増田カイロプラクティック【読書三昧】

増田カイロプラクティックセンターのスタッフ全員による読書三昧。
ダントツで院長増田裕DCの読書量が多いです…。

その痛みは「うつ病」かもしれません

2011-03-01 16:14:24 | 佐藤留美子
その痛みは「うつ病」かもしれません―ストレス神話をくつがえす新しい考え方
大塚 明彦
草思社


以前に読んだ「鬱の力」の対談のなかで引用されていた本。

まず注意すべきは、この本のタイトルで使われている「うつ病」とは、脳の機能が一時的に低下し、神経伝達物質が減少して正しい働きができていない状態をさします。
心の病という意味ではありません。

現在の医療では一般的には「胃が痛い」という症状に対して胃を検査し、そこの異常を探す。しかし何も見つからない場合、病気は存在しないことになります。器質的な問題が無ければ病名はつけにくいのです。しかし胃は痛い、それだけでなく他にも症状があり色々と訴えていると、しまいには「心因性」とされて精神安定剤や睡眠剤を処方されます。その結果症状は一時的に軽減され、安心します。しかし症状を起こしている根本は解決していないので、症状はさらに進行しこじれていきます。これが現状なのだそうです。

胃は痛いけどそこには何ら問題は無いとすると、次にそれをコントロールしている場所-脳のセンサー、感知システムに問題が起きていると考えていきます。すると他の原因不明とされる多くの症状も簡単に説明ができます。
本書ではこれを分かりやすくマンションの火災報知機に例えて説明されています。
器質的問題は無いのに痛い状態は、マンションの火災報知機(脳)があちこちの部屋からの異常信号を勝手に感知しベルを鳴らす(痛いと感じる)、しかし各部屋のセンサー(胃)はどこも異常を感知していない状態、つまり火災報知機本体の故障です。あっては困りますね。
ここではイラストを用いて分かりやすく解説されています。
誤作動による個々の症状を和らげるのはもちろんですが、誤作動を起こしている本体である脳のセンサーの修理も行わなければなりません。この誤作動の原因が脳内の神経伝達物質のバランスが崩れたことにあるというのです。

ですので早い段階で適切な判断により適切な服薬をすることで、症状の悪化を防ぎ脳の働きを正常に回復することができるようになるそうです。
お医者様でも様々な考えで診察をされていますので、ここでいう「うつ病」かもしれないと思ったら、主治医にこの本を示して相談することを本書のあとがきでは勧めています。

この火災報知機の説明は分かりやすいです、アレンジして使わせていただこうかと思います。
実際には教科書には載っていない、説明のつかない原因不明とされる症状を抱えている人はたくさんいらっしゃいます。
近年は脳ブーム(?)で何でも脳の働きが原因だとする傾向があるようで、鬱も心の傷でなく脳の傷であるとも言われています。
脳の働きはまだまだ解明されていないことの方が多いですが、痛い・かゆい・しんどい・嫌だなどを感じるのは脳です。このように分かりやすい本も出版されていますので、これからはさらに医療者だけでなく一般の方でも脳の分野への関心は高まっていくのでしょう。

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