「青い車」は1994年7月発売のシングル。B面は「猫になりたい」です。
アルバムは「空の飛び方」で、Album Versionとして収録されています。
「殺人」とか「心中」がテーマの歌であるという、穏やかではない解釈がされる曲です。
確かに「死」がテーマになっていることは間違いありません。
以前このブログで「猫になりたい」について書きましたが、
カップリングがこの曲であるということ、つまり、ストーリーはB面からA面に続くことになります。
「寂しい夜」が明けて、不幸にして夭折してしまった彼女が棺に横たわる。
心も体も冷えた僕の手で君の首に触れてみるが、それよりも冷たい君の肌に驚き、
思わず手を引いてしまった。
長い長いお経から始まるお弔いも終わった。シャツを着替えて出かけよう。
青い車で海へ行こう。
あの日、君が言いかけた言葉は何だったのかな。
もう何も怖くない。
僕は今まで、死んでしまえばすべて消えてしまう、霊魂なんて信じないよって言ってきた。
だけど輪廻転生、君が違う何かに生まれかわると思うことができれば、
いずれまた君とどこかでめぐり会うことができるかもしれない。
その夢をずっと持ち続けて生きていこう。
もう悲しみに打ちひしがれるだけの僕じゃない。
生きるということは、僕らを取り囲む自然と一体になること。
君に贈ったこの小さなイヤリング、つける人はもういないけど、なおさら輝いて見える。
うーん、かなり無理があるこじつけかもしれませんが、
愛する人を失った悲しみから何とか立ち上がろうしている僕を
みずから鼓舞しようとしている歌ではないかと感じました。
車の色を青にした理由を考えてみました。
青は若さ、未熟、冷静、冷徹、空の色、海の色、血の気が引いた顔色……。
君の魂を青い車に乗せて、海へ連れていってあげたのでしょう。
「海へ行こう」は、君に「行こうよ」って呼びかけている言葉かもしれません。
これが私の青い車です。
そんなわけはありません。しかも左ハンドルだし。
おしまい