先月、大切な友人が亡くなった。
享年55歳。
奥様がいて、8歳の女の子のお父さんだった。
彼はとても気さくで、誰にでも好かれる愛らしい人だった。いつも明るく皆を見守ってくれ、人や物事を悪くいうことも決してない、とても優しい人だった。
4年前に、彼が肺がんで闘病をしていると知った時は、嘘であってほしい、なんとか快復してほしいと、祈るばかりだった。
しかし、当時すでに再発と手術を繰り返しており、肺がんの生存率がとても低いということも知り、奥様とまだ幼いお嬢さんのことを思うと、同じくらいの年齢の娘がいる自分としてもやりきれない思いと、自分には何もできないという無力感と、それらの感情に直面することを怖れて、
自身の生活に精一杯であったことや遠方に暮らしていたことを理由に、彼が亡くなったという知らせを受けるまで、私は彼に会いに行くことができなかった。
お通夜で、彼に対面をさせてもらった時、涙が止まらなかった。
10年前に最後に会えた時と、彼は何一つ変わっていなかった。綺麗な安らかなお顔に、明るく優しかった彼を思い出させるように、口元に微笑みが浮かんでいた。
だけど、以前よりとても細身に見える骨格から、苦しい闘病生活であったことを想像せざるを得なかった。
告別式は、悲しみしかなかった。
納得はできなかった。
どうして彼のような人が。
どうして家庭やまだ幼い子を持つ人が。
どうして神様は、こんなひどいことをするのだろう。
告別式の次の日の6月30日は、彼の56歳の誕生日だった。
この日は様々な神社などで、夏越の大祓いという、無病息災を願う儀式が行われる日だと耳にして、儀式が行われているという近所の神社に向かうことにした。
彼の死に直面して、全てが、ただ祈るしかないという思いだった。
その帰り道、近くのショッピングモールを通ると、一緒にいた娘が「お菓子が食べたい、お菓子買って」とねだってきた。
その時、突然すごい怒りが込み上げてきた。
日本では、ヨーロッパなどの他の先進国が、癌や生活習慣病の原因だとして、とうの昔に製造販売を禁止している、トランス脂肪酸や様々な有害な添加物や保存料などが、未だに何百種類と食品に使われていて、私たちは日常的にそれらを口にしている。
(遺伝子組み換え食品にいたっては、表示義務のない加工品や飲み物、外食の中に、ぶどう糖果糖液糖などとしてあらゆる食品に混入されている)
そして私はそういう情報を知りながらも、周りの環境に流されたり、子どもにねだられてうるさいからとか、少しくらいは大丈夫だろうとか、安価だからと理由をつけて購入し、子どもに与えてしまったこと、
そして、それらの食品を作っている人間たちは、環境を破壊し、人々の健康や生活を害してでも、利益を追求し、私腹を肥やしている。
日本はずっと戦争をしていないというけれど、戦争で人を殺め、利益を得てきた過去や、未だ戦争を続けている他の国々と、やっていることは何も変わっていない。
今、2人に1人が癌で亡くなると言われているけど、実際にはそれ以上、ほとんどの人が癌で亡くなり、それはまた急激に低年齢化していると思う。
コロナ禍で、死因を曖昧にされているが、結局は体に悪い食べ物と薬漬けによって免疫力が下がれば、どんな病気にかかっても重症化し、快復することはできない。
小児がんも急増し、10代、20代で癌で亡くなる著名人なども、時々ニュースなどで見かけるようになったけど、それらの情報も一瞬で消され、このような原因を作ってきた政府や大手企業や大手メディアによって、実際の詳しい情報や事実は一般人には知らされない。
彼は、娘さんが生まれる前からずっと、願っていたのではないかと思う。
子どもに、健康に生まれてほしい、元気で幸せな人生を送ってほしいと。
そのために、自分にできることがあれば、どんなことでもする。たとえ己の身を、命を、削ったとしても、と。
彼は、愛する人を守るために、身を挺してこれらのことを見せてくれた、病を請け負ってくれたのではないか。
わたしは金輪際、私たちの家族や子どもの健康や幸せを考えずに作られたものに、それらで利益を得ている人間たちに、一円たりとも払わない、そのようなものを子どもの口に入れることは決してしない。
他者とそのような場面になったら、彼のことを伝えていこうと思う。
今の世の中を見ると、いろいろなことがもう手遅れではないかと、諦めそうになるけど、
彼の優しさ、生き様、残してくれたものを、絶対に忘れない。
またいつか彼に会える日まで。
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