盛岡に来てからはニチアサ系映画しか見てなかったが、今回やっと原発問題を扱うドキュメンタリー映画の盛岡上映を探し当てた。しかもあの六ケ所村の取材もある作品だから、絶対に見逃せない。盛岡の映画通りの東端(ちなみにいつも行く盛岡ピカデリーは西の端)。ビルの5階ロビー窓の風景も良い。しかし、観客は自分以外一人しかいない。つまり、実質的に個室鑑賞w
驚くべき取材地域の豊富さ。そもそも核廃棄物処理場建設に手を挙げる自治体など、どこも人里離れた場所ばかり、辿り着くだけでも大変な道のりだろう。そして、安全性と言う観点では、ただ人里から離れているだけではだめだと言う。つまり、地質がしっかり流出しない粘土質であること。花崗岩などでは廃棄物が流出し、地下水に流れ込むとその流域全体が被曝することになる。ある科学者は平坦な土地が望ましいと言う。地殻隆起などが長い期間発生していない証であり、地震などの地殻変動が起きないから安全だと言う。
しかし、結局のところ、高濃度核廃棄物は無害になる半減期には10万年を要する。人類が滅びた後の、次の生物種で被爆しないことまで考えなければならない。
端的に言えば、たとえ中国の広大なゴビ砂漠ですらも安全とは言えない。そうしたから世界中のあらゆる土地に核廃棄物埋蔵施設候補地を探し求めているのは、言うまでもなく原発推進派がやっているのである。あの核実験場であったネバダ州ですら、近くに火山があり、すでに汚染されているからと言って、噴火で放射能がバラまかれることを考えると、処理場には適さないのだ。
そんな訳だから、青森県六ケ所村なんて不適切もいいところだ。地下深く埋めたところで、太平洋沿岸までわずか5km、東日本大震災クラスの地震でも放射能流出の可能性はあるし、ブラタモリでもよく言われるが、10万年の間に海底が山になっていたり、その逆もある。そんな海底プレートが活発に動いている日本列島は、素人でも核廃棄物処理施設建設は無謀だと分かる。
それでも、彼ら原発推進派は、安全な場所を求めて、今まで何千億ドルの調査費をドブに捨ててきたにもかかわらず、調査を続けるのだ。
私には、全くもって、東京オリンピック強行開催の構図とそっくりだ。オリンピックは、コロナ禍だからできないのではない。利権と言う、人類の愚かさを表出させた氷山の一角だからこそ、永久に中止しなければならない、と考えるのである。
話が脱線してしまったが、六ケ所村で日本原燃の施設を見てきた人間として、この映画の目がくらむような愚かしい人類の産業の一角を理解していただきたいのである。
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