増田カイロプラクティック【読書三昧】

増田カイロプラクティックセンターのスタッフ全員による読書三昧。
ダントツで院長増田裕DCの読書量が多いです…。

野菜が壊れる

2010-05-07 10:58:29 | 増田カイロプラクティック図書
野菜が壊れる (集英社新書 469B)
新留 勝行
集英社

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いま流行のマクロビオティックや食育において野菜は重要な位置を占めます。
しかしこの身体に良いといわれる野菜が今壊れつつあるというのです。

それは土を殺す化学肥料と毒をまく農薬を使い続けてきたことで、野菜を育てる土壌に異変が起きているからです。
国産ものだから安心安全とはいかなくなってきています。
日本国内の野菜は耕地あたりの農薬使用量は世界一なのです。(輸入物にも多くの薬品が使われ問題になっていますが、それは長旅中に腐らないように後付けで防カビ剤や殺菌剤が使われている点であり生育中の農薬使用とはまた異なります。)

農薬の恐ろしさは農家の方が一番感じているとのこと。自分たち用の野菜は出荷用とは別に育てているということもあるようです。
戦後、化学肥料が多く使われてきたことについての理由も書かれていますが、今の環境では商品用の野菜を安く大量に綺麗に作るためには必要不可欠になってしまっているのです。
いったん化学肥料を使い出すと自然界のルールが壊され、土壌中の生態系は崩れます。
土壌中の微生物は土の環境を維持するのに重要な働きをしますので、これらがうまく働かないと土は「生きている」状態ではなくなります。そのような土地では、次第に良い作物が育たなくなってきますのでまた別の対策をとる、そして生態系は乱れて・・・の繰り返しになってしまいます。
大量の化学肥料と農薬が投入され続けた結果、見かけは美しくとも中身の壊れた野菜が出来上がったのです。しかし急にこれらをやめて自然に育てようとすることは難しく、土が本来の力を取り戻すには何年もの時間を必要とするのです。

多くの農薬を使った野菜を食べ、農薬は土壌にしみこみ地下水となり川や海に流れ込む。そこに住む魚や貝を食べる。またその土に生えた草や野菜を家畜が食べて育ち、その肉や乳を人間が食べる。さらにはその人間からの母乳を飲んで赤ちゃんは育つ。人間は食物連鎖の最終段階なのですね。

こう書かれると「何を食べればいいのか?」混乱を招きかねませんが、まずは現状を知ることは大切だと思います。
野菜の栄養素を過信しすぎない、野菜も水洗いをすることで農薬は落とすことができます。
安い野菜も魅力的かも知れませんが、高いけれども自然に育った野菜も魅力的だと思いませんか?そのような野菜を買うことで、間接的ではありますがその農家を応援することが出来る、毎回は無理でも時々そういうことを考えながらの買い物もいいかな、と思います。もちろん自家菜園できれば一番ですが。

本書は待合室に置いています。
(佐藤 記)
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