
魚の名前とか値段とか種類とか番号とか、
包丁のテクニックとか、
壊れて痛む両腕とか、
魚屋の事を「富士山」で例えてみれば、
オラァ富士山に登る為の靴を探してる様な段階に居るのに、
この「チラシ」って奴にいつも振り回されて、
全く前に進めねえ。
ちょっとくらい「まだ無理だな」とか言ってくれて、
オレを教育してこうって奴が一人位居たっていいんじゃねえの。
昨日はあんまりにも仕事に行きたくなくって、
つかもう「腕が!腕が!!!」っつって、
「あの馬鹿やろうがくそ野郎が」っつって、
「オラァ休むんだ今日は休むんだ、まだ見習いで時給850円だし、雇われても居ないんだ」
っつって玄関でワーワー泣いてたら(マジで号泣)、
恋人に「負け犬みたい」って言われて、
しかと聞いたぜ!今の台詞!このオレ様に向かって「負け犬」って言う人間初めて見たぜ!!!
んで自分の怒りの対象が「恋人」に切り替わった途端に、
「・・・んじゃ行って来まーす」っつって10分も早く家を出ちゃったわ。
昨日から口利いていないけど、
さんざん恋人に愚痴を言うっていうのも、どうしたもんかしらね。
恋人は今、私と同じくらいにスーパーの知識も魚の知識もあるのよね。
職場の人の名前なんか、全部知ってるんだから。
私服まで知ってる、ストーキングと待ち伏せをしているから。
オレすら知らない事を・・・。
んで私は、
訳の解らない事に対して無理矢理理屈を付けてみるっていうのをやってるんだけど、
相手の言い分もきっとあるんだろう、んできっとそれはこうでああで云々っつって、
愚痴を「あいつは悪い奴だから憎い!!!」って絶対に言わないのね。
そんな感じで私が今の職場で思う事は、
・いきなり刺身包丁を持たせたらどこまで出来る様になるのか研究してる。
・新人の成長の限界に挑戦している。
・過労でぶっ倒れるまでの時間を計ってる。
・職人VSパートのおばちゃんの戦いに、
パートのおばちゃんの方に10万くらい金を賭けている(賭博)
・つか店長、仕事辞めるんじゃないのかな。
こんな感じかな。
つか魚屋の職人がうぜえ。
スーパーの魚屋の職人がうぜえ。
大学出のヤクザみたいで手に負えねえ。
私は職人に対して寛大な方なのよ。
自分の父親が文盲で、秋田から丁稚奉公して鉄筋屋になった男だから、
なんつーか、
何言ってるのかサッパリ解らないけど、尊敬はしてるのよ。
だのに私が居る魚屋の職人は綺麗事ばかりガタガタガタガタやかましいのよ。
煙草も吸わなきゃ酒も飲まない、
「家族大事!」っつって、最近のヒップホップみたいよ。
「親孝行したい時には親はなし」とか同年代の男が言ってんのよ。
「父の日、なんかくれっかなー」とか言ってんのよ、オメー父親だったのかよ!!!
大学生かと思ってたワリィワリィ。
あー憎いわあー。
でも本採用になって時給がいくらか確認するまでは辞めない。
気になって気になって仕方がねえから。
時給950円とかだったらどうしよう。
「なんかのギャグ!?それ今、流行ってんの?」とか訊いちゃうわあー。
愛してる。
憎いけど愛してる。