口の中で悪さをするバイ菌ですぐに浮かぶのは、虫歯菌(ミュータンス菌)や歯周病菌(ジンジバリス菌)ですね。
これらは細菌の分類になるのですが、この有名人たちよりももっと悪さをしているのがカビ(カンジダ)なのです。
カンジダというカビが、細菌たちが口腔内でいたずらしやすい環境を作ってくれているのです。
歯周病菌が全身の病気を引き起こす、という内容の本を読んだことがありますが、
歯周病菌の活動をサポートするカンジダも全身の病気を引き起こします。
本書では詳しく説明されています、そして抗真菌薬を用いたカビの治療を紹介しています。
多くの歯科医院で検査と治療ができるといいのになと思います。
著者の生田先生は前出の河北先生の記事に衝撃を受けて、
歯周病治療に対して顕微鏡で口腔内環境(細菌・カビ・寄生虫など)を確認し、薬で治療する方法を熱心にされています。
カビ(カンジダ)に対する抗真菌薬での治療と、患者さんの歯磨きなどのマウスケアの重要性が分かりやすく書かれています。
タイトルに歯周病と入っているので、歯周病と無縁の人が関心を示すことは少ないかもしれません。
しかし口腔内環境は虫歯や歯周病といった問題だけでなく、血液を介して全身の健康問題に大きく影響しますので、万人に必須の本かと思います。
虫歯を削って金属で埋めるだけでない、虫歯を引き起こした口腔内環境をしっかりと診てくれる先生(歯周内科)が増えるといいですね。
歯周内科治療が受けられる歯科医院の紹介も載っています。
2009年に出版された本ですので最新情報は「歯周内科学研究会」のホームページを参照してください。
上記2点はカビが歯周病の原因であり、抗真菌薬で治療することで口腔内の問題さらには全身の健康問題にも良い結果をもたらすという話。
こちらの本では、おなかのカビ対策にフォーカスしていて一般向けに読みやすい内容になっています。
腸には腸内細菌だけでなく、カビ(真菌:多くはカンジダ)も多く生息しています。
細菌とカビが程よいバランスを保つことで全てがうまく回るのです。
しかし、抗生剤で細菌を殺したり、カビが元気になりやすい砂糖や発酵食品などを大量に摂る習慣があったりすると、両者のバランスが崩れ、カビが異常繁殖し腸粘膜がダメージを受け、免疫力も低下し様々な体調不良の原因となります。
この仕組みが詳しく解説されています。
この対策として、抗生剤を安易に飲まない、
食事に気を付ける(甘いもの・炭水化物を摂りすぎない、
食品添加物を避ける、バランスの良い食事、
カビの生じやすい食品を控える(麦・砂糖・ナッツ類・アルコール・チーズなど)、
住環境のカビ対策、抗菌作用のあるハーブや食品の活用などが説明されています。
こちらは薬で云々でなく、日々の食事で気をつけられることですので取り組みやすいかと思います。