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トランジスタを使って増幅回路を構成する場合、3つ端子のどれかを接地して使います。つまり、エミッタ接地、コレクタ接地、ベース接地のいずれかになりますが、「エミッタ接地」「コレクタ接地」の2つは既におなじみですね。添付図にそれぞれの接地方法による増幅回路を示します。
「接地」の意味はインピーダンスの低い直流電源に接続するということです。グランド、VCC、あるいは別途直流電源もそれに相当します。
エミッタ接地はもう何ら問題ないですね(実際にはエミッタ抵抗を入れます)。トランジスタの解説書などでも最初に紹介される代表的増幅回路です。コレクタ接地は電力増幅回路やエミッタフォロワなどと呼ばれます。これも問題ないですね。さて見慣れないのがベース接地です。確かにこのように構成しても増幅器として働きそうです。中段の表はこの3種類の増幅器の特徴を比較したものです。
これだけではまだピンときませんね。
実際のベース接地はエミッタ接地増幅回路を補うものとしてよく用いられます。エミッタ接地は入力インピーダンスもゲインも大きく取れ、なかなか好都合な増幅回路なのですが、扱う周波数が高周波になると理屈どおりには動かなくなります。というのもMOS-FETほどではないにしろトランジスタにも帰還容量があり、“入力電圧と出力電圧は位相が反転している”ので、高周波になるほど帰還容量を通ってベースに負帰還されゲインが低下してしまうのです。そこでベース接地と組み合わせてこの現象を回避しようとしたのがカスコード接続(カスケード接続)です。高周波増幅用の手法として考案されました。
図を見てください。カスコード接続ではQAのコレクタは電圧増幅しないので出力が入力に帰還されることはありません。QBはベース接地増幅回路であり入力インピーダンスは小さいですが、QAが電流増幅しているので問題ありません。QBのコレクタ電流はQAのコレクタ電流そのものであり、QBのコレクタ抵抗によって電圧出力します。QBのベースは接地されているため出力が帰還されても何ら影響を受けません。結果として高周波のゲイン低下を抑えることができるということです。
2009-12-16 22:08:17
関連記事:
トランジスタ増幅回路
定電圧電源を作ろう②エミッタフォロワ 2009-12-18
「接地」の意味はインピーダンスの低い直流電源に接続するということです。グランド、VCC、あるいは別途直流電源もそれに相当します。
エミッタ接地はもう何ら問題ないですね(実際にはエミッタ抵抗を入れます)。トランジスタの解説書などでも最初に紹介される代表的増幅回路です。コレクタ接地は電力増幅回路やエミッタフォロワなどと呼ばれます。これも問題ないですね。さて見慣れないのがベース接地です。確かにこのように構成しても増幅器として働きそうです。中段の表はこの3種類の増幅器の特徴を比較したものです。
これだけではまだピンときませんね。
実際のベース接地はエミッタ接地増幅回路を補うものとしてよく用いられます。エミッタ接地は入力インピーダンスもゲインも大きく取れ、なかなか好都合な増幅回路なのですが、扱う周波数が高周波になると理屈どおりには動かなくなります。というのもMOS-FETほどではないにしろトランジスタにも帰還容量があり、“入力電圧と出力電圧は位相が反転している”ので、高周波になるほど帰還容量を通ってベースに負帰還されゲインが低下してしまうのです。そこでベース接地と組み合わせてこの現象を回避しようとしたのがカスコード接続(カスケード接続)です。高周波増幅用の手法として考案されました。
図を見てください。カスコード接続ではQAのコレクタは電圧増幅しないので出力が入力に帰還されることはありません。QBはベース接地増幅回路であり入力インピーダンスは小さいですが、QAが電流増幅しているので問題ありません。QBのコレクタ電流はQAのコレクタ電流そのものであり、QBのコレクタ抵抗によって電圧出力します。QBのベースは接地されているため出力が帰還されても何ら影響を受けません。結果として高周波のゲイン低下を抑えることができるということです。
2009-12-16 22:08:17
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