「UNTOLD:極限のテニスコート」
という映画を観た。
2021年米国のドキュメンタリー。
Netflixの製作・配信。
監督はチャップマン・ウェイ、
マクレーン・ウェイ。
注)以後は全くネタバレです!
テニス選手マーディ・フィッシュ。
2015年、引退と決めた全米オー
プンの初日に、自らの不安障害の
メンタル問題を公表する。
当時、プロ選手は弱さを他人に見
せるべきでないという認識。メン
タル問題の公表はキャリアに傷を
つけかねない。だが、自分と同様
に苦しむ選手の、今後の助けにな
りたいと公表に踏み切った。
アスリートのメンタル問題を提起
した草分け的な存在だが、それも
さることながら彼のテニス人生が
感動的だ。
少年時代に全米の育成強化対象に。
アンディ・ロディックと出会い、
親友となる。一時、アンディ家に
同居するほどの間柄だ。
テニスではライバル。アンディは
いち早く頭角を現し、世界No.1に。
後塵を拝していたアンディも一念
発起。自らを鍛え直し、2011年
世界7位を記録。念願のグランプ
リ・ファイナルに出場する。
しかし、翌2012年は一転して勝
てなくなる。期待を受け、勝たね
ばならないプレッシャーと不調の
悪循環。メンタルは崩壊。期待さ
れた全米オープン、フェデラー戦
を前に棄権してしまう。
廃人のようになったマーディだが、
周囲の人の支援で徐々に立ち直る。
引退していたアンディはマーディ
をダブルスに誘い続け、2年後、
二人で再びテニスコートに立つ。
そして翌2015年、マーディは
引退とともにメンタル障害に苦し
んだ経緯を手記を公表するのだ。
後日談として、2019年より、
マーディがデビスカップの米国
代表チームの監督に就任した。
それもまた劇的なことではある。