中学生の娘が国語の勉強をしている。どうやら『詩』の勉強らしい。どんなものかと覗き込むと『木琴』の題名が目に飛び込んできた。
懐かしい。
今でもこの詩を学ぶんだなあ。
私が、中学生か高校生の時、合唱コンクールでこの歌を歌った。
紡がれる言葉はそれほど多くはないけれど、とても心に響く詩。そしてその詩を彩るドラマティックなメロディ。
そのメロディが頭の中に流れ、歌が奏でられる。
『妹よ。今夜は雨が降っていてお前の木琴が聞けない。
お前はいつも大事に木琴をかかえて、学校へ通っていたね。
暗い家の中でもお前は木琴と一緒に歌っていたね。そしてよくこう言ったね。
「早く街に赤や青や黄色の電灯がつくといいな」
こう言ったね。
あんなに嫌がっていた戦争が、お前と木琴を焼いてしまった。
妹よ。
お前が地上で木琴を鳴らさなくなり、星の中で鳴らし始めてからまもなく、街は明るくなったのだよ。
妹よ。
今夜は雨が降っていて、お前の木琴が聞けない』
もう何十年も前に歌った歌なのに、すらすらと歌詞が出てくる。
そして涙が溢れてくる。
多感なあの頃の私に大きな何かを残した歌詞とメロディ。
私にとって『木琴』は、そんな歌。
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