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聴刻堂日乗

映画「892 ~命をかけた叫び~」

映画「892 ~命をかけた叫び~」
を観た。

2022年のアメリカ映画。
監督はアビ・ダマリス・コービン。
出演はジョン・ボイエガほか。

元海兵隊の退役軍人の男。役所から
障害年金の支給を止められ、生活に
困窮する。年金不支給が不公正だと
社会に広く訴えるべく、銀行に人質
をとって立て籠る・・・。

"Based on a true story."
主人公の男は実在の人物なのだ。
とても印象的な映画だった。

映画は立て籠もった銀行の中の場面
が殆ど。外には警察やSWATが配置
されている。電話でTV局や交渉人
とやり取り。常に緊迫感が漂う。

男には離婚した妻と一人娘がいる。
電話でのやりとりから今も深く愛し
ているのが判る。人質は銀行員の女
性二人。怯える彼女らに男は丁寧だ。

男は従軍し、イラクで負傷し、勲章
も受けた。それなのに何故だ?!
男は許せない。不支給分の年金を
要求する。その金額は・・・892ドル。

金額の多寡が問題ではない。正当に
扱われないことに対する尊厳の回復。
怒りの声を上げずにはいられない。

だが一方で、こんなことをしても、
何にもならないことも解っている。
自分は射殺される。白人ではなく、
黒人だから。

まったく、この社会ってのは・・・。
男の言い様の無い哀しさが伝わって
きて胸に残る。
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