道路脇の民地に生えている樹木の枝が道路にはみ出し、通行の妨げになる場合があります。
本来は、その土地の所有者が、樹木を道路にはみ出さないように管理すべきですが、土地所有者が自ら支障木を伐採できず、通行を妨げる状態が継続する場合もあります。
以下には、道路管理者が土地所有者に道路維持管理業者等を斡旋することによって、土地所有者の費用負担によって支障木を除去する対策案を検討したいと思います。
1.道路管理における支障木の対応
民地の樹木が道路区域を侵害する場合は、通行の支障の程度によって以下のように分けることができる。
①〔道路区域の侵害〕道路区域を枝葉が侵害する場合
②〔建築限界の侵害〕道路の建築限界を枝葉が侵害する場合
①の場合は道路あるいは通行車両及び人に対して枝葉や雪の落下のおそれがあり、②の場合は①に加えて直接通行車両との接触のおそれがあり、いずれにしても事故の原因となり得る。
道路管理においては、枝葉が建築限界を侵害しているような状態であれば、事故発生のおそれが高いことから、早急に当面の通行の安全性を確保するために、道路管理者がその侵害している部分について伐採しなければならない事態が生ずる。
本来は、土地所有者が道路区域にはみ出さないよう適正に樹木を管理すべきである。しかし、道路管理者が支障木の除去を指導しても土地所有者によって伐採が行われず、支障木による道路区域の侵害状態が継続することもある。
2.対策案
以下は、道路管理者の指導に対して土地所有者が伐採の意思があるものの、自身で伐採業者への依頼ができない場合に、道路維持管理業務を行っている道路管理業者あるいは樹木管理業者(以下「管理業者」という)による伐採を合意・契約したうえで進める対策案である。
①〔道路管理者→土地所有者〕道路区域への樹木の侵害についての除去指導、管理業者の斡旋。
②〔土地所有者→道路管理者〕伐採の申込み。
③〔道路管理者→管理業者〕伐採申込みがあったことの通知。
④〔管理業者↔土地所有者〕伐採範囲(樹木全部or枝)・工程・金額等の確認。伐採の契約締結。
⑤〔管理業者〕伐採作業。
⑥〔土地所有者→管理業者〕支払い。
⑦〔道路管理者〕除去指導に対する履行状況確認。対応終了。
3.おわりに
本対策案は、管理業者が道路の支障木等の伐採及び剪定の作業に合わせて、本来の道路維持管理業務の支障とならない範囲で、民地の支障木の伐採を行おうとするものである。
管理業者が民地の支障木を伐採を行うことは、道路維持管理業務と一連で作業を行うことができるため、作業機械の流用が可能となり、個人が個別に伐採を依頼するより安価に契約できるものと考えられる。
この対策案によって、支障木の解消につながることを期待する。
以上
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