雑木囃子

・・・ていきまーす。 が耳障り。

テレビやネット動画の
例えば料理番組で
「刻んだニンニクを炒めていきまーす」
「先ほどのソースをいれていきます」
と言うのをよく聞く。

何かするまえに「・・・いきます」ってなんにでも言うもんじゃない。
いったいどこまで行くのか?って自然に思うでしょう。
おそらくですが、人気タレントが何とかキッチンとか言うコーナーでそう言っているのが蔓延しているのではないかと思われます。
が、そんなテレビ見ないのでそれよりほかにそういう言い回しをしている人が居たかもしれん。

いきます
というのは
ある程度の距離や時間がかかる場合に使う言葉のはずだ。
しばらくやること
続けてもしくは規則的にやること
何かを目指して向かってゆくさま
に対して いきます と言う。
距離や時間がごく短い場合は「入れます」「加えます」「炒めます」とかでいい。

ある程度、というのは感覚的なもので個人差があっていい。
という向きは耳障りにも感じ無かろう。
しかし、刻んだネギをフライパンにさっと入れたり、にんにくを数分炒めるくらいのことが、ある程度の時間や続けての行いに見えるのだとしたら、あまりに気短ではないか。

どこにも行かないし
たいして時間もかからんし
何かに向かってると言うほどのことでもないのに
いきます だって。

いよいよ穿って見れば
ある程度の時間がかかるって表現にし、その間にしくじっても時間のかかることだから途中でやむなく起こるアクシデントだ、と言い訳できるようにしてるんじゃないか?
と感じてしまう。
フライパンにさっとニンニク入れるくらいで言い訳考えているようじゃ、料理家と言えないのでは。

同じように
思います も耳障りだ。
何かにつけ終わりに 思います を付ける。
さっそく穿って見れば、思っているだけってことにして言い切らず、発言の責任を軽く見せようとしているのか?と、私のようなイチャモン屋に思われると、思います。

そしてやれやれなことに、言葉の教育を受けているアナウンサーもそれらを平気で言う。
さらに、アナウンサーやテレビで乱発されている言葉は正しい・ステキと思って追随する人々もどっさりいる。
悪いことに、それらが大勢を占めていれば、ステキと思い込めるセンスは敏感だ。
万歩譲って正誤はともかく、考えのない一言には違いなかろう。
ろくに比べも考えもせず、みんなアイホンだからアイホンじゃないとかっこ悪いと思える時代だ。私は皆と同じものを持ちたくない、皆と同じじゃかっこ悪い、と自然に考るのだが、どうもそういうのは流行らないようだ。
個性を伸ばす社会じゃなかったっけ。

リーダーたちには、言葉をないがしろにすると言葉に裏切られるぞと言っている。
正誤はともかく、だ。正誤については私も怪しいので気にはしないが、自分の考えた言葉を並べ、自分の考えた言い回しをしているなら、それでいい。ロクに考えもせず、聞いたようなことしか言わないよりずっといい。
それなら多少間違えていたり大いにヘンテコでも、ないがしろにしていることにはなるまい。

常に自己弁護を忘れないで書いていきたいと思います。


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