危ない化学物質の避け方―アレルギー・ホルモン攪乱・がんを防ぐ (ワニのNEW新書) 渡辺 雄二 ベストセラーズ このアイテムの詳細を見る |
アレルギーとは、身体にとって有害なものを体外に排出することで身体を守る免疫反応のひとつです。
この著者は、国道沿いに引っ越してから喘息発作が起こるようになったそうです。このように発がん性物質を含むディーゼル車の排ガスが気管支に入ってきたときに、それを排出するために咳をする働きが喘息となります。
また鼻水により異物を流しだしたり、鼻詰まりを起こすことで異物の侵入を防ぐ、これがアレルギー性鼻炎と言われるものです。
ここで問題となってきていることは、花粉やダニなど有害でないものや、卵や牛乳、大豆などの人間の体には必要不可欠な栄養素に対してまでアレルギー反応を起こしてしまうことです。
なぜ人間にとって有害でないものにまで拒否反応を示してしまうのでしょうか?
その一つの要因として、著者は有害化学物質を挙げています。
環境ホルモン(内分泌かく乱物質)をはじめとする有害化学物質は人間の生命維持に重要な働きである内分泌系や神経系、免疫系の働きを狂わせてしまうのです。
ですので、大気中に漂っている汚染物質や食物についている農薬などが日常的に体内に取り込まれることで、人間の免疫システムが狂い、その結果として本来害のないものにまで過剰に反応し抗体を作り、体外への排泄作用が働く、という仕組みです。
この本の中ではその有害物質としてディーゼル車の排ガス、有機リン系農薬、除草剤、ダイオキシン、ホルムアルデヒド、ビスフェノールA、DDT、PCBなどを挙げ、その危険性を詳しく取り上げています。
この本に説明されている、有害化学物質により人間の恒常性が乱され、無害なものにまで過剰に反応してしまう、という内容は分かりやすく納得させられます。
全てを避けて生活することは不可能ですが、知っているか知らないかでは大きな違いだと思います。
この著者はその他に、「買ってはいけない」(紀伊國屋)をはじめとし、「山崎パン」や「ファブリーズ」「アタック」などの商品名を題名や本文に使い、様々なものの危険性を本にしています。
自分の身を守るためだけでなく生態系・環境を守るためにも、そこに使われているものがどのようなものなのかを、私達消費者はしっかりと知る必要があると思います。