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博多祇園山笠のフィナーレ「追い山笠」は15日未明の4時59分に行われる。
我々男衆は前日の23時頃集合し、山笠のトレードマークの締め込み姿の準備をする。
いよいよ、通称追い山だ。正直完全な初心者の自分でさえ気合いが全然違う。
いつも利用する地下鉄の駅員さんたちが、自分の姿を見つけると(長法被着てるからすぐわかる)、数人出てきてくれてしっかりと頭下げて「ご苦労様です。怪我のないようがんばってきて下さい。応援にいきます」とご丁寧なご挨拶を頂く。
山笠ってこうなんですよね。町の方々はホント、博多を代表するこの祭りを愛してくれていて、心底応援してくれる。こんなひと言でもすでに目頭が熱くなってくる。中洲の町へ到着すればもっとだ。行き交う方から、「いよいよだね。がんばれ!」と多くの方に応援頂く。山笠はじめてホント涙もろくなってきた。こんなに人情って感じることができる経験は他にないかもしれない。まだ6時間も前なのにすでに中洲は異常な追い山独特の盛り上がりを見せる。すごい熱気だ。
個人的に、経験したからという訳ではないが、この山笠が日本一の祭りだと確信している。
おそらく三社祭の神輿などに見慣れた方は、山笠の大きさに驚くだろうと思う。全国に祇園祭りはあり、同じように山笠が出るが、多くが山車であり、26人(もちろんどんどん舁き手は交替するが)の人力のみで約1tの山を舁き、5kmのコースを激走する迫力はものすごいものがある。何より舁くことにこだわっているのだ。
そして、見事なまでの縦社会も素晴らしい。山を舁くことも素晴らしいが、それ以上に山を舁く人たちに魅せられる。追い山を終えた時に皆で号泣すると聞く・・・それほど熱い男衆の今年の総決算「追い山」・・・・。