DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

Pedro Admo'rvar's El Pied Que Habito / The Skin I Live In 私が、生きる肌@シネマライズ渋谷

 ペドロ・アルモドバル監督の久々の新作を観にシネマライズ渋谷へ。火曜日割引はラッキー。
 あまり情報がないまま(いつものことですがw)鑑賞したが、これは衝撃的だった!まさにbeyond Imaginationな作品。
 大きく2点。先ず強烈なホラー、オカルト作品的なグロいシーンが満載であること。ベッドシーンのエロさは間違いなくアルモドバルワールドだが、手術シーンはむしろ去年観たグロいホラー映画「ムカデ人間」を彷彿とさせた。そっち方面の映画が苦手な人は覚悟が必要。もともとアルモドバル監督はフェティッシュな人だったが、更に遺伝子医学の今日的な最先端科学のバックグラウンドを得て、神の領域に踏み込む大胆な物語は宗教的にもボーダーラインで、レディガガの入国を許さなかった某国みたいなところでは絶対に上映不可能。
 もう1つはそうした問題提議があまりに今日的過ぎて、議論のまな板にのせることすら拒否感を禁じ得ない作品であること。復讐の応酬にアンドロイド並の人体改造技術が絡み、科学が人間の心情を狂わす姿は観るに僕でも耐えないものがあった。私たちはつい先日もオウム事件主犯格の菊池直子容疑者の変わり果てた姿に驚嘆したが、この映画はその変身の種明かしかと思ったくらい(彼女はオウムの技術力であそこまで見事に変身したのか?)。実際の事件と映画というフィクションがクロスした時の薄気味悪いリアリティ。
 逆に言えば、それだけ科学の進歩が人類の倫理に一筋縄では解決できない領域に達していることの証であり、もはや議論することすらグロさに耐えられる強い精神力が求められるようになったことに驚愕する。だが、このような今日的な問題を映像化できるアルモドバル監督の手腕はやはりすごいとしか言い様がない。「クレオパトラな女たち」のドラマもなかなか深い話題を提供しているが、この映画はその更に二歩くらい先を行っている。
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