雑木囃子

誕生日はヒゲッチキャンプ場で

おめでとう。
誕生日の子と記念撮影です。
逆光で空の青さをお届けします。

キウイソースたっぷりのケーキです。
誕生日の夜をキャンプで過ごす子にはこちらでしっかりお祝いしますから、誕生日にキャンプが開催されているならそのキャンプに来て下さい。

かなり少人数でもこの質量です。



キウイをたくさん取ったキャンプでしたし、この子ったらヒマさえあればキウイ採りでしたから、ぴったしなケーキです。
なお、キウイの木は切りますので、再度芽吹かなかったらこれが最後のキウイになります。
キウイや藤が絡まって木々を圧迫してなんとかせねばならない状況になっているからです。

そういえば
私の子供の頃は、誕生日に友人を家に招いてなんらかパーティーを開き、プレゼントをもらってそのお返しをするような慣習がありました。
今でもそうでしょうか。

私の家は余計な支出やヨソサマのようなもてなしができる環境になく、誕生日でも友人を招くようなことはしないで過ごしました。

近隣には富豪な家庭もあり、その誕生日には簡単なプレゼントを持って出かけるのは良しとされていました。お返しもたのしみでしたし、ケーキなんてどっさり食べることができました。
黒くて強そうな犬を庭に放つような家がすくなからずある地域です。

うらやむ気持ちは大きかったのか、ある誕生日に学校でつい、今日は俺の誕生日だと言ってしまいました。するとクラスメイトは行く行くと言い出し、しまったと思ったときにはもう訪いを断れないような状況になりました。

家にクラスメイトがやってきました。
母は怒りはしませんでしたが、とても困惑したでしょう。何も用意はないし、プレゼントのお返しもあるわけがない。

困った母は、手元にあった殻付き落花生を皿に山盛りにし、そのてっぺんに爪楊枝の旗、誕生日おめでとうと書いた旗を貼り付け、クラスメイトが囲むテーブルに置きました。
その日、クラスメイトに提供されたのはそれだけです。

クラスメイトのムードは言わずもがな。
私は大きな間違いをしでかしたわけです。
それ以降、誕生日を人にアピールするようなことはこの歳まで一度もありません。

仲間には私の誕生日を知られているのでいろいろと気遣ってくれますが、祝いの真ん中に居るのは未だに気持ちが定まらず、どんな顔していたら良いのか惑います。

アピールが苦手なのはそんな出来事があったからかもしれませんし、アピールはみっともないことという美意識を盾にアピール苦手を隠そうとしているのかもしれません。

アピールしてるだろって?
まあな、どうでもいいことはおちゃらけてアピールできるけどな。ほんとうに熱意やテマヒマや真剣さを持ってやっていて、ほんとうにヨソよりも大幅に優れていることをアピールするのは困難です。

母には申し訳の無いことをしました。
シケた話になっちまいました。

お誕生日おめでとう。
アピールしなくても大丈夫。
私達は誕生日をキャンプで過ごす子のあるナシは確実にチェックし、照れ屋さんでアピールできなくてもちゃんとお祝いします。
アピールしなくて大丈夫。
アピールしても大丈夫。

皿に落花生でチーン。
みたいな思いはさせない。


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