン (B4)
2012-07-01 14:54:30
こんにちは。

地元風景を撮影していると、目の広角の広さ、画像の迫力・・・撮影写真が全く脳に映し出される画像に及ばないことをいつも実感していました。

成程JPEGとRAW現像では違いが明らかです。
IEでも見ましたが、差がありました。
1本木の細部がつぶれ、全体に暗い色調です。

(それにしてもIEは容量が大きい画像の動作が遅く、重すぎます。)

普段はFenrirです。比較するとFirefoxよりも若干コントラスト高いかもしれません。
色相はほぼ同じですが、地平線のあたりの苗の筋がくっきりしてます。
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