ある夜オバンは飛び起きたのでした。
ある夜オバンは、目が覚めたのでした。
オバンはその場で仁王立ちになって、
オバンはトイレも我慢して、
オバンのオバンによるオバンの為の、
オバンの夜に、
オバンは弱った奥歯を噛み締めるのでした。
真夜中に飛び起きる程に、
オバンは込み上げて来た感情が何なのか、
オバンは胸の沸き上がる熱いモノが何なのか、
あまりにも遠い遠い昔に起きた出来事なので、
全く思い出せないのでした。
オバンは立ち尽くすのでした。
でもでもと、オバンは取り敢えず、
いつもは早朝やっている米研ぎを開始するのでした。
オバンは晩ご飯の時に、一番おいしいお米を炊きたいのでした。
白く濁るとぎ汁を凝視して、
さっきのは何だったのだろうと思うのでした。
すぐにピンと来ないのが、オバンの特徴なのでした。
そしてその事さえ全て、忘れてしまうオバンなのでした。
それでも何だろうと気になって仕方が無いオバンなのでした。
オバンはたまに、しつこく執念深いのでした。
オバンはついでに洗濯も開始してしまうのでした。
オバンは気が付かない。
オバンは無意識に時間の波に乗ってしまう。
オバンは気が付かない。
立ち止まり座り、ほおづえをついて、考えてみる事に。
真っ暗闇の夜の中で、
キッチンの電気一つ、
グルグル家事をして、
オバンは後ちょっとで、
気が付いたかも知れない。
それでもオバンは動きを止めないのでした。
オバンは気が付く前に、知っていたのでした。
真夜中に仁王立ちする程に、
熱く込み上げて来たモノを。
オバンは気付いて、知っていて、封印するのでした。
オバンは本能で生きるのでした。
オバンはかなり動物に近いです。
あまり、まわり道などしたくないのでした。
まわり道の魅力など、とっくのとうに失せていたのでした。
さっきは多分、
寝ぼけて自分がオバンという事を忘れてしまっただけなのでした。
それでもオバンは何となく、
嬉し恥ずかしオバン街道、
ニヒルに笑い、不思議とも思うのでした。
さっき間違えちゃったなあと、
一人で照れて、呆れるのでした。
オバンは明日の家事が大幅に減った事に、
気が付くのでした。
オバンは15の頃に読んだ本を探すのでした。
ビシッと本はソコで待機しているのでした。
オバンを待っていたのでした。
オバンは本のほこりを払い、
枕の下に置いたのでした。
痛む膝を庇う様にして、
また布団に潜り込むのでした。
嗚呼、吃驚したなあと、もう一度呟いて、
オバンの夜に、オバンはまた消えて行くのでした。
ある夜オバンは、目が覚めたのでした。
オバンはその場で仁王立ちになって、
オバンはトイレも我慢して、
オバンのオバンによるオバンの為の、
オバンの夜に、
オバンは弱った奥歯を噛み締めるのでした。
真夜中に飛び起きる程に、
オバンは込み上げて来た感情が何なのか、
オバンは胸の沸き上がる熱いモノが何なのか、
あまりにも遠い遠い昔に起きた出来事なので、
全く思い出せないのでした。
オバンは立ち尽くすのでした。
でもでもと、オバンは取り敢えず、
いつもは早朝やっている米研ぎを開始するのでした。
オバンは晩ご飯の時に、一番おいしいお米を炊きたいのでした。
白く濁るとぎ汁を凝視して、
さっきのは何だったのだろうと思うのでした。
すぐにピンと来ないのが、オバンの特徴なのでした。
そしてその事さえ全て、忘れてしまうオバンなのでした。
それでも何だろうと気になって仕方が無いオバンなのでした。
オバンはたまに、しつこく執念深いのでした。
オバンはついでに洗濯も開始してしまうのでした。
オバンは気が付かない。
オバンは無意識に時間の波に乗ってしまう。
オバンは気が付かない。
立ち止まり座り、ほおづえをついて、考えてみる事に。
真っ暗闇の夜の中で、
キッチンの電気一つ、
グルグル家事をして、
オバンは後ちょっとで、
気が付いたかも知れない。
それでもオバンは動きを止めないのでした。
オバンは気が付く前に、知っていたのでした。
真夜中に仁王立ちする程に、
熱く込み上げて来たモノを。
オバンは気付いて、知っていて、封印するのでした。
オバンは本能で生きるのでした。
オバンはかなり動物に近いです。
あまり、まわり道などしたくないのでした。
まわり道の魅力など、とっくのとうに失せていたのでした。
さっきは多分、
寝ぼけて自分がオバンという事を忘れてしまっただけなのでした。
それでもオバンは何となく、
嬉し恥ずかしオバン街道、
ニヒルに笑い、不思議とも思うのでした。
さっき間違えちゃったなあと、
一人で照れて、呆れるのでした。
オバンは明日の家事が大幅に減った事に、
気が付くのでした。
オバンは15の頃に読んだ本を探すのでした。
ビシッと本はソコで待機しているのでした。
オバンを待っていたのでした。
オバンは本のほこりを払い、
枕の下に置いたのでした。
痛む膝を庇う様にして、
また布団に潜り込むのでした。
嗚呼、吃驚したなあと、もう一度呟いて、
オバンの夜に、オバンはまた消えて行くのでした。