女しょうの会の味噌造り初日。軟らかく煮た大豆を機械で潰して味噌玉を作る。20人ほどで大釜5つ分を2時間ほどでやってしまった。何しろ働き者で、味噌作りのベテランたちなので、仕事の手際も連携もすばらしい。後片付けまでさささっ。もちろんその前に豆を洗い火を焚き道具をそろえ、と準備をしてくれる人たちの仕事もあってのことだが。次回には麹と塩を混ぜ込み、樽に詰めるのだ。そうして1年おくと山吹色のおいしい味噌になる。この味噌はなかなか評判が良くていつも売り切れる。退職後この仲間に入ってから、私も自家用味噌を自分で仕込むようになった。良い材料で本物の食べ物を作る人になった気分でうれしい。
女しょうの会のメンバーはみんな口も働くが、手も働く。野菜を育てたり、食べ物を作ったりすることの知恵がすごい。私は「ハーア」と言って聞いているだけだ。集まるときには必ずおいしいものを作ってきてくれる。長野弁で言うその「ずく」と腕に感服する。
しかし最近私はその「ひたすら感心の時代」を過ぎて、少し違った見方もする。結局こういう能力を昔から女性たちは求められてきたので、家族の健康を支える大事ではあるが、女性は家庭の中に閉じ込められたのだ。(メンバーの中には家庭の外で働いてきた人もいるけれど、その上にさらに家事の能力も上げてきたわけだからたいしたものだ。)そして彼らは今でも、いつまでも、「料理は女しょう」を引き受けているのだ。
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