贈ってはいけない品物/その他いろいろ・・・
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◆中国人に贈ってはいけない品物を見てきました。「時計」はダメ、「傘」もダメ、「扇子」もダメ、「お菓子の詰め合わせ」もダメ(?)、「緑の帽子」がダメなどなど。気づかずについつい贈ってしまう品物もあるかと思います。
◆企業の赴任者研修で「中国人に時計を贈っては絶対にいけません」という話をしたところ・・・「その話をあと2週間早く聞きたかった」という方がいました。そうです。贈っちゃったんですね。彼は真剣な表情で「どうしやってフォローしたらいいでしょうか?」と一瞬顔が青ざめていました。大切な取引先だったそうです。
◆時計を贈ることは「絶交宣言」を叩きつけるようなものですから、さぞ相手はびっくりしたでしょう。拡大解釈すると「お前なんか死んでしまえ」というメッセージもあります。相手がどんな気持ちだったか想像すると洒落にならない出来事です。
◆さて、他にも贈っていけない品物はいろいろなモノがあります。世代によって、地域によって諸説はありますが・・・。代表的なものを拾ってみましょう。
◆「ハンカチ」はダメ(涙を誘う)、恋人以外の男性に「ネクタイ」を贈るのはダメ(首を絞める/相手を拘束するという意味があるから)、「靴」もダメ(これを履いてどこか行ってしまってください(?)という意味)、「薬」もダメなどなど。
◆中国人観光客が新宿や渋谷のドラックストアで「薬」のまとめ買いをする光景をよく目にしますが、どうやら「薬」も日本旅行のお土産のひとつのようです。プレゼントではなく「日本で買ってきて・・・」と頼まれてくるのでしょう。「ルル」や「ベンザ」、「龍角散」や「正露丸」を箱買いして行きます。この光景は圧倒的ですね・・・(@_@)〕
◆キーワードは「安心」「安全」です。「デジカメ」や「粉ミルク」だけではなく、日本製にこだわるのは「安心」「安全」のホンモノ指向。買い物をするときにはネットで調べた上で手にとって自分の眼で確かめるのが彼らの基本。同じ日本製でも中国で梱包されたものではなく(例:中国で缶に詰められた粉ミルク)、日本で梱包されて輸入されたものがベストと言います。
◆「薬」も日本で買うことに意味があるのでしょう。確かに上海でドラックストアを覗いてみると日本製の「薬」は割高です。日本で買ったほうが「お徳感」がありますが、それにして日本旅行の土産に「薬」とは・・・(しかも箱買いで・・・)ちょっと驚かされます。(゜o゜)
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「緑の帽子」もプレゼントしてはいけない品物?
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◆今回は⑥の「緑の帽子」がどうしていけないか。その解説です。
◆中国人の女の子たちのグループに「緑色の帽子」をかぶった男性が現れると女性陣がみんなくすくすと笑い出します。(中国人の男性は間違っても「緑色の帽子」をかぶって女性の前に現れませんが・・・)例えば、日本人の男性は「どうしてみんな笑っているのだろう???」ときょとんとしてしまうかも知れません。
◆実は「緑色の帽子」というのは・・・、「私のガールフレンドは別の男性と『不倫』をしていますよ」とみんなの前で宣言しているようなものです。「緑色の帽子」というのは「妻を他の男に奪われた男性」という意味があります。つまり、「不甲斐ない男性」を意味します。
◆「緑の帽子」をかぶることは「不甲斐ない男性」を意味します。また、「妻を他の男に奪われた男性」という意味もあります。実は、その理由は諸説あるようです。
◆ひとつは、昔の中国の元王朝、明王朝時代に娼婦の親族の家長は「緑色の頭巾」(一説には青)を頭に巻いていたという説があります。また、当時は色によってその階級や身分を表わしていたようで、身に付ける衣服の色まで法律で制限がありました。実は、「緑」や「青」は「賎職」の色とされていました。
◆当時は階級制度が厳しく、「娼婦など賤職に携わる人々は緑の衣服を身にまとうように」という決まりがあったとも言われています。「娼婦の父および家族は青色の帽子をかぶること」という規則があり、それが「緑の帽子」という形で現代に残り、「戴緑帽子」(dai lumaozi)という中国語は「妻を寝取られた男」という意味するが今でも残っているわけです。
◆また、こんなエピソードもあります。浮気をしている女性が自分の夫が出張に行くときに「緑の帽子」をかぶせたそうです。彼は商人でたびたび出張がありました。「緑の帽子」はこの女性から浮気相手の男性への合図です。
◆つまり、女性が夫に「緑の帽子」をかぶらせて家を送り出した日は、「今夜は夫は帰ってこない」という浮気相手の男性へのサインなのです。何も知らない夫は「緑の帽子」をかぶって仕事に行きます。それで「緑の帽子」が「妻を他の男に奪われた男性」、「不甲斐のない男性」を意味しているわけです。
◆例えば、中国人の女性の前に「緑色の帽子」をかぶった男性が現れると彼女たちはくすくす笑います。男性が「緑の帽子」をかぶっているということは、「私は甲斐性のない男性ですよ」、「私の妻は実は不倫をしています」、「私のガールフレンドは別の男性と浮気しています」とみんなの前で公然と宣言しているようなものです。中国へ出張や旅行で出かけるときには、くれぐれも「緑の帽子」はかぶらないように・・・。もちろん、プレゼントとしても相応しくない品物です。
◆くれぐれも中国人の前で「緑色の帽子」をかぶらないように・・・。もちろん、プレゼントとしても禁物です。会社のエコキャンペーン、グリーンキャンペーンで「緑色の帽子」をノベルティとして作って配ったりしていませんか?要注意! (+。+)
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「お菓子」を贈るときの上級「実践テク」
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◆中国出張のとき「お菓子」の詰め合わせを持っていくときの注意ポイントです。まず、「つまらないものですが・・・」という言葉はNG・・・。お土産を渡すとき、日本ではこんなふうに言って相手にお土産を渡すところですが、中国ではちょっと注意が必要です。
◆「贈り物は人間関係を表わすバロメーター」というキーワードがあります。つまり、「つまらないもの」を贈ってはいけないのです。「私たちの関係はこの程度???」と思わせるような贈り物は避けたほうがいいですね。もちろん、「つまらないものですけど・・・」は自分を謙らせて相手を尊敬する日本人特有の表現ですが、中国人に対しては「つまらないものですが・・・」ではなく、「陳さん、すごくおいしいお菓子を買ってきましたよ。絶対おいしいですからぜひ召し上がってください」ぐらいの表現のほうがベストです。
◆「みなさんで召し上がってください」もNG・・・。中国で「贈り物」を贈るときは基本は「一対一」で贈ることです。皆さんではなく陳さんに対する「贈り物」を「皆さんで召し上がってください」と言って渡すのは陳さんの「面子」を潰すことになります。
◆ここで「実践テク」の上級編とは・・・。お土産のお菓子を準備するときは陳さん用にひとつと、みなさんで召し上がっていただくためにもうひとつと、2つ準備すること。「これは陳さんどうぞ召し上がってください。それからもうひとつはみなさんで召し上がってください」と言ってふたつ渡します。陳さんの面子を潰さずに済みますし、私のお土産を陳さん自身が社員に配ることで別の面子を立てることにも通じますね・・・。(^。^ )/
◆しかし、「これでもまだ不十分」と友人の中国人が教えてくれました。「ヨシムラさん、2つじゃなくて、3つですよ!」とアドバイス。それは、陳さんにひとつ、みなさんでひとつ、それから陳さんの家族にもうひとつ。「なるほど・・・」それが正しい心遣い(?)かも知れません。(-_-#)
◆しかし、実はこれでもまたまだ不十分(?)と言う友人からアドバイス。「えっ?まだ足りないの?」と問い返すと、私の友人は「ヨシムラさん、本当にみなさんで召し上がってほしかったら、陳さんにひとつ、家族にひとつ、それから陳さんの部下にひとりひとりに『ひとつずつ』準備するべきですね」とコメント。なるほど!なるほど! それが本当に美しい(?心遣いかも知れません。(-_-#) (-_-#)(-_-#)
◆確かに、中国から来るお客さんから受け取るお土産はそうですね。日本で開催されるイベントで(投資説明会や展示会など)、中国の企業や地方政府の方々のサポートをすることがよくあります。その時に彼らが持ってくるお土産はひとりひとつが原則です。そういえば「みなさんで召し上げってください」というお土産を受け取ったことがありません。こんなところに中国人の気遣いを改めて発見します。(^o^)v
次回は「緑の帽子」の解説・・・
お菓子をお土産に持って行ってはいけない?
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ケーススタディ「贈り物選びには要注意」
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◆「贈る物選びには注意」というテーマです。お土産として相応しくない品物です。前回は「時計は絶対に贈ってはいけない」という点を述べました。この6つの中に贈り物としてふさわしく品物があります。「贈り物」として相応しくないと思うものには×、問題ないと思うものには○をつけてください。
① 職人が手作りで仕上げた伝統工芸品の和傘 【×】
② 日本各地の有名お菓子を集めた詰め合わせセット
③ 設立25周年を記念して作ったインテリアとしても美しい木目調の置時計 【×】
④ 秋葉原でしか買えない数量限定のキャラクターデザインの可愛い扇子 【×】
⑤ 太陽パネルで電池交換の不要なハイテク目覚まし時計 【×】
⑥ 会社のエコキャンペーンで製作し、TVでも有名になった緑の帽子
◆今回は「お菓子の詰め合わせ」について解説します。
◆贈り物として「お菓子の詰め合わせ」は絶対に贈ってはいけない品物なのでしょうか?「私は毎回手土産にお菓子を買って行く」、「チョコレートや人形焼はけっこう人気がある」(特に『白い恋人達』)という方もいらっしゃるのではないでしゅか? そうです。実は「お菓子の詰め合わせ」を贈ってはいけないのではなく、お土産を渡すときの「渡し方」の問題です。日本人同士ならよく使う言葉ですが、「つまらないものですが、どうぞみなさんで召し上げってください」という言い方をします。実は品物が悪いのではなく、渡すときにどんな言葉を添えるかが問題です。
◆最初のポイントは「つまらないものですが・・・」という言葉です。日本人なら誰でも理解できることですが、「つまらないものですが」という言葉は、自分を謙らせて相手に対する尊敬の気持ちを表すときの言葉です。本当に「つまらないもの」と思っているのではなく、謙遜の気持ちを表現した言葉です。日本人特有の謙虚さや謙譲の美徳がその背景にあります。日本人なら誰でもあたりまえによく使う言葉ではないでしょうか?
◆しかし、中国人に対しては必要以上に謙った表現は不要です。「つまらないもの・・・」ではなく、むしろ「陳さんのために一番いいものを買ってきました。」と言って手渡すほうが正解です。中国人に「贈り物」をするときには、「あなたのために一番いいものを選んできました。」、「いっしょう一所懸命選んでわざわざ買って来ました。」、「これは一番おいしいお菓子の詰め合わせです。」と言ったほうがむしろ喜ばれるでしょう。
◆「贈り物は人間関係のバロメーター」というキーワードがあります。実は「つまらいもの」は贈ってはいけないのです。贈り物はふたりの関係を象徴するいい物(りっぱなもの、価値のあるもの、それなりに金額の高いもの)を贈るべきです。本来、「つまらないもの」は贈るべきではありません。「私とあなたの関係はこの程度・・・」と思わせてしまう可能性があります。この点は中国と日本との文化の違いです。
◆もちろん「お菓子の詰め合わせ」が悪いのではなく、心を込めて贈れば「お菓子の詰め合わせ」でも大丈夫ですが、「陳さんのためにとってもおいしいお菓子を選んできました」というぐらいの言い方はしたいですね。次に中国人にお土産を渡す機会があったら、ぜひ実践してみてください。受け取る側は今まで以上にあなたのお土産に感激するはずです。
◆もうひとつポイントがあります。お土産を手渡すときに、「みなさんで召し上がってください」という言い方です。実は、これは渡す相手に対して失礼な言葉です。「贈り物」とは基本的に個人が個人にプレゼントするものです。一対一が基本です。「皆さんで召し上がってください」という心遣いはわかりますが、「どうぞ陳さん受け取ってください」と言って渡すべきです。
◆「ありがとうございます。せっかくですから、みんなでいただきましょう」と言って受け取り、みんなで食べるかどうかを判断するのは陳さんです。最初から「みなさんでめしあがってください」ということは、陳さんの面子をつぶすことにもなりかねないので注意が必要です。
To be continued