小手鞠るい,2022,情事と事情,幻冬舎.(2.26.25)
「すべての愛には、裏がある。」
恋愛小説の名手が描く、
大人たちの上品で下品な恋愛事情、その一部始終。
著書メッセージ:「不倫に嫌悪感を抱いているあなたにも、不倫小説が大好きなあなたにも」
だらしない女ときちんとした女。女癖の悪い男と誠実な男。天使と悪魔。結婚と不倫。純愛と情事。あなたは、どっちが好きですか。私はもちろん、だらしない女と、女癖の悪い男と、悪魔と、不倫と、情事です。だって、おもしろいじゃないですか、読むのも書くのも。きちんとした女と誠実な男が結婚したって、つまらない家庭しか築けませんよ。「幸福な家庭はどれも似たようなものだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸なものである」と語ったのはトルストイですが、私はこう言いたい。「恋愛を描いた小説はどれも似たようなものだが、情事を描いた小説はそれぞれに不条理で病み付きになる」と。アメリカのテレビドラマシリーズを意識して、毎回ノンストップで読ませるエピソード7つ。今までの小手鞠るいとは、ひと味もふた味も違った悪魔的に優雅な情事小説です。
不倫に嫌悪感を抱いているあなたにも、不倫小説が大好きなあなたにも、自信を持っておすすめします。もちろん、恋愛小説が好きなあなたにも、嫌いなあなたにも。
四六時中、発情している男女が登場する恋愛、というより性愛小説。
どす黒い人間の心性がよく描かれてると思う。
ひたすらキモい。
映像向きだなと思ってたら、すでにドラマ化されていた。
【情事と事情】原作小説の結末は?ネタバレ考察:あらすじ&ドラマとの違いも解説
小手鞠るい,2014,いちばん近くて遠い,PHP研究所.(2.26.25)
優等生の悪女―松下絵里子(28)スポーツ用品メーカー勤務。結婚も決まり、公私ともに充実の日々が始まるも…。懲りない悪女―佐藤美鶴(34)小さなサンドイッチ店で働く主婦。元デパートの店員。献身的な夫がいながら過去の男に…。華麗なる悪女―加賀美さとみ(53)セレクトショップ「トップ・シークレット」社長。欲望にどこまでも忠実な女性起業家。多少の犠牲は…。純情そうな悪女―向井沙也香(21)セレクトショップ「トップ・シークレット」社員。さとみの下で働く新入社員。そこには絵里子の婚約者がいて…。正直に生きれば生きるほど、堕ちていく―。彼と同じ未来を見ていたはずなのに。彼女には僕の知らない別の顔がある。ままならない男と女の関係を、それぞれの視点で描いた、めくるめく長篇恋愛小説。
これまた、性愛にまつわる人間のドロドロした心性をみごとに描写した傑作長編小説。
本作が斬新なのは、男だけでなく、女も、平気で二股かけるし、他の女から男を略奪しさえすることを赤裸々に描き尽くした点にあるだろう。
若いときにこんな小説にハマったら、一夫一婦婚に幻想を抱くことなどできなくなるかもしれないな。