宮藤官九郎さんの脚本は毎回楽しみにしているので、
今作の「俺の家の話」にも期待していました。
これまでのドラマからも分かるとおり、長瀬さんとクドカンとの相性はバツグン。
今作はいつものクドカン節は抑え気味なのか、
これまでとは違う介護という現実味を感じさせるテーマを 持ってきました。
ドラマ前半は少しバタバタした印象でしたが、その前半が活きてきたのが後半の部分でした。
どうしても現実味のあるテーマを扱うとドラマ自体が暗く重くなりがち。
そこはクドカンらしいテンポのよさで、重くならずに楽しんで見ることができました。
第1話で魅力的な演技を見せていたのが、
長田舞役の江口のりこさんとラッパー役の秋山竜次さん(ロバート)
テンポのよいかけあいが肝となる今作では、
江口さんと秋山さんのもつ独特の空気感がとても輝いていました。
親の介護という現実は誰しも通る道。
介護は体力的にも精神的にもツラい部分がフォーカスされがちだけど、
そのツラさをクドカンの脚本で明るく 見られたのはよかったと思います。
「親の介護に直面したとき、あなたならどうする?」
そんなメッセージをこのドラマからは感じましたね。
笑いと胸を打つような切なさのバランスがよいのがクドカン脚本の魅力で、
介護という現実的なテーマからは 考えさせられる一面があると思いました。
初回から注目していたドラマのひとつでしたが、
キャスティングや独特のせりふ回しがよく希望のある結末を 期待しています。
小気味良いかけあいなど見どころの多いドラマですが、
ストーリーのなかに介護や発達障害が組み込まれているので
いろんな面で勉強になるドラマかもしれませんね。