増田カイロプラクティック【読書三昧】

増田カイロプラクティックセンターのスタッフ全員による読書三昧。
ダントツで院長増田裕DCの読書量が多いです…。

夜中にチョコレートを食べる女性たち

2011-03-01 15:57:10 | 佐藤留美子
夜中にチョコレートを食べる女性たち
幕内 秀夫
講談社


図書館で私に手招きをしていた本。
さすがに私は夜中には食べませんが、冷蔵庫がチョコレートでいっぱいなのは事実・・・「私のこと??」と思い、とりあえず読んでみることに。

著者の幕内氏は管理栄養士として帯津三敬病院などで食事指導を行っている方です。
医療の現場にいて近年感じること、それは二十代三十代と若い女性の婦人科疾患、それも手術の必要性のある人が増えてきている事です。それら女性たちは見た目のいいスマートな女性が多い。
世間では基準のあいまいな「メタボ」問題が話題になりましたが、中高年へ「腹囲を細くしなさい」と警告するよりも、若い女性の健康問題のほうがはるかに深刻になっていると警鐘を鳴らしています。

著者のところで診る若い女性たちの食生活問題で最も多い事は、食事をしないで甘い菓子などで済ませている人が多いことだそうです。
そうです、ご飯を食べてお菓子も食べると太ってしまうから、どちらか一つとなるとそりゃあお菓子をとりますよね、ウンウンとうなずきながら読み進めました。
人間最大の欲望、それは「食欲」「性欲」そして「睡眠欲」。
著者が言うには、自分でコントロールできない睡眠欲を中心に食と性の問題が天秤のようにバランスを取りあっている。なので食生活の問題を考える上では、その背後にある天秤のもう一方の性の問題にも目を向けなくてはなりません。
ここで言う「性」の問題とは、初潮、月経、セックス、妊娠、出産、育児などを含めた「女性として」という広い意味で使われています。
近年は女性のライフスタイルが話題にされることも多いですが、結婚して専業主婦になる、子育てに専念する、仕事に専念し「おひとりさま」をエンジョイするなどなど、様々な生き方があります。どれが良いとは言えませんし、女性にも色々な生き方があっていいとしたうえで、「女性であること」を軽視すると無理が生じる可能性があることは考えるべきと述べています。
知らないうちに食のほうへ欲求が偏ってしまうこともでてくるのでしょう。分かっちゃいるけどやめられない、その原因の一つにもなりうるのでしょうか。
本書では幅広い視点からこの天秤問題について書かれています。

それ以外に私の注目ポイントは「何も考えない男性の食生活のほうがまし」という記述。女性は健康の為に納豆がいい、キャベツがいい、バナナがいいetc色々な情報に振り回され、結局とんでもない食事内容になっている事が多いのです。
結果として、何も考えずにがっつりでも○○定食で済ませている男性のほうがまだいい食生活になっているようです。
病院では「主人よりも私のほうが食事には気をつけているんですけど」とおっしゃる女性が多いらしいです。
確かに深く考えずにおいしく食べることも一つの健康法だと私も思います。

本書で食事の注意点として挙げられているのは、砂糖と油脂類の問題。そして主食の白米の重要性。
私たちが「やめられない」のは食品の素材に含まれる自然の甘みや油脂類ではありません。
添加された砂糖や甘味料、油脂類のおいしさにだまされて歯止めが利かなくなるのです。主食を白米にすることでおのずと副食も和食寄りになり油脂類過多を防ぐことができます。間食でなくてもパンの油脂や乳製品の脂肪分などで意外と多く摂取しているのです。
そしてきちんと食事をしたうえで間食を楽しむことが大切です。

これを読んで思い出したのは、三好基晴氏の本で書かれていた「緑茶が健康に良いのではない」ということ。
緑茶を多く飲む地域の人の病気が少ない、などTV放送されると緑茶が良く売れますがそうではないのです。緑茶をよく飲んでいる人は、元々和食が中心の食生活を送っているので健康・長寿であるということ。
パン・肉・パスタにケーキと洋食中心の人がそこに緑茶を飲みだしたところで何も変わらない、というような事が書かれていました。なるほど、そうですね。
健康にいい!といわれるものを無理に食生活に加えるよりも、食事の見直しがまずは必要です。

幕内氏は他にも面白そうな本を書かれているのでまた読んでみたいと思います。

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