
それはともかく、クリムトの生涯に渡る作品が展示、ウィリアムズ分離派らしい世紀末的な退廃と絢爛を兼ね備えた作風には紆余曲折があったことが伺い知れる。金箔を油彩に重ねると言う発想はもともと学校で金属加工のデザインを習っていたからだし、肖像画も神話的なものを最初から描いていた訳ではなく、宮廷絵画的な古典的なスタイルの作品もあった。風景画では、ゴッホのような狂気を感じさせる画風も。
しかし、分離派の学校の同級生や教師の作品がフラットに並べられていて区別がつきにくいのはちょっと、と思った。もちろんいかにもウィーン世紀末を象徴するユディットなどの作品はあったが、やはり「接吻」がないのは惜しい。クリムトなら画集を買っても良いかな、と考えていたが、そこまで決断に至らず。あと、エゴン・シーレやオスカー・ココシュカらは分離派じゃないのか?彼らの作品展示もあったら、画集購入も考えたかも。