3月12日~24日
これらの写真は、青年海外協力隊員として同国に派遣された2008年~2010年の2年とその後の訪問の際に撮影したものです。
アフリカというと、最近起きたアルジェリアのテロを始め、モーリタニアのクーデター、ギニアコナクリ、ニジェール、ブルキナファソ、マリの騒乱と、何かと
不安定な状況下にあり、危険、貧困、病気、飢餓などの印象を真っ先に思い浮かべる方が多いようです。しかし、そのようなネガティブな印象とは裏腹に、私が
訪れたセネガルは、確かに貧しく、生活も厳しくはありますが、危険とは程遠く、平和と調和を何よりも重んじる人々の優しさと明るさに溢れた国でした。
“JAM”(ジャム)とはセネガルで話される幾つかの言語に共通する言葉で、日本語だと平和、平穏、調和といった言葉に置き換えられるでしょうか。とてもポジティブで、安らかな響きがあり、非常に好きな言葉です。
「ヤンギ チ ジャム?(あなたの状況は平穏ですか?)」
「ジャム レック、アルハンドゥリラーイ(平穏です。神の御加護のおかげで。)」
これは現地語の一つウォロフ語で交わされる挨拶の一例ですが、このような挨拶が何パターンもあり、また会話の中でもセネガル人は実によくこの語を使用します。
敬虔なイスラム教徒、キリスト教徒でありながらも、呪いやお守り、言霊などを重要視する文化の中にあって、意識的に、無意識的に多用されるこの言葉は、こ
れら外部からの宗教が入ってくる以前から息づく人々の価値観の反映であり、祈りの一部なのかもしれないと感じています。
これらの写真からJAMな空気を少しでも感じて頂けたなら、とても嬉しく思います。
広瀬 佳奈 (Kana HIROSE)
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