毎日、昼と夕方の二回。
食事の用意をしに老父母宅へ。
今日はクリスマスだから。
苺のショートケーキを買ってった。
「わぁ、こんなの初めて!」
老母はえらく喜んでくれた。
すんませんなぁ。
普段はケーキなんか買わなくて。
老父が糖尿やから買われへんねん。
今日はクリスマスやから特別やで。
ケーキは昼ごはん食べた後やで。
おやつに食べるようにしいや。
午前の訪問を終えて帰る。
そして夕方。本日二回目の訪問。
ケーキはどうやら食べたようだ。
「ケーキ、美味しかったか?」
老母はきょとんとしてる。
「ケーキなんてあったかしら?」
冷蔵庫をごそごそ探し始める。
「ごめん、ごめん。もうええわ。」
覚えてへんのやなぁ。
あんなに喜んどったのに。
クリスマスやからケーキなんて。
柄にもない、自己満足やったな。
まぁ、ええわ。
25日過ぎたら町も正月モードや。
誰もクリスマスなんて覚えてへん。
人の記憶なんて五十歩百歩や。
納得のし方が強引すぎるやろ…