EQペディア/エラリイ・クイーン事典

エラリイ・クイーンの作品(長編・短編)に登場する人物その他の項目を検索する目的で作られたブログです。

アフリカ旅商人の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
アフリカ旅商人の冒険/The Adventure of the African Traveler (1934)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OFELLERY QUEEN" (1934)


☆事件

エラリイはニューヨークの大学で「応用犯罪学講座」を受け持つことになった。おしかけ一人を含む三人の学生を実際の犯罪現場美立ち会わせ、推理を競わせる。アフリカ帰りの旅商人がホテルで殺害された事件。

【エラリイは講義する】

「諸君の結論がみんな間違っていたというのは簡単な理由からで、それはたった一つの手がかりに執着して、一連の推理にのみ頼りすぎ、問題の他の要素を完全に閑却したからです。(後略)」(井上勇訳)


☆登場人物リスト

ミス・アイクソープ・・・学生
ジョン・バロウズ・・・学生
ウォルター・クレイン・・・学生
オリバー・スパーゴ・・・旅商人
ジェイン・テリル・・・スパーゴを探しているブロンド女
ウィリアムズ・・・ホテルの支配人
アガサ・ロビンズ・・・ホテルのメイド
トマス・ヴェリー・・・部長刑事
リチャード・クイーン・・・警視
エラリイ・クイーン・・・先生

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首つりアクロバットの冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
首つりアクロバットの冒険/The Adventure of the Hanging Acrobat (1934)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆事件

《アトラス一座》の座長ヒューゴー・ブリンカーホッフの妻で、女軽業師のマイラが殺された。楽屋で、タオルで後ろ手に縛られ、きたない古いロープで首をくくられて、スプリンクラーのパイプからぶらさがっていた。

現場には、ピストル、ナイフ、ハンマーなど、容易に凶器になるものがあるのに、犯人はなぜロープを使って被害者を宙づりにしたのか?


☆登場人物リスト

ヒューゴー・ブリンカーホッフ・・・曲芸師
マイラ・ブリンカーホッフ・・・曲芸師、ヒューゴーの妻
ゴルジイ・・・奇術師
テックス・クロスビイ・・・ウェスタン歌手
サム・・・道化師
ブレグマン・・・興行師
ジョー・ケリー・・・劇場支配人
ベルク老人・・・門番兼時計係
バルディ・・・刑事
プラウティー・・・検屍医
トマス・ヴェリー・・・部長刑事
リチャード・クイーン・・・警視
エラリイ・クイーン・・・探偵


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一ぺニイ黒切手の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
一ぺニイ黒切手の冒険/The Adventure of the One_Penny Black (1933)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆事件

古切手商が三人の切手蒐集家を招いて、貴重な古切手の展示会をしていたところ、客のうちの最後に残った一人に、いきなり短い鉄の棒で殴られ、秘蔵の《ヴィクトリア女王の一ペニイの黒切手》を強奪されてしまう。犯人と思われる人物は逃走中に近くの書店に入るのを目撃されていた。


☆登場人物リスト

ウネケル老人・・・書店主
ハズリット・・・書店の得意客
マッカラム・・・巡査
フリードリッヒ・ウルム・・・古切手商
アルベルト・ウルム・・・フリードリッヒの兄、共同経営者
ジョン・ヒンチマン・・・切手収集家
J・S・ピータース・・・切手収集家
アベリイ・ペニスン・・・切手収集家
ウィリアム・プランク・・・切手商の助手、姿を消した男
ヘフリイ・・・保険屋
ホーネル・・・本を買った人
ジャネット・ミーキンズ・・・本を買った人
チェスター・シンガーマン・・・本を買った人
トマス・ヴェリー・・・部長刑事
リチャード・クイーン・・・警視
エラリイ・クイーン・・・警視の息子

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ひげのある女の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
ひげのある女の冒険/The Adventure of the Bearded Lady (1934)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆事件

百万長者だった先代ジョン・A・ショウの後妻マリアは、家族の何者かに毒殺されそうになったことから、遺言書を書き換え、継子のジョンとアガサに相続させるはずだった遺産の三分の一に相当する金額の信託預金利子分を、主治医のテレンス・アーレン医師に相続させることにした。三分の二はジョン・A・ショウの姪、エディス(ロイス夫人)が相続する。
ジョンとアガサは、アーレンが死亡したときにはじめて信託分の財産を相続できる。

マリアの死後ほんの一月ほどして、アーレンは心臓に短剣を突き刺されて死亡した。アーレンは相当な腕前のしろうと画家であり、死の直前も画架に向かってレンブラントの絵を模写していた。そしてアーレンは、彼が描き残した絵の中の女性の顔に、なぜかひげを描き加えていた。


☆登場人物リスト

フィニアス・メーソン・・・弁護士
ジョン・A・ショウ・・・故人、百万長者
マリア・ペーン・ショウ・・・故人、ジョン・Aの後妻。
ジョン・ショウ・・・ジョン・Aの先妻の息子
アガサ・・・ジョン・Aの先妻の娘、ジョンの妹、出戻り
ピーター・・・アガサの息子
テレンス・アーレン・・・ショウ家に住み込んでいる医師、素人画家
エディス(ロイス夫人)・・・ジョン・Aの姪、相続人
パーシー・・・ジョン・Aの甥、エディスの弟、交通事故で死亡
マーチ・・・郡警察の警部
ミス・クラッチ・・・器量のよい看護婦
ヴェリー・・・部長刑事
エラリイ・クイーン・・・探偵

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三人のびっこの男の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
三人のびっこの男の冒険/The Adventure of the Three Lame Men (1934)

『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆事件

銀行家が誘拐され、その愛人リリー・デヴァインが殺害された。
現場に残された三つの足跡は、なぜ揃いも揃ってびっこなのか?



☆登場人物リスト

リリー・デヴァイン・・・殺人の被害者、銀行家の愛人
ジョゼフ・E・シャーマン・・・誘拐された銀行家
ロザンヌ・シャーマン・・・ジョゼフの娘
エニード・シャーマン・・・ジョゼフの妻
キタリング・・・独身の紳士、ジョゼフの友人
マック・マッキー・・・ギャング
ヴェリー・・・部長刑事
リチャード・クイーン・・・警視
エラリイ・クイーン・・・警視の息子

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見えない恋人の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
見えない恋人の冒険/The Adventure of the Invisible Lover (1934)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆事件

小さな町コーシカに住む三十歳の好青年ロジャー・ボウエンは、美女アイリスを巡って恋敵となったプレイボーイを殺害した罪に問われて拘置されていた。もちろんロジャーは殺人を否定している。しかし、被害者マックガヴァンと同じ下宿内の自室で眠っていたロジャーに犯行時のアリバイはなく、しかも被害者の体内から摘出された弾丸は弾道検査の結果ロジャーのピストルから発射されたものだと証明されていた。何者かがロジャーの目を盗んでピストルを借用した可能性については、ロジャー自身が否定する始末だった。エラリイはロジャーの無実を証明することができるか?


☆登場人物リスト

ロジャー・ボウエン・・・下宿の住人、第一級殺人の容疑者
マイケル・スコット・・・下宿屋の主人
アイリス・スコット・・・マイケルの娘、エラリーを魅了した美人
マックガヴァン・・・ニューヨークから来た男、被害者
ガンディー夫人・・・下宿の住人
アンソニー神父・・・ロジャーに洗礼を授けた神父
サムエル・ドッド・・・郡検死官
プリングル・・・コーシカという田舎町の警察署長
ジョン・グレアム・・・郡で一番偉い弁護士
エラリイ・クイーン・・・探偵

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チークのたばこ入れの冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
チークのたばこ入れの冒険/The Adventure of the Teakwood Case (1933)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆事件

頻繁に宝石盗難事件が起こっているアパートで、殺人事件が発生した。被害者はグァテマラから帰国したエンジニア。兄の部屋で死んでいた。被害者は開けたばかりのシガレットの包みを持っていたが、包みの中には四本しか入ってなくて、残りの十六本を吸った形跡もなかった。エラリイは被害者が残りのシガレットを移したシガレット・ケースが紛失しているのではないかと推理した。被害者の兄が部屋に戻ってきたところで、エラリイが確認すると、はたして、兄弟は揃いのチークのシガレット・ケースを持っていたという。兄は自分のシガレット・ケースを見せて説明した。


☆登場人物リスト

シーマン・カーター・・・ビルの管理人
フリス・・・管理人の助手
ユースタス医師・・・アパート付きの医者
マロリー夫人・・・アパートの住人、宝石盗難事件の被害者
ベンジャミン・シューリー・・・アパートの住人、宝石商
ビリー・ハームズ・・・アパートの住人、喜劇女優
フォレスター夫妻・・・アパートの住人
オーキンズ夫妻・・・アパートの住人
ジョン・ルボック・・・アパートの住人、道楽者
ハリー・ルボック・・・ジョンの弟、グアテマラから帰国した技師
ジューナ・・・クイーン家のなんでも屋
ヘイグストローム・・・刑事
プラウティー・・・医務検査官補
ヴェリー・・・部長刑事
リチャード・クイーン・・・警視
エラリイ・クイーン・・・警視の息子

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双頭の犬の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
双頭の犬の冒険/The Adventure of “The Two-Headed Dog” (1934)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)



☆登場人物リスト

ホーセイ船長・・・宿屋「双頭の犬」経営者
ジェニー・ホーセイ・・・ホーセイ船長の娘
バーカー・・・金物の出張販売人
ハイマン・・・雑貨商
ライ船長(ブル)・・・義足の男
アイザック・・・「双頭の犬」の雑用係
ジョン・モース(ジョン・ジレット)・・・犬を連れた赤ひげの旅人
ベンソン・・・警官
エラリイ・クイーン…探偵作家


☆事件

大西洋の波しぶきを含んだ十月の冷たい風を受けながら愛車デューセンバーグで旅をしていたエラリイは、ふと目についた看板に惹かれて《双頭の犬》という名前の宿に泊まった。宿の主人ホーセイ船長は、有名な探偵を歓迎し、仲間内の夕食会に招いたが、そこで三カ月前に起きた奇妙な事件の話を始めた。七月のひどい雨の夜、気味の悪い小男が宿泊したが、その男はガレージに入れた車の中に大きな犬を隠していたというのだ。翌朝船長は、男を追ってきた探偵たちから、不気味な客の正体が宝石泥棒であったことを知らされるが、犯罪者はすでに泊っていたキャビンから姿を消していた。探偵たちは、男が逃げたと思われる方面の林の中で無残に撲殺された犬の死体を発見したが、宝石泥棒の男を捕まえることはできなかった。
そのことがあってから、男が泊ったキャビンに幽霊でもうろついているかのような不思議なできごとが起きるようになり、客からの苦情も相次ぐようになったという。


☆コメント

『エラリイ・クイーンの冒険』の中でも屈指の名作といってよい作品でしょう。文章の出だしからして怪奇小説めいた雰囲気が立ち込めていて、思わず引き込まれてしまうような感じです。

エラリイがすっかり有名人扱いに慣れ切っているところが笑える。


(eirakuin_rika)
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ガラスの丸天井付き時計の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
ガラスの丸天井付き時計の冒険/The Adventure of the Glas-Domed Clock (1933)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆登場人物リスト

マーチン・オール・・・骨董屋
オール夫人・・・マーチンの妻
ポール・・・亡命ロシア人、元公爵
サム・ミンゴー・・・オールの助手
アーノルド・パイク・・・証券ブローカー、オールのポーカー仲間
スタンレー・オックスマン・・・宝石商、オールのポーカー仲間
レオ・ガーネイ・・・新聞の読物記事の記者、オールのポーカー仲間
J・D・ヴィンセント・・・ウォール街の相場師、オールのポーカー仲間
エラリイ・クイーン…犯罪研究家
リチャード・クイーン…エラリイの父。警視
ヴェリー…部長刑事
プラウティー…医務検査官補


☆事件

骨董商マーチン・オールが文鎮で殴り殺された。この事件で驚くべきことは、死体の左手にしっかりと握られた紫水晶と右手の下に置かれたガラスの丸天井付きの古時計の存在だった。宝石も時計も、わざわざ手の届きにくいところにあるものが選ばれていた。瀕死のオールは最後の力を振り絞って何を訴えようとしていたのか?
事件の少し前までオールと共にゲームをしていたポーカー仲間の5人が容疑者として浮かび上がってきたが、紫水晶と丸天井付き時計は誰が犯人であることを指示しているのか?


☆コメント

『エラリー・クイーン1の冒険』に収録されている、ダイイング・メッセージものの短編です。『エラリー・クイーンの冒険』全11篇中で、ダイイング・メッセージが扱われているのは、この作品と「ひげのある女の冒険」の二つだけなんですね。もっと多いような気がしていたけど。初期の頃は自重してたんでしょうか。

しかし二つのものを組み合わせて一人の犯人に絞り込むというのは、メッセージとして手が込んでいます。これってクイーンが大好きな消去法の絞り込みそのものですよね。物語では最後にさらなる捻りが加えられているんだけど、最初のダイイング・メッセージだけで正直もうお手上げ状態です。

株式相場速報チッカーってなんだよw
そんなもの思い浮かべる読者がいるとは思えないんだけど。

(eirakuin_rika)

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七匹の黒猫の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
七匹の黒猫の冒険/The Adventure of the Seven Black Cats (1934)


『エラリー・クイーンの冒険』井上勇訳(創元推理文庫)
"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)


☆登場事物リスト

マリア・カーレイ・・・ペットショップの店員
ユーフェミア・タークル・・・身体の不自由な老婆
サラ・アン・・・ユーフェミアと同居している妹
ハリー・ポッター・・・アパートの管理人
ポッターの妻
エリアス・モートン・・・ユーフェミアの甥
エラリイ・クイーン…探偵作家


☆事件

ジューナにねだられていたアイリッシュ・テリヤを買うためにペット・ショップを訪れたエラリイは、お目当ての種類の犬を手に入れることはできなかったが、そのかわり店主のミス・カーレイから奇妙な話を聞かされる。それは二人の老婆と七匹の黒猫にまつわる話だった。

中風病みで体が不自由なユーフェミア・タークルは、同居している妹のサラ・アンに身の回りの世話をしてもらっていた。貧しいサラ・アンは裕福なユーフェミアに経済的に世話になるという関係でもあった。二人の姉妹の仲はあまり良くないようだった。

ある日、サラ・アンがミス・カーレイの店で一匹の雄の黒猫を買っていったのだが、数日後に姉が猫を嫌がるから返したいと言って来た。ミス・カーレイは気の毒に思い、代金を返却して猫を引き取るつもりだったが、その後サラ・アンは二度と店に現れなかった。

ところが、猫嫌いのはずの姉がこのところ何週間にもわたって、毎週一匹ずつ黒猫を買い続けているというのだ。体の動きがとれないユーフェミアはベッドサイドの電話でミス・カーレイに注文し、ミス・カーレイが直接猫を届けに行くことになっていた。ユーフェミアが注文するのはどれも似たような黒猫で、取引はいつもサラ・アンが不在の時に行われていた。つい先日もユーフェミアからの電話注文による六匹目を届けたところだという。

話を聞いて興味を持ったエラリイは、適当な口実を作って、老姉妹の住んでいるアパートをミス・カーレイとともに訪ねてみたのだが…


☆コメント

どう考えても奇妙な状況ですね。エラリイでなくてもいったい何が起こっているのか知りたくなります。ミス・カーレイも商売とはいえ、気になってしかたがなかったことでしょう。七匹の黒猫の運命やいかに?


(eirakuin_rika)
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キ印ぞろいのお茶の会の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
キ印ぞろいのお茶の会の冒険/The Adventure of the Mad Tea-Party (1934)


"THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1934)
『江戸川乱歩編世界短編傑作集4』(創元推理文庫)に収録。井上勇訳


☆その他の邦訳

*いかれ帽子屋のお茶会(集英社文庫『世界の名探偵コレクション7/10』鎌田三平訳)
*マッド・ティー・パーティー(嶋中文庫『神の灯』大久保康雄訳)


☆事件

エラリイが招待された邸に着くと、そこでは『不思議の国のアリス』の一場面のリハーサルが行われていた。明日が邸の主人の一人息子の誕生日で、そのパーティーで芝居を上演することになっているのだ。アリス役を演じているのは本職の女優、その他は邸の主人夫婦と友人が演じている。ところがその夜、邸の主人が「気違い帽子屋」の衣装のまま失踪してしまう。


☆登場人物リスト

リチャード・オーエン・・・「気違い帽子屋」の扮装で失踪した男
ローラ・・・オーエンの妻
マンスフィールド夫人・・・ローラの母
ジョナサン・・・お坊ちゃま
エミイ・ウィローズ・・・「アリス」を演じる女優
ポール・ガードナー・・・建築家
カロリン・・・ポールの妻
ミラン・・・オーエン家の運転手
モード・・・召使い
ノートン・・・警察署長
デ・ヴェア・・・性格俳優
ヴェリー・・・部長刑事
エラリイ・クイーン・・・探偵


☆コメント

短編集“THE ADVENTURES OF ELLERY QUEEN”(1934)に収録されている作品。

ダネイとリーがそれぞれ「エラリイ・クイーン」と「バーナビー・ロス」を演じながら講演の旅を続けていたころ、ひまつぶしに入った劇場で偶然観た『不思議の国のアリス』の芝居がきっかけで生れたという作品。そのせいか、なにからなにまで芝居がかっていて、「いよいよ、ますます奇妙きてれつだわ」という作品になっています。「フェアプレイ」についての皮肉な見解まで飛び出すほどの、クイーン得意技炸裂の名品。

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神の灯

2007年06月16日 | 短編ミステリ
神の灯/The Lamp of God (1935)


『エラリー・クイーンの新冒険』(創元推理文庫)に収録。
"THE NEW ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1940)


☆事件

一月の薄ら寒い日の朝、エラリイの許へ、古くからの友人である弁護士のソーンから電話がかかってきた。ピストルを用意して旅行の支度をして港まで来てくれということだった。なにか危険で重大なことが起ころうとしていることを感じたエラリイが、波止場に着いてみると、そこには、ソーン弁護士と大柄で太ったライナッハという医師がいた。二人はイングランドからやってくるアリス・メイヒューという若い女性を出迎えにきていたのだった。

ロングアイランドの片田舎のさらに人里から離れた荒野に、シルヴェスター・メイヒューという偏屈な老人が住んでいた。その土地では、自動車道路をはさんで「黒い家」と「白い家」が建っていて、シルヴェスターは、実の妹のサラや腹違いの弟のライナッハ医師やその妻たちの住む「白い家」ではなく、古くて黴臭い「黒い家」のほうに一人で住んでいた。家族を信用していなかったシルヴェスターは二十年前に離婚した妻との間にできたアリスという娘がイングランドに暮らしていることを知り、彼女に全財産を譲ろうと考え法律的に決定した。その後、シルヴェスターは病死し、財産は金貨の形で「黒い家」に隠されているはずだった。アリスの権利を守るために動いているソーン弁護士は、不穏な気配を感じたためエラリイに助けを求めたのだった。

イングランドからやってきた相続人のアリスは、エラリイ、ソーンとともにライナッハ医師の住む「白い家」に泊まることになった。その翌朝、一同の前から「黒い家」は忽然と姿を消していた。


☆登場人物リスト

シルヴェスター・メイヒュー・・・故人。被相続人
アリス・メイヒュー・・・イングランドから来た相続人
ソーン・・・弁護士
ハーバート・ライナッハ・・・シルヴェスターの腹ちがいの弟。医師
ミリー・ライナッハ・・・ハーバートの妻
サラ・フェル・・・シルヴェスターの双子の妹
ニック・キース・・・下男
エラリイ・クイーン…犯罪研究家


☆コメント

家屋消失というトリックで有名な傑作中篇です。このトリックはさまざまなヴァリエーションが生まれるほどの見事なトリックなのですけど、それだけじゃない別のトリックも用意しているところに、この時期のクイーンのすごさが感じられます。

(Eirakuin_Rika)
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宝捜しの冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
宝捜しの冒険/The Adventure of the Treasure Hunt (1935)


『エラリー・クイーンの新冒険』(創元推理文庫)に収録。
"THE NEW ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1940)


☆事件

エラリイが客人として招かれた退役軍人バレット少将の邸は、三方を切り立った断崖に囲まれ、さらに一方はやはり垂直の断崖からハドソン川を見下ろすという天然の要塞とでもいうべき岩棚に建っていた。邸は少将の部下だった信頼できる元軍人たちによって守られている。そんな邸の中で、少将の娘が婚約者の中尉から贈られた貴重な真珠の首飾りが盗まれた。犯人は招待客の中にいるとしか考えられない。しかし客たちの誰も邸の敷地外へは出ておらず、外部の共犯者と連携することも不可能な状況にあった。少将の娘に頼まれて秘かに捜査を開始したエラリイは、首飾りはまだ邸内にあると確信し、盗難の事実を伏せたまま滞在客に「宝捜しゲーム」を提唱する。


☆登場人物リスト

パレット少将・・・退役軍人
レオニー・パレット・・・将軍の娘
リチャード・フィスク中尉・・・レオニーの婚約者
ハークネス・・・将軍の客人・・・猛獣狩の名人
ニクソン夫人・・・将軍の客人
ブロウン・・・将軍の元部下。川で魚釣りをする男
マグルーダー・・・将軍の元部下。門番小屋にいる老人
エラリイ・クイーン…犯罪研究家


☆コメント

エラリイが暇つぶしのゲームとして、探偵ごっこのようなものを提案実行するというシチュエーションの設定が自然で巧みです。遊び心が中心にある洒落た短編。謎解きよりも結末のオチのためのストリーとして、よくできていると思いました。

(Eirakuin_Rika)
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がらんどう竜の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
がらんどう竜の冒険/The Adventure of the Hollow Dragon (1936)


『エラリー・クイーンの新冒険』(創元推理文庫)
"THE NEW ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1940)


☆事件

エラリイのもとへやってきた依頼人は若くたくましい看護婦だった。彼女は日本人の年老いた骨董商の看護をしていたが、深夜に主人の書斎からヘビが這うような音を聞き、調べに行ったところ、何かが頭に当たって昏倒してしまった。そして気がつくと竜の浮き彫りをあしらったドア・ストップがなくなっていたという。
興味を持ったエラリイが骨董商の邸を訪れると、日本人骨董商は失踪していた。


☆登場人物リスト

カジワ・ジト・・・日本人の老紳士。骨董商
メリヴェル嬢・・・住み込みの看護婦
クーパー・・・カジワ氏の秘書
ビル・ガラント・・・カジワ氏の亡妻の連れ子
レティシア・ガラント・・・カジワ氏の亡妻の妹
エラリイ・クイーン…犯罪研究家

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暗黒の家の冒険

2007年06月16日 | 短編ミステリ
暗黒の家の冒険/The Adventure of the House of Darkness (1935)


『エラリー・クイーンの新冒険』(創元推理文庫)
"THE NEW ADVENTURES OF ELLERY QUEEN" (1940)


☆事件

ジューナを連れてジョイランド遊園地へやってきたエラリイは、舞台設計の鬼でエラリイの数多い知己の一人であるムシュー・デュヴァルの薦めで、ムシュー・デュヴァル自慢のアトラクション《暗黒の家》に入場することになった。《暗黒の家》の内部は悪魔的空想を駆使した超現実的な舞台セットになっていて、迷路や偽のドアや階段などが、まっくらやみの中で入場者を待ちかまえている。そんな建物の中で、転んだジューナの手についた液体を鉛筆型の懐中電灯で照らして見たエラリイはそれが血であること、どこかの部屋に通じるドアの下から床に血が流れ出ていることを発見した。部屋の中では一人の男が射殺されていた。被害者がエラリイたちよりも少し前にこのアトラクションに入っていったことはジューナとエラリイが目撃していた。そしてエラリイたちが入場して以降にこの建物から外へ出た者がないことが確認されたため、事件発覚時に《暗黒の家》の中に残っていた入場客たちが容疑者ということになる。エラリイとジューナを除くと六人の入場客がいた。



☆登場人物リスト

ムッシュー・デュヴァル・・・ジョイランド遊園地の設計者
アンセルム・ハーディー…ニューヨークの眼科医
マッジ・クラーク・・・アンセルム医師の友人
マシュウ・リース・・・盲人。アンセルム医師の元患者
ノラ・リース・・・マシュウの娘
ジュジュ・ジョーンズ・・・黒人のボクサー
ジェッシー・・・ジュジュのガールフレンド
ジェームス・オリヴァー・アダムス・・・画家
ジーグラー・・・郡警察の警部
ジューナ・・・クイーン家の給仕兼料理人
エラリイ・クイーン…犯罪研究家

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