映画「マイスモールランド」を
観た。
2022年の日本映画。
監督・脚本は川和田恵真。
出演は嵐莉菜、奥平大兼ほか。
主人公は在日クルド人の女子高生。
小学校から日本で育ち日本語堪能。
父親と妹弟の4人暮らし。
一家の難民申請が不認定となる。
その日から普通の生活が困難に。
就労禁止でアルバイトもできない。
在住県からの外出禁止。埼玉県と
東京都の県境の橋も渡れない。
健康保険も入れない。
大学進学も難しくなる。
クルド人。自らの国は無い。
トルコ、イラク、イラン、シリア
等の国境により分断されている。
分離独立の動きを各国政府は警戒、
テロと弾圧の状態も続く。
日本への難民申請は殆ど認定され
ない。トルコなど親日国政府との
関係を日本が重視するためだ。
そんな国際情勢も、難民申請の
不認定の影響も、大部分の日本人
にとっては縁遠い話だ。主人公の
友達も皆いい人だが、彼女の実情
を知ると戸惑うばかり。
バイト先で親しくなった男友達。
クルド人の彼女の問題は、高校生
にとってはあまりに重たい。
それでも、事実を知ること、相手
を慮ること、心を寄り添わすこと
からすべては始まるのだろう。
その意味で、この映画は多くの人
に観てほしい映画だと思う。