DEEP ACIDなんでもかんでも日記・ヤプログ!より移行

地球イチバン(NHK)

 去年休職、無職中に好きで観ていた番組(去年は20:00~)だが、最近22:00~で復活していたのか、知らなかった。それはともかく、世界で最もペットに優しい街、ベルリンの話。自分は特にペットは飼っていないが、番組が示唆するものは大きかった。
 ペットの犬がリードなしで人通りの多い街を歩いている。一瞬ビビるが、躾がよくされているのでそういうことが可能になっている。いや、犬の躾よりも大事なのが飼い主の躾。ペットパトロールがいて、散歩をさせていなかったり病気をほったらかしにする飼い主に強制力を持っている。この時点で、先ず子どもの虐待問題への対処法に良いヒントを与えてくれる。ペットの視点、子どもの視点に立ったら、飼い主や親に強制力を執行しても良いではないか。個人生活への権力の立ち入りと考えると日本では躊躇されているが、弱者の権利の保護にこそ、そうした強制力は使われてしかるべきなのだ。税金の取り立てと同じくらい、弱者保護のための強制力は有効で正しいと思った。
 また、ベルリンではペットの殺処分はしないと言う。もちろん、飼い主の手にあまるペットの保護施設はある。日本でも新しい飼い主が見つかればハッピーだが、見つからないことも多いだろう、病気で医療費がかかるケースなどもある。公的施設がそうした動物が生をまっとうするまで保護するのにはきっと「税金の無駄遣いだ!」と言う声もありそう。しかしベルリンではそういう意識を街全体で変えて行った。むしろペット好きの人々は気があえば病気のペットを引き取ることもよくあるらしい。“社会がみんなでペットを大切にする”、そのことが日本において一番の問題のような気がする。
 この番組とは別に、FBで反喫煙運動に携わる弁護士の話を読んだ。それはもはや法廷の闘争ではなく、明らかに“社会の意識を変える”運動だった。僕は愛煙家、嫌煙家の対立構造でこの問題を考えた時、喫煙家の自由は表現の自由と同様に守られるべき、と言う立場を取っていたが、そもそもそういう社会の中の対立をどちらかの立場に立って煽るのではなく、「喫煙は健康上危険」と言う中立的な事実を社会でどうやって共有すべきか、と言うことにずっと心血を注いできた、と言うこの方の取り組み方には、全くもって賛同した。今の社会の問題は、結局制度を変えただけではどうにもならない、こちらを立てればあちらが立たず的な問題ばかり残っているので、そもそも社会が共有する意識を変えることに取り組まないといけない、と言うことを教えてくれる。
 国連の人権調査で日本は相変わらず死刑制度の廃止を求められている。ヨーロッパではこうした市民の意識改革の積み重ねで死刑を廃止してきたのだと思う。社会の重荷になってしまった病弱のペットをペット好きの市民が積極的に引き取るなどの形で自ら責務を果たそうとするのと同様に、重罪を犯した犯罪者を社会全体で引き受ける、と言う意識改革をしないと、そもそも凶悪犯罪が減らないのではないだろうか。正当な理由で生活保護を受けている人々を白い目で見れば見るほど生活保護に頼らざるを得ない人々が増えてしまう悪循環に陥るように。社会が弱者に冷たいと、(強者と弱者の)境界線上の人々はみな水が低い方へ流れるように弱者側に流れてくる。社会全体で弱者に寛容であることが凶悪犯罪を減らしたりホームレスを減らしたりするための唯一と言って良い手段ではないかと思う。
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