先週のアブダビ投資庁の米シティグループへの出資に引き続き、FOMC(連邦公開市場委員会)が政策金利を引き下げても、明確な株高、ドル高のトレンドはみえてこない。今日から来年1月まで、アメリカの大手金融機関の決算が次から次に発表されるので、様子見ムードが強まるなか、クリスマス休暇にともなう薄商いゆえ、なにか材料が出るたびに、為替レートが大きく変動している。
アラブが、ヨーロッパが、アメリカの金融危機の救済に乗り出したのは、一つには、自国のあまりに大きなドル建て資産の目減りをおそれているからだ。中国はいまのところ中立の立場をとっているが、いずれの国も、ドル高を誘導しつつ、少しずつドル建て資産をユーロ等にシフトさせていく魂胆なのだろう。
経済評論家の中長期的な予測は、極端な円高、円安論の両極に分かれている。アメリカの住宅バブルの精算には少なくとも5年以上はかかると思うので、わたしは、ドル高予測に懐疑的だ。世界がドルを基軸通貨として認め続け、アメリカの借金漬け財政を支え続けるのであれば、話は別だが。ちなみに、アメリカは、1990年の不動産不況の際にも、緊急利下げを行い、シティコープ(現シティグループ)がサウジアラビアの石油王の出資を受け、金融危機を乗り切っている。さて、歴史は繰り返すのか。売り方、買い方の壮絶な殴り合いの結末がどうなるか、世界経済の動向に目が離せそうもない。
(画像は、ドル円の日足チャート。)
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