洋装における女性の礼装や正装はスカートと決まっていた。
近年、パンツスーツも礼装や正装として認めるようになってきたが、それは
「スカートを履くのが難しい人への配慮」
「スカートでは活動出来ない職種やスポーツの分野でも儀式や行事がある」
という事で、あくまで二次的な扱い。
従来の格式であれば、スカートの愛子様の方がパンツスーツの雅子様より格上の服装という事になる。
パンツスーツを正装として認める場合、愛子様の服装は雅子様の服装より上なのか下なのか。
愛子様の服装はカジュアルな正装に見せているが、実は格の高い要件を満たした略礼装である。
一見すると上下別色でカジュアルに見えるのだが、実際は上下同色のジャンパースカートをお召しなのだ。
女性のパンツスーツを礼装とする場合は、
黒や濃紺の上下同色
長袖長ズボン
襟付き
ボタン付き
袖に装飾
と、
男性の略礼装にあたるダークスーツと同様の色や作りが要件となる。
つまり、上記が服の格を高くするポイントである。
雅子様のパンツスーツは薄色。
アクセサリーもややカジュアルな物であった。
２４日は芸術鑑賞。公務だが儀式や行事とは違う為、礼装まではいかない軽めの正装で良い。
そこで、雅子様は薄い色のパンツスーツを選ばれたのだろう。
愛子様は上下セットのアンサンブルスーツ。
目に見える上下は
別色
ジャケットは
襟無し
ボタン無し
上下同色
襟有り
ボタン有り
という男性の服装の格が高くなる要件は満たしていない。
しかし、
ジャケットの襟から裾までの縁どり
袖の縁どり
縁どり付きボタン付きのポケット4つ
という装飾を施している。
女性の服装では、こうした装飾によって格を上げる手法が使われてきた。
バッグとパンプスは濃紺で淡色より格が高い。
そして、
濃紺のスカートは、よく見えないがジャンパースカートであった。
ジャンパースカートとは、中にブラウスや薄手のシャツを着るワンピース型のスカート。
よく学校や会社の制服に使われるが、それは上下同色という礼装の要件を満たす事になるからだ。
