母校での講演を終えて

母校の新入生に対しての講演を終えた。

講演予定のホテルにつくと、当時の担任の先生が出迎えてくれた。現在は進路指導という立場に変わっているようだったが、お元気そうな姿で、ひとしきり会話をしながら懐かしさに包まれた。

会場に移り、講演直前、校長先生や学年主任の先生方から短いお話があった。壇上の先生が、「おはようございます」と声をかけると、300人の生徒が一斉に「おはようございます」と声を揃えて返す。すごい迫力・・・。「あれ？こんな感じだっけ」と、僕の記憶の中の高校生像とは異なる雰囲気に多少圧倒される。緊張の高まりを少し感じる。高校時代の僕は、集会で先生方のお話を真剣に聴く方ではなかったのだが、今改めて聴いてみると、やはりプロの先生方は素晴らしいお話、そして話し方をされるなあと心を打たれた。

いざ自分の番となり、若干緊張した状態で講演を開始したのだが、1分くらい話すと緊張は消えた。落ち着いて壇上から300人の顔を見ていると、皆真剣にこちらを見つめてくれている。数日前は真剣に聞いてくれない人がいたらどうしようと気を揉んでいたのだが、杞憂だったようだ。そんな会場の雰囲気に呼応して、つい熱が入ってしまった。60分の講演時間に合わせて練習していたのだが、話したいことが膨れてしまい10分ほどオーバーしてしまった・・・。講演後の質問もかなり積極的に飛んできたので、もう少し質問タイムに時間を残してあげられたら良かったなあと少し反省。まあでも、自分の伝えたいことはおおむね伝えられたかなと思う。今日の話の中で一つでも生徒の心に響くものがあったら、この上なくうれしい。

また、講演の中で、「研究をしていると後輩に指導する機会がある。後輩を指導していると、同時に後輩から学ばされる。」という旨の話をした。その話ではないが、この講演中にも新高校生の若いエネルギーを一身に浴び、僕自身も自分のやるべきことに一生懸命取り組まなければならないという思いを新たにした。