「冷たい頬」は1998年3月に18枚目のシングルとして発売されました。
ジャケットはむしろカップリングの「謝々!」のイメージでしょうか。
アルバム「フェイクファー」の3曲目に収録されています。
ほのぼのとしたイントロから優しい歌が始まりますが、いきなり
「あなたのことを 深く愛せるかしら」という意味深な君のせりふです。
別れ話でしょうね、間違いなく。
この前後の会話を妄想すると、個人的には時間が尽きません。
また、「冷たい頬」とか「手帳の隅で 眠り続けるストーリー」という言葉が
死を連想させますが、死別した恋人のことを歌っているのではないように思います。
少し気怠いような曲想の前半と打ってかわって激しいリズムのサビ。
君への燃えるような思いを吐露しますが、
「それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で」とつぶやいて
また気分がダウンします。生きていればこういうこともあるよと。
諦観とでもいえばいいでしょうか。
一途に君を思う僕の熱い気持ちと、すれ違う君の冷めた気持ち、
このコントラストが楽曲の構造となっているのではないでしょうか。
ぽっかりと穴があいた僕の心は、 虚ろな気持ちであふれてしまった。
君との想い出はそっとしまっておこう。
お別れだね。でも取り乱したりしないよ。
最後にそっと手を伸ばして君の冷たい頬にふれてみた。
おしまい