迷ったところで・・・地球の上

迷ったところで・・・地球の上

永寿県 走行距離101.8km

2011年06月02日 | 挟西省

10日ぶりの自転車!走れるのかなぁ・・。悩んでも仕方ないのでボチボチっと走り出す。
意外に良いペースで走れる。上海から西安までが僕の第一ステージだったので、基礎体力が付いたのかもしれない・・と一人勝手に思っていた。
西安市を抜けるといつもの田園風景が始まるが、西安に来るまでに見ていた風景と少し違う感じ。遠くに山が見えているし・・・。何かが違う。なんだろ?
順調に走ってランチ。ところがランチを食べている間に膝に違和感を感じる。いつも通り食後は十分に休憩をして準備運動をするのだが、明らかに膝が痛い。鈍痛。あちゃぁー。
少しペースダウンで走ろうと思ったら、すぐに登り坂出現。そこから・・・・約50kmはずーと登り。究極は7km一直線の上り坂。

※「7キロ連続下り」の表示・・・。つまりここを登って来ました。
   西安を過ぎてから上りが増えた。
きつい坂ではないけれど休む場所もないので一気に走り抜ける。さすがにペースは落とせる(落ちてしまう)が、膝に猛烈な負担がかかっている。小さな村まで来て休憩。あと20km先進もう。永寿県というなんだか長寿になれそうな町があるから、今日はそこまで走ろう。10日ぶりにしては上出来の走りだしね。
で、走り出したら・・・・後悔した。結局永寿県までずーーーと登り。1時間の予定だったのに2時間かかる。
あぁ・・・・ひたすら上る。坂を上って見える景色が次の登り坂だとメゲます。
壁にペンキで書かれた「折」マーク。
これは政府によって撤去解体が決められた建物。ここの家の中はとても綺麗だった。
道路沿いにあるこうした家は数年後にはビルになってしまう。
昼休みにご飯を食べに帰る学生たち! 
猛ダッシュですが・・・家まで結構距離があります。
着いてみたら思ったよりも小さな町だ。さて、今日は100kmだから100元の旅館だな。通り沿いの旅館に入ってみるが130元。高い。次に向かう。あれ・また130元。ダメ次。・・・130元。。。。この町130元均一なのか?あっという間に町を通り過ぎてしまい再び上り坂が始まる。日は暮れる。
そこに最後の一つと思われる旅館を発見!入ってみると100元!ところがネットは無い。
どうしようかな・・・と悩んで振り返ると、気が付かなかったが一台明らかに旅チャリが置いてあるではないか!おぉぉ!同志がここに居たか!ならば、と思いここに決める。どんな人なのかをフロントに聞いてみるが、彼らは夜勤なので彼が来た時には居なかったようで知らないとの返事。仕方ない。中国人だという事だけ分かった。とにかくシャワー浴びてメシだ! メシは幸い旅館に併設されている食堂があったのでそこで食べる。と、そこへ・・・明らかに自転車乗りの格好をしたジィ様が登場!
・・・マジ?え?おじぃちゃん?それにしても恰好がサマになっている。髪の毛は真っ白。
しかし肌艶は綺麗だし。。。とジロジロ見ていたら「こんににちわ!」・・・。え!?えぇ!?日本語?「あなたは日本人ですか?」と聞いている。思わず中国語で答えてしまう自分。
少し話したが、とにかくご飯を食べてから部屋でゆっくり話そうという事になり、1時間後に部屋で合流。改めて自己紹介から。おじいちゃんは「李さん」僕の名前は「いいたか」と名乗ったが良く聞こえないらしく「タカさん」に決定!
話しを聞いたらこのおじちゃん、凄い。御年74歳!なんと日本大阪で25年も、良いですか!?25年も!不法滞在で働いていたのです(大笑)08年に見つかって台湾に強制帰国。
その後しばらく台湾で働き、今はフリー。そして中国は勿論、ベトナムなど今でも海外を一人で自転車で旅しているそうだ。因みに今日は僕と同じ西安を出発して同じホテル。
つまり同じ距離を走っている訳です。しかも!昨日は「華山」(中国四大名山)の山頂まで登山し、その足で100kmを走ってきたとの事。まったく・・・タダモノではないじぃさんに出会ってしまった。李さんの予定を聞くと、今回の旅のゴールはウルムチだそうだ。
ただルートが違う。話し合った結果、蘭州までランデブーすることになった。ここから約600kmを74歳と40歳のランデブーだわ。どうなる事やら。

聞くと毎朝6時に出発しているって。無理無理。絶対無理(笑)僕起きるのは7時だもの。
そうか。彼は6時から18時まで12時間走って100kmと言う事か。僕は8-9時間で100kmだから・・・うわ。2/3のスピードって事か。ま、それもアリだな。ウン。有り。
何事も経験。人生の先輩とこれから約1週間を過ごす事になる。面白くなりそうだわ。
日本語は結局あまり通じない(大笑)台湾語と中国語は似ているけれどはやり違う。李さんは英語も少しできるので、3か国語のミックスで会話あることになった。これが一番通じる。お互いの母国語以外になると「聴く」姿勢になる為、意外に通じるんだよね、これが。
さて。明日はさすがの李さんも遅く出発したいと言っていたので、安心して眠れる。
明日も終日上り坂。というか、これから約1か月は基本的に登り坂。
膝・・・大丈夫かな・・・。バンテリンをしっかり塗りこんでおこうっと!
お休み!

面白い標識シリーズ(?) 左の標識・・・クビが無いですなー。
  右の標識は「トラクターに人を乗せるな」の意味。人が放り出されていますね・・。

 

町の最後の一軒でした。ここを過ぎてからは、、、、本当に何もなかった!危ない危ない。

朝ごはん:2元
昼ごはん:5元
夜ごはん:40元
旅館:100元


5/25~6/1 西安滞在記

2011年06月01日 | 挟西省

あっと言う間だったなぁ・・・。西安。4回目の西安なので特に観光する訳でもなく、やらなきゃならない事を毎日やっていた。殆どと言って良い程部屋からは出なかった。。勿体ないかもしれないけれど、これから先の旅程を考えると、観光する気分にはなれなかった。
まず最初に取り掛かったのは、外付けHDDの修理。PCデータのバックアップ用なのでこいつは重要。
ある程度の都市には「電子城」なるものがあり、勿論西安にもあった。そこへ修理持込みする。
日本ならば、メーカーに送って直して送り戻して・・・と手間と時間もかかるが、その辺は中国。早い!
状況を説明した途端、おもむろにケースをパカッと開けて分解しはじめる。どうせ日本以外では保障対象外だし、とにかく中身のデータさえ取り出せればいいのだから。明日また来てねと言われてこの日はいったん帰る。

電子城は大体どこでも同じ。世界中のブランドが手に入ります。

マニアックなパーツも入手可能。
  修理をしたのは、裏路地にある小さな店。


おっ!FUJIFILM様!と思って良く見たら、中身は全部キャノンでした・・・

 

帰り道で、両替の事を思い出して銀行に駆け込む。
まだカードの中にあった日本円を元に両替したいのだが、その支店ではできないと。
もっと大きい支店なら出来ると言うので、移動することに。
移動した先の支店で手続きをすると、今日は本店との回線が不調なので明日来てくださいとの事。
念の為、本当に回線の問題で、規則上両替ができないことではないか?と再確認しておいた。
結果、問題ないとの事なので明日また来ることに。どうせHDDも取りに来なきゃならんし。
(※結果、さらに二日続けて延べ3日かけて銀行に通った挙句、両替できないということで終了)
帰りがてら町中をふらふら散歩してみる。観光地ではない普通の市街は他の都市とほとんど変わりないけれど、やはり回族が多いなーという印象。とにかく「パオモウ」の店だらけ!

小麦粉で練った「餅」を千切ってスープに入れる。

付け合わせのニンニクの酢漬けがまた旨い!

 

夜は蘇州時代の友人と食事。西安は(西安以外の都市でも)全市内禁煙となってしまっており、
友人も僕も煙草を吸うので困ってしまったが、とにかく肉を食べようという事で韓国焼肉へGO!
彼のご馳走という事で遠慮なくたらふく食べました!久しぶりの友人との会話は止まることを知らず、
食べ終えて更に話し込むことに。ふと気がついたら、週末は彼の秘書の結婚式に一緒に出るのでは?
おまけにそこで歌を歌うはず・・・。あれ?練習は?(笑) とりあえず明日だな。
お腹いっぱいになると眠くなるのは健康な証拠!こうして西安の二日目を終える。

 夜は動物園に行ってきた。・・・・というのは冗談で、例の結婚式の歌の練習をするために、友人とスナックに行くことになっていたのだ。彼が「動物園みたいだよ」という意味は、店の扉を開けてすぐにわかった。「ぱお~ん」とは言わないまでも、すっごいのがズラリと並んでいた・・・・。
それにしても日本人のおじさまで満席。僕らは歌うだけなので、彼らが引き揚げるまで2時間ほど待って、0字を過ぎたころからカラオケ練習開始!歌はコブクロの「永久に共に」。
立て続けに10回ほど歌って引き揚げたが2時を過ぎていた。
  因みに翌日も動物園で練習練習♪ なんとかサマになるレベルには仕上げられた。

中国の結婚式はこれで2回目。
実はつい先日に蘇州で参加してスピーチをやってきたばかり。今回は客人なので気楽モード。
同じテーブルには友人の会社の社員が一緒だというので安心していたが・・・。
登場したのは西安市の公安局長殿。。友人は大手警備会社の総経理なので、地元公安との付き合いはとても大切。本当は彼らには別の席を用意してあったのだが、そんなことはお構いなしにドンッと隣に座ってしまった・・・。後から来た社員たちは座るところがなくなりウロウロする始末。
あぁ・・・となると、お酒呑まなきゃならんのね。しかも「白酒」(バイジュウ)。これ50度以上のお酒なんです。役人と飲むときには必ずコレ。彼もお酒は弱いが、俺はさらに弱い。弱いというか飲めない。
それでもお相手は公安局長。ええ、飲みましたとも。白酒3杯ほど。喉から胃まで焼けるように熱い酒です。局長殿はあっさりと一本空けていきました。中国では飲むのが仕事ですからね・・・。完敗。
  因みに中国の結婚式は楽しいですよ!日本とちょっと違うのは、新郎新婦が壇上に揃ってから食事を始めるまでの間に挨拶や出し物は全部やってしまうのです。勿論、両親へのあいさつも最初にやってしまいます。それが終わると会食開始。そして五月雨式に解散・・・。
あと服装も私服で全く問題なし!というかスーツ着ているのは新郎くらいか?
日本のように堅苦しさがなくて、僕は好きですね。
ちなみにご祝儀は様々だが、日本のようにウン万円という感覚ではない。こういうところは本当に中国のいいところだなーーと思うね。

練習したコブクロを歌うことに・・・。

 

西安では他に陝西大学と打ち合わせがあったり、そこの学生が自転車で上海まで走るというので自転車談義をしたり、マッサージに行ったり・・・。久しぶりに日常を過ごしました。
何よりも蘇州時代の友人には大変お世話になりました!ありがとね!がお!(←彼の中国での呼び名)
そうそう。サプライズも!
5年前に初めて中国に来た時に上海で出会ったレストラン経営者に西安で再会しました!
彼との出会いは強烈な印象があったので、名前も顔もしっかりと覚えていたのですが、当時上海でレストランを始めたばかりだった彼は、今では中国各地にチェーンを出すほどになっていました。
彼も覚えていてくれて、互いの5年間を語り合いました。出会ったころはずいぶん尖った印象があった彼も、去年結婚したらしくずい分と丸くなっていましたね。上海で有名なイタリアンレストラン「コラボ」の社長です。是非行ってみてくださいね。

今回で4回目となる西安。飛行機・車・自転車で来たので、次回は・・・バイクかな?(笑)

パイナップルを売る自転車 串に刺して食べます。

 

西安市内を囲む城壁の南側の門「南門」

 

超高級ブランドデパート。

 

おやつ代わりの「涼皮」

 

 古代と現代の融合?

 

 市内の観光名所の一つ

 「パオモウ」のお店

 西安土産の一つの「きり絵」

さわやかな毎日でした。

 

外国人の観光客の多いこと!主にヨーロッパから来ているそうです。

この季節の果物「ライチ」 楊貴妃が笑ったといわれる果物。500gで300円くらい。
  勿論「生」ですよ!

 

回族のおばあちゃん手作りの麻でできたサンダル。夏は涼しくて気持ちいいですよー。 

 

高田純二が焼いている・・・羊肉。観光地なので一串10元もする!

 

青空麻雀。女性が多いのです。

 

陝西大学の先生と学生たち。

一番右の学生が、西安から上海まで自転車で旅するそうです

 

おおっと!西安にもセブンイレブンが!

 

・・・と、思ったら「Everyday」でした。

 

「花博」開催中の西安は、到る所に花が置いてありました。
後ろの建物は「鐘楼」。市内の中心です。

 

外国人向けのCafé街


西安 走行距離76.8km

2011年05月24日 | 挟西省

今日はいよいよ西安までの最終ステージ。西安で待つ友人、途中一緒に走った中国人チャリダー。そして結婚式参加と大学での講義に買い物などなど・・・西安ではやる事一杯だわさ。
天気も良くて気持ちよくスタート!Wei南は結構栄えている町だった。綺麗できちんとしている印象。
数キロ走るといつもの開発工業地域で、一気に埃っぽくなる。ま、それはいつもの事。
今日は距離も短いし、気分的に楽しいのでつまみ食いしながら走る。こういう時中国は本当にありがたい。食べたいと思うと、大体道路脇に店があるのは本当に助かる。
今日のつまみ食いはこちら↓


 最高の笑顔の美人女将さん!

 饅頭2個と豆腐ナントカで5元なり。

 ホント、子供がかわいい。

西安までは殆ど下り坂なので、どんどん進み、15:00には西安に到着!友人とこの前一緒に走ったチャリダーと市内で待ち合わせた。李クンは明日、大学のある長沙に戻るらしい(今度は電車で帰る)
彼は自転車で10日間、500元(食費・宿泊費込)約1000km走ってきたそうだ。若さってすごい・・。
電車で帰ると15時間で300元だそうだ。割安?割高?(笑)

友人&李クンと。

 

友人の会社が入居しているオフィス。デカイです。

 

とにかく、中国での最終補給基地に到着し、久しぶりに文化の香りを胸いっぱいに吸い込む。最近あまり気にならなかった自分の汚れが気になる。。。。シャツ、洗わなきゃ。

 

「花博覧会」開催中の西安だけに、町中に花がある。

 

西安市内の「鐘楼」で記念撮影

ここは城壁の南門

 

今回、西安では長期滞在。たぶん10日間くらい。
28日は友人の秘書の結婚式に参加するし、壊れた外付けHDDも修理しなくちゃ。それ以外にも買い物や両替、荷物の再設定、HP更新用データ整理に、写真整理。そして大学での講義準備など目白押し。
中でも最も重要なのが、今後のコースを決める事!西安までは自分で車を運転して来たこともあるし、大体のイメージはあったが、これよりも先は初めてになる。更にここか先がいわゆる「秘境」になり、言葉もドンドン通じなくなる。標高もグっと上がり4,000m級の山々を超えるコースになるので、綿密に計画を練りたい。
と言う訳で(と、いう言い訳で。笑)今回のホテルはこちら↓

漢庭ホテルチェーンです。

 

花博覧会もやっているので、いつもの2倍以上の価格。更に週末価格で3倍に・・・。涙。
でも・・・快適♪
夜は同い年の友人(彼は元々蘇州で働いていた)と久しぶりに一緒に食事。
イタリアンレストラン(上海にある有名なレストランの西安支店)に連れて行ってもらった!あぁぁぁぁぁ。至福♪今回の滞在中は、何かと彼にお世話になるし、彼の秘書さんの結婚式にも一緒に参加し、更に式場で歌を歌うという使命もある(!) 因みにコブクロの永久に共に。
西安に来るまでの間、走りながら歌いこんではいたが、彼とはまだ一度も一緒に歌った事が無い。今夜は休んで、明日以降は練習だな・・・。
それにしても、兎にも角にも「祝!西安到着」
明日から暫く日記はお休み。あとでまとめて西安滞在記で書きますね。


wei南市 走行距離82.1km

2011年05月23日 | 挟西省

今朝はさすがに何事もなく起きる事ができた。いや、起きたら窓越しに朝焼けに染まる山脈(先週越えた山々)が見ることが出来、なんだか走る気が湧いてきた!・・・気持ちだけね。で、いつもよりサクサクと準備。8時ジャストに出発。寒い!涼しいのを越えて寒い。

朝日を浴びる山脈

今日は天気がいいらしいし、もしかしたら西安までの140㎞を一気に走ってしまえるかも!?と思いつつ漕ぎ漕ぎ。
と、いきなりミニ・グランドキャニオンが出現。景観に驚いている間になんだか急に下りだす。あれれ・・・と思っている内にグランドキャニオンの底辺まで滑り降りた。かと思ったら今度は上り。げー。また全部登り直しかよ・・・。先に橋でも作っておけよ!と思ったら、現在建築中でした。

 ミニ・グランドキャニオンから這い上がる上り坂
 来年にはこの坂は無くなるのだろうか。

 ものすごい急斜面で山羊を散歩?
 朝日の中で居眠りするおばぁちゃん。

しかし、これを2回繰り返したら後はなだらかなアップダウンですいすい。
ところが、途中で何か所か観光名所があった。どれも朝見た山に入り込んで楽しむ見どころらしいが、そんな時間も余裕もない。実際これだけの荷物を置きっぱなしにしてフラフラ見ていられるほど危機感が無い訳ではない。なのでパス。写真だけ・・・

僕には入ることが出来ない観光地

更に進むと久しぶりの「視界数m」地帯。自動車・トラックが巻き上げる砂埃で前が見えない。あらゆるものがホワイトアウトする。