これまで「3つの没有に要注意」というテーマを取り上げてきました。詳細はコラムを遡ってご覧ください。そこで今回は「3つの没有」を逆手にとって信頼できる中国人を探し出し、中国人を見極める実践テクニックを紹介します。それは・・・、相手の「仮説力」をチェックするという方法です。
「没有問題」(問題ありません)をと言う中国人に限って、「どこかに問題がありそうだぞ」と思ったほうがいいでしょう。「メイヨウウェンティ」(没有問題)を口癖のように言う中国人は要注意です。「問題ない」を連発する中国人は「問題あり」と心得ておいたほういいでしょう。
もし、「没有問題」を言う中国人が現れたら、こんな質問をしてみましょう。「わかりました。問題はないんですね。では、もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけ。「もしも・・・」という仮説の話を持ちかけることがポイントです
■「仮説力チェック」でわかる危ない中国人
ビジネスパートナーを探すとき、まず相手の「仮説力チェック」をしてみることをお勧めしています。信頼できるパートナーかどうか、協力関係を作っていけるかどうかをチェックするときに有効な方法です。
「もし問題が生じるとすれば、どんな問題が起こることが考えられますか?」という問いかけをしてみます。これが「仮説力チェック」です。仮説力をチェックする方法は中国人パートナーを選ぶときにたいへん重要なポイントです。仮説力をチェックすることで彼の仕事に対する姿勢や彼自身のビジネスセンスを垣間見ることができます。
もしも、「私のことが信用できないんですか?」と逆切れ(?)するような相手だったら要注意です。パートナー候補から外したほうがよさそうです。必要以上に突っ込むと彼の「面子」を潰すことにもなりかねません。「面子」を潰さないという注意も必要です。
■これまでのビジネス経験から信頼できる中国人を選び出すコツ
もし、きちんと「仮説」を立てて、ひとつひとつ説明してくれる相手であれば、ビジネスパートナーとして大切にしたい相手です。私自身もこの「仮説力チェック」の方法で頼りになる中国人を何人も見つけてきました。
これからいっしょにビジネスを進めるパートナーになり得るかどうか、トラブルを未然に察知し、効果的な対策をいっしょに考えていくことができる相手かどうか、私自身はこの「仮説力チェック」をひとつの指標にしています。仮説力をチェックしてみると、ビジネスパートナーとして相応しい相手かどうかを比較的容易に見極めることができるのです。
「問題を解決してくれるはず」「トラブルをチェックしてくれるはず」と相手の自主的な行動を期待するだけでは問題は解決できません。日本側からも問題点の発見を積極的に働きかけて、双方で問題点を洗い出し、しっかりとコミュニケーションを図っていかなければならないのです。
問題点を未然に見つけ出すためにどのように働きかけるか、「仮説力チェック」をどのように具体的に実践していくか、これが中国ビジネスを成功に導くノウハウだと言えるでしょう。
ぜひ、「もし問題が起こるとすればどんな問題が考えられる?」という問いかけを試してみてください。そして皆さん自身の「仮説」を相手にぶつけてみてください。ある意味では、皆さん自身の「仮説力」が試される場面です。
To be continued
※「中国人とうまくつきあうテクニック」(総合法令出版)について、このコラムで紹介している『実践テク』のプラスαの実践テク、裏技テクについて、Yahoo!ニュースコラムでも公開中。こちらからご覧ください。
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