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本回路はフォワード型スイッチング電源の一例です。トランスの1次側回路に注目してください。スイッチングトランジスタのCE間に、点線で囲んだCR回路が取り付けてあります。(幾つかのメーカー製電源を調べてみましたが、このCR回路はすべて付けてありました)
トランジスタがスイッチングすると、トランスの1次側の自己インダクタンス:L1によって、開閉サージが発生します。上記のCR回路はこの開閉サージを吸収するためのもので、一般にスナバー回路と呼ばれます。ここまでは問題ないですね。
しかし最近まで、もうひとつ疑問点が残っていました。
トランジスタのスイッチングによって1次巻線に流れる電流は一方向のみです。すると、コアのBH曲線に見るように、電流がゼロになってもコアが磁化されたままになります。この残留磁束をリセットするためには、1次巻線に逆電流を流さなければなりません。
そこで、ハタと気づきました。CRのスナバー回路がサージ吸収する原理です。トランジスタがオフした時に、L1の励磁電流はスナバー回路のCに流れ込み電荷として蓄えられることによってサージ電圧を吸収します。しかしこの回路はL1とCによる直列共振回路になっているので、L1の励磁電流がすべてCの電荷に置き換われば、こんどはCからL1に向かって逆電流が流れます。この逆電流がL1の残留磁束をリセットするのです。(抵抗RはLC共振による振動を適切に減衰させるためのものです)。むしろ、この磁気リセット機能がCRスナバー回路の主たる目的でしょう。これに気づいたときは、目から鱗でした。
まとめると、このように用いられるCRスナバー回路は、サージ電圧を吸収すると共に、コアを磁気リセットするという、とても巧妙な回路なのですね。
関連記事:
LC共振回路 2007-10-03
可飽和リアクトル(マグアンプ、磁気増幅器)によるPWM 2010-10-26
トランジスタがスイッチングすると、トランスの1次側の自己インダクタンス:L1によって、開閉サージが発生します。上記のCR回路はこの開閉サージを吸収するためのもので、一般にスナバー回路と呼ばれます。ここまでは問題ないですね。
しかし最近まで、もうひとつ疑問点が残っていました。
トランジスタのスイッチングによって1次巻線に流れる電流は一方向のみです。すると、コアのBH曲線に見るように、電流がゼロになってもコアが磁化されたままになります。この残留磁束をリセットするためには、1次巻線に逆電流を流さなければなりません。
そこで、ハタと気づきました。CRのスナバー回路がサージ吸収する原理です。トランジスタがオフした時に、L1の励磁電流はスナバー回路のCに流れ込み電荷として蓄えられることによってサージ電圧を吸収します。しかしこの回路はL1とCによる直列共振回路になっているので、L1の励磁電流がすべてCの電荷に置き換われば、こんどはCからL1に向かって逆電流が流れます。この逆電流がL1の残留磁束をリセットするのです。(抵抗RはLC共振による振動を適切に減衰させるためのものです)。むしろ、この磁気リセット機能がCRスナバー回路の主たる目的でしょう。これに気づいたときは、目から鱗でした。
まとめると、このように用いられるCRスナバー回路は、サージ電圧を吸収すると共に、コアを磁気リセットするという、とても巧妙な回路なのですね。
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ブラウン管式テレビ受像機には必ずついてたんですけど・・・。
ブラウン管の帯磁対策に電源ON時にブラウン管に巻きつけてあるコイル(?)で消磁作用をもたせていたのがソレでしたけど・・・。
液晶画面全盛の現在では意味なくなったしなぁ~!
ブラウン管テレビにはスナバー回路が付いてたんですか。それは知りませんでした。スナバー回路で消磁する。すなわちこれも磁気リセットということですね。
それにしても、テレビの中身までよく御存じですねえ。
1年間「テレビジョン受像機」がカリキュラムでした。
工業高校って、そういうものだったのですよ!
私はほとんど風来坊のような暮らしをしてましたので、就活などとは縁が無かったですねえ。
「テレビジョン受像機」のカリキュラムを一年間やるんですか。いいですねえ、なんか羨ましいような。一度は専門的な勉強を授業でやってみたかったですね。文科系の私の電気は、ほぼ100%独学でした。