「フカヒレやコラーゲンを食べて翌朝お肌プルプル」なんて記事はしょっちゅう見かけます。
コラーゲン(アミノ酸)は人間のあらゆる組織を構成していますが、口から摂取したコラーゲンは他の栄養素と同様に、腸で消化吸収されて代謝の過程に入ります。
ので、翌朝に狙った組織だけに効果が現れることはありません。
もし翌朝にお肌がプルプルに感じるなら、「調理に使われる大量の塩で顔がむくんだか、大量の油で肌がギトギトしているかのどちらかです」「肌のターンオーバーには約1か月かかります」と分かりやすい著者のコメント。
同様のことがグルコサミンやコンドロイチンにも言えますね。
膝の関節痛に!なんてよく見かけますが、これらも口から摂取してピンポイントで膝の修復だけに使われることはありません。
もちろんコラーゲンやグルコサミンは人体にとって重要な栄養素ですが、それだけを補って何か目に見える即効性を期待してはいけないと思います。
サプリメント(栄養剤)は薬ではなくて栄養素の補給ですので、口から摂取するものの全てのバランスが悪ければ、食べた物はうまく消化吸収代謝れず、身体の修復や機能の維持に使われないでしょう。
謳い文句に踊らされずに、自分の頭で考える過程を入れなくてはいけない事を本書で改めて考えさせられます。
著者は健康に関心の深い人を以下のように分けています。
「意識高い人」:賛否両論、様々な情報を自分で判断し、実行のために自己責任で努力する人。
「意識高い系の人」:自分の考えが正しいという視点でスタートするため、賛否両論を比較して公正な判断をしようとしない。自分の正しいと思う情報だけを取り入れ、さらに周囲の人にそれを同調(強要)させようとする人。
意識高い系の人々に踊らされないように、最終的には自分がどうしたいのかの軸をブラさない事が重要かと思います。
※この本の情報が全てではありません。ただ一つの正解なんてありません。
TV・雑誌・ネットなどで得られる様々な健康情報を鵜吞みにせず、多くの意見(肯定的な意見だけでなく反対意見も読み込む)を基に自分の頭で考え判断することが大切です。
何をするにも何を止めるにも何を我慢するにも、ストレスとなる事は身体によくありません。
科学的根拠があって本当に効果のあるものでも、高価であったり手間がかかりすぎるなど、無理なく継続できるものでなければストレスになります。
エビデンスがなくても、自分が心地よく楽しく感じられれば、食事も美味しく食べられ、ぐっすりと眠れて楽しい日々を過ごし、身体機能や抵抗力にもある程度良い方向に働くのではないかと思います。
このぐらいのスタンスでいないと、健康を追求しすぎて病んでしまいますから。