こんにちは、長江商学院の石川です。
写真は先日、北京で行われた校友会イベントの時に撮ったものです。
EMBAの卒業生が在籍する北京郊外のリゾート施設&ゴルフ場を訪ね、乗馬、ゴルフ、水泳等を満喫してきました。北京中心部から1時間くらいの距離にある施設ですが、聞くところによると日本人顧客もけっこういるとか。個人的には、広大な施設内をカートで走り回ったのが一番の想い出です。
さて、引き続きチャイナ・モジュールのご紹介です。
昨日受講した講義は「China's Reforms-Its Financial System and Politics」
清朝末期から現代に至るまでの100年間をざっとおさらいするというような内容でした。
Finance系の教授による講義でしたが、時間の都合もあったのか、どちらかというとマクロ的な対外経済政策の変遷を追う、というような構成でした。
この手の話になると、必ずベンチマークとしての日本が引き合いに出されます。
曰く、日本はMeiji Revolutionに成功していち早く産業の近代化を遂げたが、中国は過去の大国意識に囚われ西洋化が遅れた。毛沢東は大躍進・文革で国家に多大なる損害をもたらしたが、強固な権力基盤で中国を統一したという点は今も評価されている。改革開放政策以降、経済特区の開発、外資の導入、輸出産業の振興を通じて高い成長率を維持してきたが、これは海外企業からの学びによるところが大きい。今の我々を取り囲む製品・サービスのどれをとっても、海外初のものばかりで、中国オリジナルのものなど一つもない。今後も経済発展を遂げていくためには、市場の開放を促進してゆかなければならないし、大前提として安全保障環境の安定が必要。米国と対立するような状況になっては、経済どころの話ではない。
特別新しい発見があるような内容ではないですが、こうして俯瞰的に歴史を追うと、中国人の国家観が多少なりとも理解できてきたような気がします。
面白かったのは、一人一戸政策のくだりでディスカッションが盛り上がったところですね。
このテーマでも必ず日本の話がでてきます。
曰く、日本経済最大の問題は人口縮小である。中国も近い将来この問題に直面することになるが、一人一戸政策の緩和は必要か否か、という問いかけです。
大多数の学生は「労働人口の縮小は問題だから緩和すべし」という意見でしたが一人の学生が、
「途上国をみれば分かるように、一般に貧しい家庭ほど子だくさん。中国の農村部はまだまだ貧しく、しっかりとした教育を受けることができない子供たくさんいる。一人一戸政策の緩和は、貧富の格差を拡大するリスクがある」と反論しました。
教授の回答は
「所得再配分の不均衡は確かに問題。ただし、中国では総体としては過去と比べて全員が豊かになってきている。アフリカ等の地域で多産なのは、乳幼児の死亡率が高いという要因もある。つまり産んでも死んでしまう可能性があるから、たくさん産む。中国の地方では生活水準は上がってきている。また、子供の教育コストも高くなってきており、一人一戸政策を緩和したところで2人以上産む家庭は少ないのではないか。例えばシンガポールのように」というものでした。
教授曰く
「5年以内に緩和される方に賭けてもよい」
とのことでしたが、さてどうなるでしょうか。
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