統計データを駆使して、貧困問題の研究を行ってきた阿部彩さん。かたや、鈴木大介さんは、貧困当事者のリアルを、個別ケースの深く細かい取材から明らかにしてきたライターである。
貧困という現実に、対照的なきりぐちからたちむかってきた阿部さんと鈴木さん。この二人だからこそ、問題の深部を的確に明晰に抉り出すことに成功した。
対談ではあるが、得られる情報量は多い。よく編まれた書物である。
日本の相対的貧困率は15.7%(2015年)にも上るが、日本には本当の貧困なんてないと言う人もいる。そんな人にこそ伝えたい現実がある。一時的にせよ「飢えた」状態に置かれてしまい、万引きをしなければ食べ物にありつけない貧困家庭の子どもは少なくないのだ。本書では貧困問題のリアルと本質について、社会調査とデータのエキスパートと、貧困家庭の現場を徹底して見聞きしてきたライターが語り合う。貧困への無理解に対抗するための本音対談。
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