感情の収支

僕は、占いを始めとするスピリチュアルなものはあまり信じていない。けれど以前、何かのテレビで美輪明宏さんが仰っていた「正負の法則」は実体験ベースで結構信じている。いいこともあれば悪いこともある、人生長い目でみればプラスマイナスゼロという法則、というか仮説だ。

今日、またこの法則を実感する出来事があった。

実は先ほど、ここ数日かけて書いたVBAのコードが全部消えた。跡形もなくコードだけが消えた。たぶん400行くらいあった気がする。こまめにExcelファイルの保存はしていたものの、なぜかコードだけが消えてしまい、その上、そのファイル上ではVBAが起動できなくなった。いくつかの方法で修復も試してみたが無理そうだった。論文執筆に大幅に遅れが出るし、控えめに言って最悪だ。感情をプラスマイナス１００の物差しで表すならば、－３０くらいの出来事。それに加え、ここ最近、色々な良くないことが積み重なっており、今日はもともと－５０くらいの気持ちになっていた。今日がこれで終わりだったら、たぶん－８０くらいの気持ちになっていて、今年イチ沈んだ気分になっていたことは間違いないと思う。

でも、今日は救いがあった。先輩Yさんの実験を手伝っているとき、色々と話をきいてもらったところ、とてもすっきりしたのだ。Yさんが昔、極めて似たような悩みを持っていたこともわかったし、自分だけでないと思えただけで負の感情が昇華されたのかもしれない。言ってしまえばただ話しただけなのだが、僕的には８０のマイナスを補って余りある価値だった。たぶん＋１００くらいの価値があった。おかげで、明日から消えたコードを書き直すことに対して、前向きな感情すらある。急いで書いたコードだったので、実は見栄えが悪いのが気になっていた。せっかくなので、綺麗に書き直してやろうなどと思っている。

コードが消えたのが今日であるのは偶然だし、Yさんと話したのが今日なのも偶然だ。普段は全く単調な研究生活の中で、たまたまにこんなにも大きなマイナスの出来事とプラスの出来事が、同日に起こると、さすがの理系脳でも正負の法則を実感せざるを得ない。