勝手にバイオ考察

自分の脳内整理用 考察記事

バイオハザード 7~8(ヴィレッジ)についての話 -7-

2023-12-16 21:52:57 | バイオハザード7/8について

※以下の内容は私自身の中でストーリーをまとめることが主目的です。

※妄想の部分も多くあり、正しいといえるものがすべてではありません。また、作品自体が解釈に幅が取れるような作りになっているため、

考え方を強制するものではありません。 もしこれを読んだ人が面白そうと思っていただいて、ゲームをプレイしていただけたら、ものすごくうれしいです。

※基本的にネタバレ全開なので、プレイしてから読んでいただくことをお勧めします。 

※各記事は予告なく追記・修正します。

 

★"バイオハザード7"とはどういう話なのか?

さて、前回まででバイオハザード8について重要なところはあらかた書き終えました。細かいことは書き尽くせてないですが、要するに、イーサン一家とミランダ一家はそれぞれ、違う形であれ家族のために命を懸けて戦っており、その対比構造こそがローズが今後この世界を救う英雄たる人格を形成するに必要なものだった、と私は主張したいのです。

(*細かいところ、というのは例えば各始祖のアイテムや保管状況から、始祖の姿と名前を一致させることができそう、とか、そういう本質的なところに踏み込まないところですが、他にも話したいことがあるので、それは後々書くことになります。)

前の記事でも書きましたが、バイオハザード7は8までやってしまうと、ミランダとローズをめぐる話の前日談くらいになっている気がするんですよね。個人的にはめちゃくちゃ怖かったですし、やりごたえもあったので、ゲームとしてはとても好きですが、そのストーリーの必要性というか、存在の必然性についてはしっかり考えていかないと、ふわっとしてものになるんじゃないかと思っています。

 

考察記事の序盤に、"バイオハザード7/8は通して家族愛がテーマ"と書きましたが、バイオハザード7の"家族愛"成分はどういったところに垣間見えるでしょうか?

1つは当然のイーサンがミアを救うという話から。2つ目はベイカー一家で、あのいかれたじじいもエヴリンの仕業でおかしくなってしまった、本当はあんなことしたくなかった、と言っていますね。そんな姿を見て救いたいと思ってゾイ(+ジョーもですかね)も家族を救うためにいろいろと行動していました。そして重要な3つ目。ストーリー中はぽつぽつ書かれているのですが、しっかり意識しないと考えないところが、"エヴリンの求める家族愛"です。バイオ7を考える上で非常に重要な要素で、これを理解することでバイオ7必然性がわかり、また今後のストーリー展開についての理解も深まるのではないかと考えています。

 

ではエヴリンについて今一度復習していきましょう。エヴリンを理解する上で、まず現在世界に存在するバイオ生物に何があるか、思い出します。今の時点では、以下3種類のウイルス・菌をオリジナルとしており、その派生系および組み合わせで成り立っています。

1.アフリカの始祖花タイプ=T-ウイルスの原種。

2.寄生生物タイプ=プラーガが該当。

3.カビタイプ=村の菌根を原種とする。

基本はこの3つで、バイオ7までは1.2.の組み合わせによって生まれたウイルスによるバイオハザードが描かれています。

バイオ8にてミランダの日記から、エヴリンはそもそも菌根とエヴァの胚をコネクションに提供してできた存在と分かります。

つまり、エヴリンは3.のカビタイプです。(プレイした方にとっては当然の事実ですが。)

作中、幾度となく出てくるのはエヴリンの家族に対する執着。ファイルの中では以下のように書かれています。

"自ら支配する集団を社会に溶けこませる上では
「家族」の形態が都合がいいと、本能的に察知したのかもしれない。

だがあるいは――隔離環境で育った彼女が愛情に飢えている、
と考えるのは感傷的に過ぎるだろうか。"

エヴリンが隔離環境の孤独感から愛情に飢えているとされていますが、孤独を紛らわせるためであれば、家族でなくとも友人で構わないのですが、"家族"に執着するのは、幼くして両親と別れてしまったエヴァの胚をベースとしているから、とも考えられるのではないでしょうか。

作中ではエヴリンの"家族集め"が加速しているとの記載もありますが、これに関しては私は、無暗に人を集めて感染させていたわけではない、と考えています。それはなぜかというと、ベイカー一家の日記から、エヴリンがベイカー家に加わってから感染が進むまで、それなりの時間を要していたことがわかるからです。マーガレットの日記では、耳鳴りが始まったのが10/11で、日記をつけている10/23までは少なくとも完全には感染しきっていません。つまり、エヴリンは強制的に感染を進めて、モールデッドなどを家族と呼んでいるわけではなく、あくまで自然と進んでしまう感染が存在しているということになります。これは一種のヤマアラシのジレンマ的なところといいますか、エヴリンは自身と対等な存在としての家族を求めているのに対して、エヴリンの近くにいると本人の意思に関係なく感染が進んでしまうということです。

しかしこうなると違和感があるのが、ミアの存在です。家族の体をなしていたアランも仮の父として接していたとはいえ、まだ船中では血清のようなもので感染を防いでいたとも考えられます。でもこれだけではどう考えてもミアの存在は特異です。ミアは船が座礁してベイカー家に来てからも感染がそこまで進んでおらず、また、マーガレットの日記でも"エヴリンと一緒に来た女もおかしい"と書かれています。そして、もう1点、エヴリンはアランに関してはさっさと始末してしまった割に、ミアに関しては特別お気に入りだったのです。これらの物事をひと繋ぎにしていきたいのですが、もう一つ別の話をして、各要素を証拠しつつ妄想を組み込んでストーリーとして完成させます。

別の話とは何かといいますと、バイオ8にて小ネタの1つとして扱われている、ベネヴィエント邸クリア後に手に入る、ローズの写真についてです。小ネタの内容としては、クリア前はなかった"ローズを大切にね"という文章がクリア後に見たときには裏面に追記されているというものです。考察系の動画などをご覧の方はよくご存じかと思います。タイミング的にドナが書いたとされています。(一部ではクリア前にうっすら見えていて、ほこりが取れただけとしている記事もありましたが、自分でも確認しましたが、うっすらも存在してません。多分デマです。)

さきほどは日本語で文章の内容を書きましたが、英語の文章だと、ローズに対して、"our"とついており、"私たちのローズ"と表現されています。この文字がドナが書いたことで"ドナちゃんは優しい子だったんじゃないかなー"と考えている人もいますが、もしこの文章をドナが書いて、"our Rose"としていたとしたら、かなり皮肉のきいた文章だと思いませんか? ドナからすれば、"もうお前のものではなく、ミランダ様や私たち村の人間のものになったのだから、イーサンお前はあきらめろ。これからはローズのことは私たちが丁重にもてなしてやる(まぁエヴァに生まれ変わるけどな!)"という意味になると思うのです。 ということで、私はこの文章はドナが書いたという説は賛同できません。矛盾しているように感じます。 ベネヴィエント邸に関してのネタが多くなってしまいますが、本当にこのあたりは重要で、もう1点、この説を裏付ける説を書きたいと思います。それは"ミアの録音音声"についてです。ベネヴィエント邸の攻略は、バイオ8において最恐スポットです。(本当に怖かった……。)あらゆる要素がホラーとなっていて不気味です。ただ、ミアの独白録音については、かなり違和感があるのです。プレイヤーの皆さんも、何を聞かされているのかよくわからない、と感じませんでしたか? 内容は何かミアが心配しているようなことで、おそらくローズが各部位に分割されるところに対してコメントしているのだと推測できます。これをドナによる幻聴とするならば、ホラーとしてはミアが痛みで泣き叫んでいるようなものにした方が、怖くないですか? なんで特に怖くもない音声をイーサンに聞かせたのでしょうか? 私は、これが幻聴ではなく実際の録音だったと考えています。 つまりこうです。ミアはミランダからエヴァの存在について説明を受けており、エヴリンの能力を受け継いでいることから各部位に分割しても死には至らないということの説明を受けていた。だからこそローズが切られているところも"大丈夫、だいじょうぶ"と自身に言い聞かせながら耐える(ミランダを止めにかかったりしない)ことができたのだ。そして同時に、ミランダはミアを殺さなかった。もともと解体する人形がミアの死体だったという前設定からして、写真はもともとミアがもっていたものだったが、ドナはそれを捨てることができなかった。だからミアの持っていた写真をイーサンに返すことにした。ミアは裏面にあの文章を書いていた。私はこう妄想しています。

 

さて、エヴリンとミアに関して私が言いたい説をまとめます。それは以下のようなことです。

ーエヴリンはエヴァの記憶の影響や隔離環境から、家族という存在を欲しており、寂しさを感じていた。ただし自身が接する人間は感染変異してしまうため、菌に適合する人間を探すことが必須だった。でもそれは探すことなくやってきた。母役としてやってきたミアはすでに菌への耐性を持っている適合者だった。これこそがミアがコネクションに籍を置けている所以であり、ミアもまたミランダを通じてコネクションに与するものである。ローズの解体も、ミアの合意があったうえでの共謀だった。ー

ミアについてはまだ謎が多く、各所で闇の深さについて推論が飛び交っています。私が上記のように各理由はもう1つあって、それはイーサンとの口論の場面にあります。

ローズが生まれるまえの会話で、イーサンがミアに何をそんなに心配しているんだ?と聞くところで、もう住所も変わっていて平穏な日々を送っているはずなのに、ミアは"あなたは何もわかっていない!"といいます。これは何のことかわからなかった方も多いのではないでしょうか?はっきりした回答が作中にはありません。当然なのですが、ミランダとミアが入れ替わったタイミングは、ローズが生まれた後です。(ばあちゃんからは生まれてないはず……ミランダから生まれていると家族愛のテーマが崩壊するため。) 

長くなったので、次回、【ミアの存在】に続きます。

 

 

 

 


バイオハザード 7~8(ヴィレッジ)についての話 -5-

2023-12-16 21:49:10 | バイオハザード7/8について

※以下の内容は私自身の中でストーリーをまとめることが主目的です。

※妄想の部分も多くあり、正しいといえるものがすべてではありません。また、作品自体が解釈に幅が取れるような作りになっているため、

考え方を強制するものではありません。 もしこれを読んだ人が面白そうと思っていただいて、ゲームをプレイしていただけたら、ものすごくうれしいです。

※基本的にネタバレ全開なので、プレイしてから読んでいただくことをお勧めします。 

※各記事は予告なく追記・修正します。

 

★村とミランダと四貴族【1】

さて、前回は各集落について振り返り、今の村が4人の始祖の子孫からなっていて、また菌の存在も忘れ去られているだろうというところまで書きました。そして、ここからは一気に作中の要素をつなげて、あまり世の考察で踏み込まれていないであろうところまで妄想を広げたいと思います。

(正直、これから書こうとしている"ミランダの夫"の存在を考えるにあたって、いろんな要素が相関を持っていて、どこから書いていいのかかなり迷いました。今まで4つの記事を説明の土台として書いてきましたが、少し退屈だったかもしれません。へたくそですいません。)

 

さて、ミランダの夫はいったい誰なのか? これを考えるためにミランダの生活と歴史、そして四貴族の誕生までを考えていきたいと思います。

 

ーさて、ここで突然ですが、ミランダは恐らく山羊が好きです。 いきなりなにいってんの?と思うかもしれませんが、私がこう妄想する要素をチェックしていきます。

まずは村にきて最初に会う老婆についてです。物語の中でこの老婆はミランダだということが判明します。老婆の姿になっていたのはイーサンを見張るため、とか、四貴族に渡したローズの部位を都合よく回収してくれる存在とするため、と考える人もいるようですが、少なくともこれは主目的ではありません。なぜなら、序盤のルイザの発言から、老婆は昔からこの村に存在していたと分かるからです。

イーサンをコントロールするためなら、ローズが誕生するまでに変身している必要はありませんよね。つまり、ミランダは何か別の目的があって老婆に化けていたということになります。ではその目的は何なのでしょうか? 村人がみなミランダ様ミランダ様と崇めており、ミランダがある種の宗教の神になっているのに対して、老婆はその教祖的な立ち位置となっています。ミランダが老婆となって村人を扇動する理由は何なのでしょうか?

 

物語の中でミランダはもともと医者だということが書かれています。普通に医者として働いており、村の人々を救っていて、きっと慕われていたのでしょう。ミランダ自身も村が好きで、とても暖かい環境で育っていたのだと思います。ところで、この村の中で、診療所ってどこでしたでしょうか? これは2ステージ目であるベネヴィエント邸の地下環境が該当しますね。医療器具や手術台、医療関係の書斎など、まず間違いないでしょう。さらに、事前の情報ではもともとベネヴィエント邸は診療所、というのは公式の設定見解です。ということで、ミランダがこの場所に住んでいたのは間違いないでしょう。

ベネヴィエント邸1~2Fは住居スペースなので、ミランダは診療所兼自宅としてこの建物を使っていて、普通に暮らしていましたが、夫となる男と出会い、結婚しました。 ペットに山羊なんか飼っちゃったりして。(作中にミランダに山羊を献上するメモ書きがありますが、黒山羊・白山羊がいる場所は、ベネヴィエント邸の小屋付近です。)    そしてエヴァが生まれます。 エヴァのおもちゃとして好きな山羊の工芸品なんかも生産スタートしちゃいました。(魔除けの山羊は村を守るものなので、壊すとミランダ様の罰が下る!と、老婆=ミランダ自身が言っています。つまり、こんなただの工芸品ですが、ミランダは1つでも壊してほしくないということになります。きっと思い出の品なんでしょう。)

村人もミランダのことを慕っていて、そんな工芸品を買ってはいろんなところに飾っていたので、各場所に散らばっているのでしょう。

そんな中、世の中ではスペイン風邪が流行。エヴァもその犠牲になってしまいます。あとは作中で語られている通り、ミランダは死に場所を探していたところ、菌の存在に触れ、村の過去についての知識を得ます。そしてローズの器を作るための実験を進めるのですが、ミランダは作中ではひたすら村人にカドゥを植え付けて試していたように見えましたが、最終的にはローズの体をバラバラにして四貴族に渡します。ローズが器として適合していて、今までと同じやり方をするのであれば、こんな回りくどいやり方をしなくても、直接カドゥを植え付けてしまえばいいのです。でもそうはしなかった。つまりこれは必要な儀式で、その儀式をアンブレラマークの遺跡がある場所で行う必要があることを知っていたことになります。絵本では少女が始祖から4つのものを受け取ってから鏡に閉じ込められていますが、この各始祖から何かを分け与えてもらったうえで儀式をすること=次の世代の魔女を生み出す儀式になっている、ということを菌根の記憶から得ていたと考えてよいでしょう。そしてその与えられた"何か"とは、簡単なのは血だと思います。 

つまり何が言いたいかといいますと、最終的な儀式を行うために、まずは始祖の血を引く人間を村から探し出す作業、がまずミランダが目標にしていたことだろう、ということです。この始祖の子孫探しの中で、ドミトレスク・ドナ・モロー・ハイゼンベルグを見つけたのでしょう。

ここで問題になるのは、村人をそんな無茶苦茶に実験台に使っていいのか?というところ。ミランダのメモでは村人の意識を操作し、人体実験を行うのに都合がいいようにした、と書いていますが、まずカドゥを植え付けるところがハードルですよね。ミランダは医者です。診察に来た人間に治療薬と偽ってカドゥを植え付けるのは容易でしょう。ただこれで患者がどんどん発狂していては、村人はミランダを疑うでしょう。ここでミランダが医者として実験を行い続けるためにしたこと、それこそが"ミランダ教の発足"と思われます。つまり、"ミランダ様が村を守ってくれる!!"という思想を村人に植え付ける必要があったのです。ただミランダ自身が"私が神です!”といってもきっと聞いてくれませんよね。そこでミランダが考えたのが、”老婆に変身する”ことです。老婆を教祖としてミランダ教の信者を増やし、実験をスムーズにしていったと考えられます。
"ちなみにエンディングのスタッフロールで、鳥のマスクをしたマントの人間が病気の少女に注射をし、同様に両親にも治療をしたところ、両親のみ発症した様子が描かれています。この場面の直前でカドゥの絵がありますから、マントの人間は間違いなくミランダです。この少女は菌に適合したのでしょうが、彼女は今どうしているのでしょうね……?

 

さて実験は進み、適合率の高かった人間を四貴族として設定し、手分けして実験を進めていたと考えられます。ちなみにですが、ドミトレスクは村の外の人間との記述がありますが、こうもりの集落は、おそらく少し離れたところに集落があるのだと思われます。またモローが極端に四貴族の中で適合率が低そうに見えたのは、前回述べた通り、漁村の人間がほとんどいなくなり、他の始祖の子孫との交わりが多かったため、純血の存在がいなかったのだと思われます。ハイゼンベルグは、まぁ工業地帯から見つかったのでしょうね。

さて、ここで一つ気になることがありますね。考察記事ではしばしば注目される、ドナが本当の四貴族なのか?という問題ですが、

次回に続きます。→村とミランダと四貴族について【2】


バイオハザード 7~8(ヴィレッジ)についての話 -6-

2023-12-12 01:37:34 | バイオハザード7/8について

※以下の内容は私自身の中でストーリーをまとめることが主目的です。

※妄想の部分も多くあり、正しいといえるものがすべてではありません。また、作品自体が解釈に幅が取れるような作りになっているため、

考え方を強制するものではありません。 もしこれを読んだ人が面白そうと思っていただいて、ゲームをプレイしていただけたら、ものすごくうれしいです。

※基本的にネタバレ全開なので、プレイしてから読んでいただくことをお勧めします。 

※各記事は予告なく追記・修正します。

 

★村とミランダと四貴族【2】

*前回・前々回に書き忘れていましたが、ドミトレスク夫人は"没落貴族の末裔"と実験記録から明言されていますね。こうもりの集落はワイン産業が傾いたからなのかどこかで没落し、村から外れてしまったため、始祖の血を引く人間は村の外から見つかった、という流れになると思います。

ーーーーーー

前々回からミランダの夫の存在について考えるために、ミランダの行動を追ってきました。四貴族を探す人体実験を実施したミランダですが、ここで前回最後に書いた通り、ドナちゃんとはどういう存在なのか?を考えていきたいと思います。

 

ドナについては考察記事ではよく話題に上がる話があり、それはドナが本当に始祖の血を引くもの=四貴族となりうる存在なのか?ということです。この疑惑がなぜ発生したかというと、それはドナを倒した後のみ、売却アイテムである大型結晶が手に入らないからです。ドナ撃破後は人形が手に入るだけで、ドナは結晶化しません。明らかにほかの四貴族とは違う死に方で、本編で変身もしなければ能力も見せません。(ちなみに開発時点では最初の集会で時間停止能力を見せる予定だったとか。エイダちゃんの登場予定シーンですね)

さて、ここから今までの記事で書いてきたピースを集めて大きく考察を進展させたいと思います。ドナの適合率が良好とは言え、四貴族に十分な能力といえないことは、おそらくミランダも気づいていたでしょう。それでも、まだ始祖に近い存在として四貴族の一人に仕立てたのはなぜなのでしょうか? ローズを確実にエヴァにするためには、少しでも始祖に近い血が必ずほしいはずなのです。でもそうしなかった。ということは、ドナより始祖に近いと思われる血を持つ人間を実験で使えなかったのではないか?と考えています。他の貴族からして、ドナは死神を始祖にする一族の末裔と考えられます。ただここで思い返したいのは、死神の集落は村南東部に位置していて、始祖の血をひくものはこの村出身である可能性が高いということです。 村南東部でそれに一番近い存在は誰か?あの集落で一番権力を持っていそうな人間……居ましたね、それはルイザです。集落で一番大きな屋敷を持っていて、立地も丘を登った一等地、さらにはミランダを崇める教会の鍵も管理していて、さらにさらに始祖の遺産が眠る宝箱の鍵まで身に着けています。明らかにほかの村人と格が違う存在です。過去の記事で書いた通り、ルイザ邸には例の機織り機の写真も壁にかかっています。 

ミランダはなぜルイザを被験体としなかったのか? これはいくつか理由が考えられるのですが、妄想の域を脱しないので、候補を書いたうえで、どれでもいいかな、と投げてしまいたいと思います。 1つ目の理由は、老婆と同様にミランダの敬虔な信者であったことです。教会の管理を任されていたこともあり、ルイザ自身がミランダを崇めていたため、老婆の身分であるミランダとしても、大切な信者であったと思われます。2つ目は、ルイザが老婆を悪い人じゃないよ、と言っていたことから、他の村人と違って情が沸いているというものです。まぁでもこれはかなり想像ですかね。根拠はありません。 3つ目は、先にドナを四貴族としてしまったから。時系列が定かではありませんが、1・2の理由からルイザでの実験を後回しにした結果、ドナを四貴族と決めてしまったことで、存命のうちに貴族の任を交代できなかった、とも考えられます。

 

ここはあまり大きな問題ではないので、次に行きます。

上記の考察で、世の考えの一つを消すことができます。それは、本当の四貴族はドナではなくデュークだという説。デュークの名前をようやくここで出すことができましたが、このような言われ方をする理由は、"デューク"という言葉がそもそも貴族を意味する言葉であるということ。また、その存在が何なのかがはっきりしておらず、いろんな憶測が飛び交っているため、貴族として当てはめるなら一番はめやすい立ち位置、それがドナの貴族ポジションです。ただしこれは(少なくとも私の考えでは)違うことが分かったので、他の貴族を考えることにしたいと思います。

この村には四貴族以外にも大きな存在がいますよね。それは魔女です。魔女の血をひくものが村にいてもおかしくないわけです。ここで思い返したいのが、ドミトレスクは城をミランダにもらったといっていて、モローが山をもらったといっていますが、さてさてこの城や山はいつミランダのものになったのでしょうか? まぁ実験体の意識捜査の中で奪ったといえばそれまでなのですが、もしこれが普通にミランダの所有物だったのだとしたら? ここでもう大きく出てしまいたいと思いますが、私がこれまで書いてきた記事の一つの結論として、世の考察に反して主張したいのはつまり、ミランダは魔女の血を引く一族であるデュークと結婚し、大きな財産と地位を手に入れていたのではないかということです。こう考えることでいくつか腑に落ちることあります。以下に羅列します。

・山羊の工芸品を作り、普及させたこと

・デュークは他の四貴族には敬称を付けるのに、ミランダは"ミランダ"と呼び捨てにすること

・デュークは他の四貴族に全く襲われていないということ。つまり、デュークを蔑ろにすることがミランダに対する反抗になる可能性を恐れている。

・ミランダ自身がイーサンを手助けするデュークの存在を排除しようとしないこと

・SORでミランダは、仮面の男を見覚えのある風貌、と表現していること

・デュークのトレードマークであるフクロウですが、作中のオブジェとして、フクロウが表紙に移っている本があります。

この本はドミトレスク城とベネヴィエント邸のみで他には存在しない。(ベネヴィエント邸で本が存在しているのは、最初に人形が隠れている私室のみ。ここがデュークの部屋だったのではないかと予想できる。)

 

今書いただけでもかなりのヒントが散らばっていると思います。(本のところはかなり隠してあるのだと思いますが) デュークはイーサンにしか見えない菌根の記憶から出てきた存在とする説もありますが、ドミトレスクが取引をしていますし、それはありえません。また、一番大事なのはデュークがイーサンの手助けをしてミランダを倒そうとしてくれているという点にあります。デュークは自分自身でミランダに立ち向かうことはしないし、ミランダもデュークを攻撃することはない。だけどお互いに敵対する勢力なのは間違いないという状況。この状況が成り立ち、かつテーマとして掲げる家族愛へつながるために、私は以下の妄想をしました。

ーデュークはミランダが菌根の存在を知ったときは存命していた。ミランダは村を愛していたがために、エヴァのためとはいえ村人を実験体とすることに苦悩し、エヴァ復活との間に葛藤を抱えていた。ミランダを愛していたデュークは、ミランダが苦しむ姿をこれ以上見たくない、と実験をやめるように言ったが、ミランダはエヴァを選んだ。その結果ミランダはデュークを口封じする方法を計画。カドゥに感染させた状態であれば意識捜査が可能なため、ミランダはデュークへカドゥを移植したが、デュークは魔女の血を引く存在のため適合率が非常に高く、変異しなかった。デューク自身は菌根に触れていないため魔女の血の存在を知らないが、普通に商売ができるような活動ができているため、自身が何者なのかを理解していない。デュークは誰かがミランダを止めてくれる日が来ることを心待ちにしながら武器を扱った商売を続けている……。ー

 

さて、ここに現れたイーサンとローズ。デュークにとっては今までにないチャンスだったでしょう。そして、ローズという存在が表れた今、デュークは何が何でもミランダをここで止めないといけません。こういった事情から、デュークがイーサンに協力していたと考えれば、非常に自然だと思います。

そしてここで重要なテーマへ帰結します。上記のことからイーサン・ミア・ローズはデューク・ミランダ・エヴァとの対比になっており、前者は家族の命を救うということのために戦っている家族なのに対し、後者は家族の精神的な救いのために静かな戦いを広げている家族という構図になっていると考えています。これがローズが学ぶべき色んな形の家族愛そのものであり、物理的な生命活動の継続だけではなく、ある種の救済や浄化が家族愛と成り得ることが1つの大きなテーマとして描かれていると、私は思っています。

 

今回は長くなりましたが、ここまで記事を読んでいると(そんな方がいらっしゃれば)、"この話を展開するなら、バイオ7て要らなくない?"と思いませんか? 主人公も心機一転の新キャラなのですから、夫婦がいて、生まれた子供が奪われて、村に言って戦う、というストーリでいいじゃないですか。 それでもバイオ7はナンバリングの1作品として成立させる必要がある、とこれまたスタッフが考えたのだと、私は感じています。

イーサンが不死身の設定を納得させるためにエヴリンの菌に感染しているからとか、それだけのためなら、本当に要りますか? 

ということでここからは今後のバイオハザードのストーリーを考えるうえで、バイオ7とはどういう話だったのか?を理解していきたいと思います。

重要なのは、上記2家族のみの対比ではなかったということの確認で、それは実はここにベイカー一家を加えた3家族のストーリーが展開していて、その中でエヴリンと、ついに、ミアという存在について考えたいと思っています。

次回に続きます。→バイオハザード7のストーリーとはいったい何なのか?

 

 


バイオハザード 7~8(ヴィレッジ)についての話 -4-

2023-12-07 21:34:51 | バイオハザード7/8について

※以下の内容は私自身の中でストーリーをまとめることが主目的です。

※妄想の部分も多くあり、正しいといえるものがすべてではありません。また、作品自体が解釈に幅が取れるような作りになっているため、

考え方を強制するものではありません。 もしこれを読んだ人が面白そうと思っていただいて、ゲームをプレイしていただけたら、ものすごくうれしいです。

※基本的にネタバレ全開なので、プレイしてから読んでいただくことをお勧めします。

 

★バイオハザード8の"村"と4つの集落について、整理する。【後編】

前編では村の成り立ちについて、15世紀頃から4つの集落と長で成り立つもので、

その子孫がこの村に存在しているようだ、そして感染した時の姿と相関がありそうだ、というところまで書きました。

この時点では "じゃぁドミトレスクはどこからきたの?" "魚の敵キャラいなくね?" "ドナちゃんは死神の村の人間なの?" と言いたいと思うのですが、ひとまず、続きを書きます。

 

◎怪魚の集落:絵本の中では自らのヒレを分け与えていました。喉が渇いた少女に血を与えて喉の渇きを潤した、そしてそれがワインだということは、食料を渡したことになると思うので、つまりこれは漁業を生業としていたと考えてよいでしょう。これに関するファイルはあまりないのですが、モローのもとに向かうまでのところで、"ハンス親方が死んじまったから、しばらく漁はやめだ"という記事があります。少し前まで漁業を行っている人がいたのは事実なのでしょう。

ところで、この怪魚の集落、普通にプレイしているとどこで通過したか気づかないこともあるかと思います。

村は、モローと戦ったフィールドそのものです。 よく見るとちゃんと家が碁盤の目に並んでいます。近くにダムがあるため、

怪魚の村はダムを建設し人造湖を作った際に、水中に消えてしまった、と考えることができます。

そのためこの集落の子孫は非常に少ないか、もしくは別の集落へ移動した人間が多いことになります。

怪魚の敵がいないのは、その子孫の数が少ないこともあり、また怪魚になってもイーサンが泳ぎながら戦えないので、

ゲーム中での登場は難しかったのだと思います。

*ちなみにハンス親方が死んじまった、のメモの続きはこうです。 "親方は怪物に船ごとくわれちまったのさ"

この怪物は、まぁモローと読むこともできますが、この怪魚の子孫がカドゥに感染した結果、怪魚になったとも読めますね。

ここは若干妄想なので、どちらでもよいかと思います。

 

◎馬の集落:絵本の中では少女が勝手に歯車を取ったことになっていますね。ハイゼンベルグの拠点が大きな工場だったことからしても、

この集落は工業を生業としていたと考えてよいでしょう。敵にライカンがいますが、これは獣をベースとしているので、

馬の子孫と考えられます。じゃあゾルダートは?となりますが、ゾルダートはライカンやモロアイカに機械をつけて制御しているだけと思われます。ハイゼンベルグがライカンの群れを連れていることを考えても、この繋がりがあることであっているかと思います。

ーーーーーーーーーーーーー

さて、集落の話はここで終わり。村は15世紀頃からそれぞれの産業で発展し、城が出来たり工場ができたり、ダムができたりして

人々の生活も豊かになったことでしょう。それぞれの集落の人間も互いに行き来し、4つ別々の集落の人間同士が結婚することもありながら、

村の生活は続いていました。

そして19世紀ー

菌根や魔女の存在、そして絵本にある始祖(ゲーム中にそう書かれていますね)の存在も伝説と化し、平和な生活を送っていました。

このころミランダは一人の医者として働いていました。 じきにエヴァが生まれ、スペイン風邪が流行したことでエヴァがなくなってしまいます。

……と書いたのですが、ここでどうしても考えなくてはいけない存在がいます。ミランダはエヴァのことを愛していました。

それこそ自分が化け物になって、村人を犠牲にしても、何を捨てても助けたかった。ミランダ一家は幸せいっぱいだったことでしょう。

それはつまり、ミランダには最愛の夫がいないと、おかしいですよね。でも、作中では全くと言っていいほど語られていません。

これはどう考えても違和感なのです。バイオハザード7/8は家族愛をテーマとしていて、また8ではイーサン一家とミランダ一家は

一つの対比として描かれています。それはどちらも愛する娘のために命を懸けて戦っていて、それぞれが己の愛のために行動しているということ。母=ミランダ=ミア、子=エヴァ=ローズとしたら、父=?=イーサンの構図で、この"?"は誰なのでしょうか?

これを考えるために、四貴族と村についてもう少し深堀しながら、ミランダの夫の存在について、考察していきます。

 

次回に続きます。 →村とミランダと四貴族について【1】

 

 

 

 


バイオハザード 7~8(ヴィレッジ)についての話 -3-

2023-11-30 22:08:36 | バイオハザード7/8について

※以下の内容は私自身の中でストーリーをまとめることが主目的です。

※妄想の部分も多くあり、正しいといえるものがすべてではありません。また、作品自体が解釈に幅が取れるような作りになっているため、

考え方を強制するものではありません。 もしこれを読んだ人が面白そうと思っていただいて、ゲームをプレイしていただけたら、ものすごくうれしいです。

※基本的にネタバレ全開なので、プレイしてから読んでいただくことをお勧めします。

 

★バイオハザード8の"村"と4つの集落について、整理する。【前編】

前回記事にて書いた、私が今回のまとめで考えたいことである、各所に散らばった"家族愛"。

これを考えるのには"村"の存在についてもう一度整理することが重要と考えています。

通常にプレイしていると、イメージとしては、村のイメージって以下のような感じではないでしょうか?

・ミランダが村人を感染させ崩壊させた、悲劇の村

・四貴族による苛政が行われていた哀れな村

"そうじゃないよ"と思った人は一定数いると思いますが、書いた通りの印象を持っている方は、

この考えを一度改めましょう! この村はミランダにおびえて暮らしてきた村ではありません。

いわれてみたらそうだと思うかもしれませんが、この印象を持っているか否かでプレイ中に感じることがたくさん変わります。

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では、ミランダと村の関係を整理するために、村の昔から今に至るまでを歴史に沿って確認していきましょう。

 

遠い昔ー この村は一人の魔女をトップとした四貴族=こうもり、死神、怪魚、馬の5人が統治していました……

とこれは絵本の内容をそのまま書いただけですが、要するに、4つの集落からなる村があり、村長が存在していた、ということでしょう。

ただし、これらのこうもり、馬などの例えはただの例えではなく、原種の菌根に適合したうえで、

このような姿へ形を変えられたのだと考えます。(これは後述しますので、そうなのかも、くらいで思っていてください。)

さて、この4つの集落がどういう成り立ちなのか、作中に少しずつヒントがありますので、紐解いていきましょう。

絵本とは順番が異なるのですが、死神の集落から見ていきます。

◎死神の集落:絵本の中ではドレスを少女に与えていました。単純に考えるとこの村は紡績を生業としていたと想像することができるかと思いますが、

これについて、実は作中にかなりヒントがばらまいてあります。まず、イーサンが村にきて一番最初に手にする写真。この時しか拡大してみることができないのですが、これ、機織り機の前に人がいる写真です。見つけるのは村の南東部なのですが、この写真、注意深く見ているとルイザの館をはじめ、南東部の家屋の壁に飾っていることがわかります。また、実際に機織り機も同じエリアに存在します。なんでもない写真なのですが、これらのことから、死神の納めていた集落は村南東部に存在し、紡績によって生活が成り立っていたみたいだぞ、とわかります。

さらにさらに、体験版で主人公となっていたイングリド。同様に南東エリアの家屋内で"イングリドが返ってこない"というメモ書きを見つけることができます。 そして、ドミトレスク城の地下で1匹のモロアイカを倒すと、アイテムをドロップします。それがイングリドの首飾り。 あれ?と思いますよね。死神の村出身の人間がカドゥに感染すると、骸骨になる……関係ないとは考えられませんよね。

ヴィレッジの汎用的キャラには種類がありますが、その多くがモロアイカ(骸骨)、サンカ(こうもり)、ライカン(獣)、ゾルダート(人造人間?)という4種類で成り立っています。何が言いたいかというと、つまりこれらの敵の種類を考えれば、どの集落出身の人間だったかがわかるということです。

このことを頭において、他も見ていきましょう。

◎こうもりの集落:絵本の中では血を少女に分け与えていましたね。絵本で出てくる順番と、本編でのボスキャラ=四貴族がマッチしていると考えれば、これはドミトレスクが該当します。 ドミトレスク城の地下はワイナリーになっていて、さらにテキストで"15世紀頃から行っている"といわれています。そのため、こうもりの納める村は、酒造を生業としていたと考えられます。そして、またまた敵の中にこうもりに該当する者がいて、それはサンカになります。感染後サンカになったものは、こうもりの始祖の子孫でしょう。

 

長くなるので、次回に続きます →バイオハザード8の"村"について、整理する。【後編】